日経平均3万円はベンチャーや起業にどういう影響を与えるか?

創業手帳

株価が高くなっている要因と今後の展望について、創業手帳大久保が解説します。

日経平均
日経平均は3万円を突破し空前の株価になっています。
これは、金融緩和やコロナ後の回復を見越して株価が高くなっている事が考えられます。
しかし一方で実需を反映していない面もあり、危うさもはらむ展開です。
株価が高い状態は続くのか、また株価が高いことは起業家にとってどういう影響があるのかを創業手帳代表の大久保が解説します。

大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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なぜコロナで経済ダメージがあるのに株価が高い?


金融緩和や融資、助成金など各種の策で、日本の経済への影響は他の諸外国に比べ抑えられている方だとはいえ、飲食店などへのダメージは大きい。

それに対して株価が高いのは不自然な印象を感じます。

株価は実際のところ、現在の経済状況を反映したものではなく、日経平均を構成する会社の将来を含めた価値を算出したものが株価とも言えます。

将来の価値も見越して株価が構成されるので、今の経済や会社の価値だけではないため、コロナ後を見越しているから株価が高くなっているとも考えられます。

更に、金融緩和による過剰な紙幣発行の状況があると、株価に反映しやすいのです。

ビットコインが暴騰しているのも、ビットコインの価値が浸透してきたという見方もありますが、資金の供給サイドの影響が大きいのでしょう。同様に株価も資金の流入による影響を強く受けるのです。

つまり会社の価値が上がっていると言うより、お金の価値が下がっている(だぶついている)、という見方もあります。

経済学の理論で言えば、世の中にお金があふれるとモノを買いたい人が増えてモノの値段がせり上がりインフレになるはずだが、今はお金があっても欲しい物が無いという成熟社会になりつつあり、モノが買われにくい。そのため資金が消費に回ってインフレに向かうのではなく、貯蓄や株式、債権、仮想通貨、不動産など資産性のあるものに向かうことになります。

ただ、この中で不動産についてはコロナの影響で動きにくくなっているため、より株式や仮想通貨のような投資しやすいところに資金が集中して暴騰をまねいている事が考えられます。

そう考えると今の株価が高い状態がいつまで続くのかという不安もあるでしょう。

起業家にとってどういう影響があるか?

起業家にとって株価が高い状態というのは、どういう影響が考えられるでしょうか。

まず、株価が高いことで、会社にとっての投資余力などが増えたり、キャピタルゲインによって消費者の購買意欲が刺激されるので、株高は消費市場が良くなる、つまり売上に対して良い影響があると思われます。

では、売上以外の資金調達面ではどうでしょう。

大まかに、出資で調達する起業家、融資で調達する起業家で状況が異なります

出資で資金調達する場合、投資家にとっての出口は最終的にIPOかM&A、次にラウンドでの他の投資家への売却となるケースが多く見受けられます。

これは投資家にとってという意味であって、起業家にとっての出口という意味とイコールではないので注意が必要です。
しかし、出口での株価が高いと会社の価値が高くなりやすいため、歓迎するべき傾向であることは間違いありません。

昨今の経済ダメージの割には、救いになっているというという事が考えられます。ただ、これが次のラウンドや出口まで相場が続くかどうか、ということが問題になってくるでしょう。

また、出資は近年投資金額は増えているが、投資先数は増えていません。つまり上場が見えてきたようなスタートアップに資金が集中している傾向があります。

巨額の調達をするユニコーン的な会社も必要ですが、より多くの投資先に分散して裾野が広がるほうが、長期的なスタートアップシーンの成長においては良いと思われます。

全国で金融機関と連携してシードからの出資を行うフューチャーベンチャキャピタル(FVC)の松本直人社長によると

「資本主義大国の米国でさえ、社会を良くするのは急成長且つ独占排他的なユニコーン企業ではなく、多様性を尊重し社会との共生による永続性を主眼とするゼブラ企業だと言われている。

地方にはより長期的な目線で社会課題を解決するゼブラ型のスタートアップが多く、そういった企業にリスクマネーが行き渡る事が日本社会を良くするだろう。」

とのことです。
今後株高が一部の会社の株価を引き上げるだけでなく、裾野が広がってくると投資家からの資金が日本全体の活性化に貢献していくことになるでしょう。

起業家は手元資金を確保して新しい環境に備えよう

また融資による調達を目指す会社においては、市場に資金が余っている状態は融資が受けられやすいので本来であれば良い状態であると考えられます。

しかし、コロナ禍においてはそうとも言えない状態となっています。何故ならば、コロナのの緊急融資などで、金融機関側の審査の物理的なキャパを超えてしまったような事例が昨年多く見受けられたためです。

つまり、これからの創業よりも今稼働している飲食店に対しての融資の方に現場のスタッフを優先して動員したということが考えらえれます。

現実的な対応キャパから考えて仕方がない面があるでしょう。最近はコロナ関係の融資も落ち着いてきたので創業融資も動き出していますが、コロナに関わる影響は現場の審査キャパの逼迫という意外なところに出るケースがありました。

株高は、起業家にとっては歓迎するべき状況ですが、この相場が続くかどうかが課題となるでしょう。

調達環境が悪くなるケースも十分考えられるので、起業家は早めの資金調達で手元資金を増やすなどの対応が必要になってくるでしょう。

「コロナで未来が早く来た」と言われることがあります。

リモートの普及などの環境変化も出てきています。

環境変化では新しい市場ができ、その新しい市場は動きの早い起業家と相性が良い。

ワクチン普及はまだ先ですが、それによる経済復活と、コロナをきっかけにできた新しい環境変化を起業家は上手く掴んで欲しいと思います。

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(編集:創業手帳編集部)

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