税務調査に備える!専門税理士監修による税務調査まとめ

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はじめて受ける税務調査の対応・準備・注意点は?

税務調査に備える!専門税理士監修による税務調査まとめ

(2018/2/19更新)

税務調査は国税局や税務署が、納税者(企業または団体・個人)が適正に納税しているか、申告内容に虚偽はないかをチェックする為に行う調査です。
会社の帳簿などを見て、税金をしっかり納めているか確認されます。会社を経営して納税義務がある以上、避けては通れません。

やましいことはなくても、心が落ち着かない。なぜなら税務署も納税させるのが仕事なので、基本的に疑いの目を持って調べて来ます。そのため自分ではちゃんと納税をしているつもりでも、思わぬところで足をすくわれ、追加の税金を納めることになってしまう場合があります。

今回は、突然やってくる税務調査に恐れず自信をもって対応できるように、税務調査の準備や対応方法の注意点について、渋谷税理士法人中村剛士氏に話を聞いて税務調査についてまとめました。

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そして最後に、創業手帳編集部スタッフが前職で過去に体験した税務調査体験をご紹介します。

税務調査とは?

税務調査とはそもそも何か?

我が国の税制は『申告納税方式』が採用されているものが多いです。申告納税方式とは『自分で税金を計算し、納税すること』をいいます。

自分で計算する以上、売上げの数字を少なくしてしまえば脱税は簡単にできてしまいます。また、意図的でなくても勘違いや見間違いなどで数字にミスが出るのは仕方のないことです。

以上のように、全ての会社が税金の金額を適正に計算しているとは限りません。したがって、会社が行う計算が法律に則って適正に申告されているかを税務署側で調査する必要があります。これが『税務調査』です。

税務調査の対象

税務調査の対象は、事業を行っている限り総ての法人が対象となります。そして納税者には税務調査の受忍義務(取調べに応じるべき法的義務)があるため、税務調査を避けることはできません。
平成28年度の国税庁の発表によると、経理に手が回らないためか、飲食店や町工場など比較的小規模で展開している事業で不正発見割合が高くなっています。

不正発見割合の高い10業種(法人税)
順位 業種 不正発見割合 不正所得金額(円)
1 バー・クラブ 62.5% 14,720,000
2 外国料理 45.3% 6,131,000
3 大衆酒場・小料理 37.7% 5,800,000
4 廃棄物処理 30.5% 17,217,000
5 自動車修理 28.9% 4,095,000
6 土木工事 28.9% 10,139,000
7 パチンコ 28.6% 30,813,000
8 貨物自動車輸送 27.1% 9,593,000
9 識別土木建築工事 26.2% 10,012,000
10 管工事 26.2% 6,489,000

出典:平成28年度 法人税等の調査事績の概要(国税庁)

税務調査の対象期間

現状では、税務調査の証拠となる領収書や契約書は、原本を原則7年間保管する規制()があります。

税務調査で調査される期間は、通常は過去3年分です。しかし、大きな問題が見つかると過去5年(一部の特別なケースでは7年あるいは9年)に遡って調査されます。

また帳簿は紙による保存が原則となっています。
しかし最初からPCを利用している帳簿書類で一定の要件を満たすものは事前(3ヶ月前まで)に税務署長に申請書を提出し、承認を受けることで電子データのまま保存することができるなど、デジタルデータによる保存方法にもいくつか選択肢が許容されています。


税務調査の種類と時期・期間

一般的に『税務調査』と呼ばれるものには2種類あります。『強制調査』と『任意調査』です。

強制調査の時期

強制調査イメージテレビドラマやニュースなどで何十人もの人間がいきなり会社に立ち入り、段ボールに資料を詰めて運び出していくシーンを見たことが無いでしょうか?『税務調査』といえば、あのシーンを想像するかもしれませんが、あれは『強制調査』です。

決まった時期や期間サイクルが無いので予測が難しいですが、強制調査は多額の脱税をしていない限りは滅多にやってくるものではないです。

任意調査の時期

これに対し、数年(一般的には3~4年)の期間サイクルでやってくるのが『任意調査』です。任意調査の場合は税務官が1人ないしは2人でやってくる場合が多いです。また、強制調査と違い、事前に連絡があり、スケジュール調整することも可能です。

仮に、事前連絡なしに調査官がやってきた場合には、次の質問をしましょう。

「強制調査ですか?それとも任意調査ですか?」

強制調査だと言われた場合には、顧問税理士か顧問弁護士に連絡をとるくらいしかできることがありません。

一方で、任意調査だと言われた場合には「スケジュール調整をしたうえで連絡するので、今日の所はお帰り下さい」と言うことができます。その場で、少しだけでも見せてくれないかと食い下がられる場合もあるようですが、一旦全て拒否してしまってスケジュール調整してから調査を実施するのでも法的には問題ありません。

税務調査の期間

税務調査は通常は2日程度かかります。受忍義務(取調べに応じるべき法的義務)があるため、税務調査そのものを避けることはできませんが、任意調査であれば、スケジュール調整は可能です。

創業期に受ける税務調査の準備・対応と注意点

税務署は税金が安くなる方法を教えてくれますか?

創業したばかりのときは『やれることは自分でやる』といって営業から経理・総務まで一人でやってしまう経営者が多いです。創業期は資金的にも不安で、なるべくコストカットしたいという気持ちがはたらくき、取引規模も小さく数字の把握も容易なため、税理士を付けずに自分でやることもできてしまいます。

しかし、知識が不足した状態で作成した帳簿では、たとえ意図的に悪意がなくても様々な指摘を受け、泣く泣く追徴課税で税金を支払うような事態になりかねません。

税務署は税金を納税させるのが仕事です。税金が安くなる制度は教えてくれません。『コストカットのつもりが、かえって割高になってしまう』というリスクを認識しておかなければなりません。

税務調査の準備や対応は顧問税理士とともに!

税務調査の準備や対応における顧問税理士のサポート多くの経営者は、本業に関しては大得意だが経理・総務といった裏方の仕事には疎いものです。ましてや税金関係ともなると『本業に支障ないし、よく分からないから後でいいや』となってしまい、結局必要な手続きを失念しているケースが多く見受けられます。

【関連記事】会社を作ったら最初にやっておくべき税金・納税の申請手続き

これでは起業間もないキャッシュが厳しい時期に受けられる税金の優遇制度も受けられない上に、後年税務調査が入った場合にも自分で対応しなければならなくなってしまいます。

税理士を付けていれば、必要な手続きも適正な計算もやってもらえるのはもちろん、税務調査にも立会ってもらうことができます。不必要な税金を支払うことも防げますし、専門家のサポートは税務調査のときに心強いです。

このように、税務調査におけるリスク回避の意味でもコストカットの意味でも、創業期から顧問税理士を探しておくのがベストと言えます。

実録!本当にあった怖い税務調査の話

いつかやってくる恐怖の税務調査。実は、創業手帳の編集部関係者にも以前の職場で任意調査の税務調査に立ち会ったスタッフがいます。創業後のはじめての税務調査ではないですが、税務調査の注意点を押さえておくために参考として紹介しておきます。

1. 任意調査の連絡が来る

税務調査が入る旨の通知が税務署から来たら、社内スケジュールを調整して、そこから税務調査の日程を決めます。

やましいことが無くても、何となく心は穏やかではない。そうかと言って、何もしない訳にはいかない。実際に税務調査がやってくる日まで、前回の税務調査から今回の税務調査までの全取引を経理と共に、全て見直していかなければならないのです。

2. 取引の証拠になる書類を揃えるためにウンザリ

取引の証拠になる書類を揃えるためにウンザリするイメージ税務調査で見られるのは、入出金が妥当なものであり(不正なものではないか)、調査員から取引に聞かれた場合、その説明ができるかどうかです。また、その収益や経費が妥当な項目として決算に計上されているかもチェックされます。

そのため、お金の収支に対して、説明ができる文書が全てそろっていなければなりません。少なくとも、契約書は必要になります。支出に関しては、さらに請求書とその契約に対して分かる成果物もある方が良いと言われます。収入に関しても、請求書のコピーと成果物のコピーがあると良いようです。

これらの契約書や請求書には必要な金額の収入印紙が貼られていなければならないので、印紙のチェックも必要です。

本業の他にこれらの準備をしなければならないわけで、準備にウンザリした(本人談)ということです。

3. 退職した前任スタッフが必要書類を残しておらず恐れオノノく

税務調査が入ると分かってから、経理と共に、必要な書類の有無を確認していき、不足の事態が多数発覚しました。経理で保管しているはずの請求書や契約書がない取引が多数見つかったのです。すでに退職してしまった当時のプロジェクト担当者が経理に渡していなかったのが原因です。

4. 前任スタッフの残した書類をかき集めてゲッソリする

物流センターに通い、暑い物流センターで汗だくになりながら辞めた前任者が残していった書類などをすべて確認する羽目に・・・。

そこから契約書や成果物のコピーが発見できればまだ良い方でしたが、見つかるのは、仕事を請けたと思われるメールがプリントアウトされた紙、最終提出前の成果物のコピーの山。

調査員に突っ込まれたら、なんとなく請けて、なんとなく成果物を出していたとしか答えられないものだらけでした。

それでも、ないよりはマシということで、資料として用意しました。

5. 結果としてはセーフ

そんな風が吹けば飛ぶような証拠を資料にして、税務調査当日を迎えました。

結果は、追徴課税なしで切り抜けました。大きな契約については、契約書(収入印紙を慌てて張ったものがあったような)や成果物っぽいもの(最終報告手前のものを成果物と言い切った)などがそろっていたので、問題がなかったようです。

得られた教訓は、契約書、請求書、成果物は誰でもが分かるようにしておかないと、あとで痛い目に合うこと。この税務調査のときは、1週間ほど対応に付きっきりで、本業の仕事がほとんどできませんでした。

取引が長く実績があって信頼のおける取引先だと、口約束で業務を請け負ってしまったり、仕事を発注してしまったりと、ざわざ契約書を結ぶのも面倒だと思ってしまうものです。しかし、それは絶対にしてはいけません。

このような業務委託や業務受託による入出金は、その取引自体にトラブルがあった場合の法的根拠の問題もありますが、税務の面から見ても税務調査が入ったときに不正な契約ではないかと疑われてしまい、結果として追徴課税になってしまう可能性が高くなってしまいます。

税理士との顧問契約は1万5千〜3万/月が相場と言われていますが、そのコストを差し引いても後の税務リスクを考えれば税理士に財務・税務面を見てもらう価値があるといえます。

(注) 
平成23年12月税制改正により青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。
また、平成27年度及び平成28年度税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年間に延長されています。

(監修:渋谷税理士法人 中村剛士
(編集:創業手帳編集部)

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