プルークス 松浦寛之|企業の課題を解決!動画制作のプロフェッショナルによるワンストップの動画マーケティングサービス
企業の「伝えたい」と「その先の変化」のために動画活用で強力アシスト
幅広い世代が日常的にスマートフォンで動画を楽しむようになり、気になる商品やサービスを調べる際にもYouTubeなどで探す機会が増えています。
あらゆるコンテンツで動画へのシフトが加速度的に進み、広告やマーケティング施策への活用も前提になりつつある広告市場で注目を集めているのが、企業の課題解決を目的としてワンストップで動画マーケティングサービスを提供するプルークスです。
2018年にJCOMのグループ会社となった同社は、これまで2,000社5,000本以上の動画制作実績を重ねています。
今回は代表取締役社長を務める松浦さんが同社へ参画した経緯や組織構築のコツ、企業における動画活用について、創業手帳代表の大久保がインタビューしました。
株式会社プルークス 代表取締役社長
大学卒業後、NTTデータに入社しベンチャーへの出向を経験。2012年よりジュピターテレコム(現JCOM)において、メディア事業の戦略策定、新規事業開発に従事。メディア・エンターテインメント市場が変化するなか、動画マーケテイング領域に可能性を見出し、2018年4月にプルークスに参画。2020年7月からは代表取締役社長に就任。商品やサービスのプロモーションにとどまらず、インナーブランディング、採用、IRまで企業の経営課題の解決を動画の側面から支援している。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
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この記事の目次
出向後、2年の歳月をかけて関係構築をしてから代表取締役社長に就任
大久保:松浦さんはプルークスへの出向後、代表取締役社長に就任されたと伺っています。まずは出向までの経緯についてお聞かせ願えますか。
松浦:ジュピターテレコム(現JCOM)の事業企画部で、中期経営計画の策定や成長分野への投資に関する業務を担当していました。
ケーブルテレビは地域の世帯数に左右される特性を持つため、企業を発展させていくためには成長領域への投資が欠かせません。社内の方針も一貫していて、積極的にパートナーを探していました。その過程で出会ったのがプルークスです。
2017年から交渉を始め、2018年に連結子会社化しました。私も同年から出向しています。
大久保:松浦さんはこの取引をご担当されていたのですね。
松浦:はい。私のチームが企業選定から創業者への交渉、ディールまですべて行いました。
大久保:会社の譲渡後、事業の成功には買い手企業からの出向者と従業員との信頼関係が鍵になるかと思います。松浦さんはそのあたりをどう意識されましたか?
松浦:やはり信頼関係の構築には一番気を配りました。
私がこだわったのは伴走期間をきちんと設けたことです。2018年の参画当初は、創業者が社長で私が副社長、双方が代表取締役として代表権を持つ体制を作りました。いきなり入っていって「ああしろこうしろ」という乱暴なことは絶対にしたくなかったからです。
なにしろ出向時の私は42歳で、メンバーは二回りほど違う20代が中心。若い会社というだけでなく、買い手企業からやってくる人間を迎える彼らにしてみたら「どんな人が来るんだろう?」と戦々恐々ですよね(笑)。
そこでまずは従業員一人ひとりをよく理解すると同時に、丁寧なコミュニケーションを図り、少しずつ関係を築き上げていきました。
2年かけてチームビルディングなどに注力し、盤石の体制にした上で2020年に代表取締役社長に就任しています。振り返ってみても、この期間があったことでうまくいきましたね。
従業員と一緒にミッションやビジョンを作り上げると同時に親会社の強みを活用
大久保:当時のジュピターテレコムが成長分野への投資を行う際には、シナジー効果にもこだわっていたと伺っています。シナジーを生み出すためのコツがあればお聞かせください。
松浦:ジュピターテレコムとプルークスが合意に至ったのは、お互いに成長が見込めると判断できたからです。そのため、私の参画により成長を止めることだけは避けたかったんですね。
先ほどお話ししましたが、当時のプルークスは20代を中心とした10名強の会社でした。その彼らが築き上げてきた営業スタイルやビジネスの進め方といったカルチャーは壊したくないなと。
そこでまずは彼らと一緒にミッションやビジョンを考えたり、議論する時間をたっぷりと設けたんです。この「一緒に作り上げた」というのがポイントですね。
と同時に、子会社化したからこそ親会社である大手企業の優れた利点を存分に活かそうと。たとえば資金繰りの心配が少なくなったり、財務や経営企画などのバックオフィスが強いのは大手ならではですよね。こうした分野には積極的に親会社の力を使い、人材を投入したり経営基盤を固めていきました。
良いところをきちんと残しながら、親会社のメリットを上手に取り入れる。これがシナジーを生み出すためのコツかなと思っています。
大久保:優れた面を良い塩梅でかけ合わせたんですね。そうした実践的な能力も含めてもともと経営の才能をお持ちだったと感じるのですが、松浦さんご自身は「いずれ起業したい」「経営者になりたい」というようなご希望はあったのでしょうか?
松浦:実はジュピターテレコムの前にNTTデータにいまして、在籍時の20代後半のときにグループ会社のベンチャーへの出向を経験しているんですね。
そこで経営に近い業務を担ったのですが、初めて「将来は会社を経営してみたい」という漠然とした目標を持つようになりました。
大久保:その当時のご経験は、プルークスを経営される上でも活きていそうですね。
松浦:はい。現在の弊社の従業員とほぼ同年齢、かつ同じベンチャーに勤務していたおかげで、ベンチャー企業に必要なカルチャーの作り方や、従業員を盛り上げ活性化させる方向性の示し方などを感覚的に理解できていたことは大きいです。
もちろんこの成功体験に依存したわけではありません。より良い組織を構築していくために、弊社を構成する一人ひとりと向き合い、もう一度私自身の中で仕切り直しながら取り組むことを重視してやってきました。
プロダクトマネジメントや戦略コンサルタントのキャリアも積んでいるのですが、最も大事なのは戦略ではなく、やはり「人」です。現在でも変わりませんが、人とどれだけ向き合えるか?その人の力や持ち味をどこまで引き出すことができるか?といった部分に常に注力しています。
企業の動画活用で肝となる、企業向け動画制作を強みとするプロとの二人三脚
大久保:御社はあらゆる動画マーケティングサービスを提供されています。動画制作のプロとして、動画広告市場の変遷や動向についてお聞かせください。
松浦:一昔前までYouTubeを見る頻度も少なかったのが、今はちょっとした調べ物でも動画で答えが得られる時代です。
私自身、ひとりの生活者としても日常的に動画と接する機会が増えました。ふと気づくと、仕事からプライベートまでYouTubeで検索していることが多いんですね。若い世代の方々は、さらにこの傾向が強いです。
必然的に、ビジネスの世界も動画を中心としたコミュニケーションや情報提供が増加しています。
2014年は動画元年といわれていますが、その理由は企業がYouTubeの動画広告への本格参入を始めた時期だからです。ただしあくまでも広告というフォーマットで、多くがプロモーション目的でした。
この年を起点として徐々に用途が広がり、ここ数年では採用を目的とした自社PRのブランディング動画や、株主や社員とのコミュニケーションに活用する動画なども増えています。
大久保:確かに2014年以降、動画の活用が一気に増えましたよね。動画制作について詳しくない企業が多いので、取り入れる上でアドバイスをいただけますか。
松浦:なにも自分たちで全部作る必要はありませんので、動画の作り方や自社における活用法がわからなくても問題ありません。
現在では弊社のように企業様向けの動画制作を強みとするプロフェッショナルがいますので、「どういう目的で必要なのか?」などを率直にお話しいただき、二人三脚で作り上げていく姿勢を持っていただければ大丈夫です。
弊社は年間約2,000件の案件に携わっていますが、一般ユーザーや取引先、株主、採用候補者など、あらゆる対象とのコミュニケーションに動画を活用する重要性は理解しているものの、「どうしたらいい?」の“HOW”の部分がわからずご相談いただくケースが多いんですね。まずは気軽にお声がけいただけたらうれしいです。
コストの最適化と、企業の課題解決に強みを持つことで他社との差別化を実現
大久保:動画制作と一言で言っても、御社は従来の広告代理店や動画制作会社とは異なると伺っています。具体的な相違点をお教えください。
松浦:一般的な広告代理店や動画制作会社は、もともとテレビCMから事業が始まっています。CM制作を中心とした企業はクオリティが高い分、比例してコストもかかるんですね。
ただ、現代人が接する映像はテレビCMだけではなく、先ほども申し上げたYouTubeをはじめとしたWEBやSNS広告にシフトしています。それに伴い、この分野を得意とする制作会社が登場しました。もちろん弊社もそのひとつです。
弊社はオンライン動画広告に強みを持ち、とりわけ企業のコミュニケーションを目的とした制作に特化しています。クライアントの課題解決のために、設計・動画企画の上流工程から動画制作・広告配信の下流までを1社で完結できる点が大きな特徴です。
その結果、クライアントのコスト負担軽減も実現しています。従来と比較して、制作費に数千万単位の多額な投資をする必要がなくなりました。
それからオンライン動画だけではなく、テレビとデジタルメディアを組み合わせた新商品の開発や、動画配信先の拡充も行っています。
大久保:コストを抑えて制作できることも魅力ですが、企業の課題解決を得意とされているのが素晴らしいですね。きちんと差別化が図れています。
松浦:はい。現在、市場には動画制作会社があふれていますが、クライアントをしっかりと理解した上で、その企業が伝えたい文脈を汲み取った制作となると非常に難しいんですね。
たとえば人事部の担当者から採用動画制作の依頼を受け、「こういう動画を作ってみたい」「この会社と同じようなテイストがいい」と希望されたとします。すると、そのまま似た動画を納品してしまうことが往々にしてあるんです。結果として、せっかく作っても使われずにお蔵入りになるケースが多いんですよ。
弊社で重視しているひとつは、まずクライアントの課題をすべて紐解き「誰に何を伝えたいか?」を丁寧に汲み取ることです。その際に、膨大な事例から「他社ではこんな方向性で展開しています」「こういう取り組みが参考になるのではないでしょうか」といったきめ細やかなご提案まで行っています。
それから動画の場合は制作して終わってしまい、きちんと活用されているかわかりづらいというネックがあります。つまり、動画に直接触れる一人ひとりの生活者に届けるための広告配信や効果測定までセットで実施しないと意味がないんです。
弊社では設計・企画から動画制作・配信、効果測定までをワンストップですべてご提供していますので、こうした点も他社とは異なる強みですね。
自社に有益な効果を生み出す動画制作のために重視したい3つのポイント
大久保:最後に、動画制作を検討している起業家や企業の担当者に向けてアドバイスをお願いします。
松浦:動画制作の際に重視したほうが良いポイントは3つです。
まず1つ目は、誰に何を伝えたいか?そして伝えたことにより、どんなふうにその受け手に変わってほしいか?を決めること。
企業が動画を作るにあたって、一番最初に明確にしておきたい要素です。この点をクリアにした上で、制作会社を探したほうがいいですね。
続いて2つ目は、伝えたいことをあれこれ盛り込まず、ひとつに絞ること。
会社紹介で動画を取り入れる企業が多いのですが、あらゆる用途に活用しようとする傾向があるんですね。残念なことに、その方向性では誰にも見てもらえない動画ができあがってしまいます。だからこそテーマはひとつにする。「何のための動画か?」をきちんと定めることが大切です。
そして3つ目は、動画には賞味期限があるので定期的に作り直すこと。
同じ動画の使い回しは可能ですが、世の中の時流や競合の狙いは変化しますので、折を見て見直しが必要です。おすすめのひとつがプレスリリースの配信タイミングに合わせた再制作ですが、企業ごとに適した時期を見極めながらブラッシュアップしていただければと思います。
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(取材協力:
株式会社プルークス 代表取締役社長 松浦 寛之)
(編集: 創業手帳編集部)