認知広告の目的や種類とは?効果を図るKPIや成功のポイントについても解説!

広報手帳

認知広告とは効果的に認知拡大が狙える広告手法


自社が手掛ける商品・サービスの売上げを伸ばしていくためには、商品・サービスを消費者に知ってもらうことが重要となってきます。
様々な広告手法の中で、特に認知拡大を狙えるのは「認知広告」です。

そこで今回は、認知広告を打つ目的や種類、効果を図る指標、成功させるためのポイントについて解説します。
商品・サービスの認知拡大を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも認知広告を打つ目的とは?


認知広告は、自社商品やサービス、ブランドなどの認知拡大を目指すために活用される広告です。
広告のターゲットは、商品・サービスなどを知らない消費者になります。ここで、認知広告を打つ重要性や獲得広告との違いについて解説していきます。

認知広告の重要性

認知広告は業界・業態に問わず、重要性の高い広告です。なぜなら、消費者の購買行動において最初の段階が「認知」になるためです。
AIDMAの消費者行動モデルを参考にすると、最初に認知段階に入り、そこから興味→欲求→記憶と移行して、最終的に行動段階へと移ります。
つまり、消費者はいきなり商品を購入する際にはいきなり行動には移らず、認知を経た上で行動することになります。

消費者が自社の商品やサービスを知ってもらわなければ、興味を持ってもらうことも、ましてや購入してもらうこともできません。
こうした理由から、認知広告が重要といわれています。

認知広告と獲得広告の違い

広告には認知広告以外にも様々な種類があります。その中のひとつである「獲得広告」は、商品やサービスの売上げアップやコンバージョン獲得を目的とする広告です。
認知広告はあくまでも認知拡大や商品・サービスなどに対する理解度の向上が目的となります。
この認知広告と獲得広告をそれぞれ使い分けることで、マーケティング活動もスムーズに行いやすくなります。
まずは認知広告によって商品・サービスについて知ってもらい、そこから獲得広告を打つことで購入の後押しをすることも可能です。

認知広告にはどのような種類がある?


認知広告は幅広いシーンで活用されています。それぞれのシーンで種類と特徴も異なっているため、ここで種類別の特徴を把握しておいてください。

純広告(Web広告)

純広告とは、特定のWeb媒体にある広告枠を買い取り掲載する広告です。
例えば、検索エンジンとして活用されるYahoo!では右上に広告枠が表示されており、様々な広告が表示されています。
料金は広告が表示された回数や掲載期間に対して支払う仕組みとなっており、クリック課金型やアフィリエイト広告などの成果報酬広告とは異なります。
Web媒体の種類も豊富にあるため、商品・サービスのターゲット層に向けてどの媒体の純広告を利用するのか検討することで、効果的に認知拡大を目指すことが可能です。

ディスプレイ広告(Web広告)

ディスプレイ広告とは、Webサイトに表示される画像・動画・テキストを活用した広告です。
バナーで表示されることも多いことから、「バナー広告」といわれることもあります。

ディスプレイ広告を活用するメリットは、潜在層にアプローチできる点です。まだ問題があることに気付いていない人や、悩みを持っているものの行動には移していない人に対してニーズを掘り起こし、商品・サービスを認知してもらえます。
また、コンバージョンに至らなかった人に対して再度広告を表示できる「リマーケティング」も行えます。

リスティング広告(Web広告)

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際に、結果画面に掲載されるテキスト広告を指します。
すでに悩みを持っていて調べている人に対して商品・サービスをアピールできるため、興味・関心を示してもらえる可能性は高いです。
また、テキスト広告になるためディスプレイ広告のように広告らしさがなく、自然とユーザーの目に留まりやすい傾向にあります。
さらに、リスティング広告は低予算から開始できる点も特徴的です。

SNS広告(Web広告)

SNS広告とは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなど、SNSに配信する広告を指します。
SNSは現在多くのユーザーが活用しており、認知拡大を目指す上で欠かせない媒体です。
SNS広告を活用すると認知拡大以外にも、ファンの育成やブランド力・購入意向の向上など、様々なメリットがあります。

なお、各SNSはそれぞれ利用しているユーザー層が異なるため、SNS広告を出稿する際には各SNSの特徴を把握し、出稿するSNSを選んでください。
Facebookはアカウントを作成する際に基本属性も登録するため、高精度のターゲティングが可能となりますが、若い世代よりも30代や40代以降のユーザーが多い傾向にあります。

なお創業手帳ではビジネスの集客にも活用できる主要なSNS4つについて解説した「起業家のためのSNS使い方ガイド&チェックシート」を無料進呈中!それぞれのSNSを利用しているユーザーはそれぞれの特徴があるため、SNSの特徴を理解して、集客などに活用していきましょう。

動画広告(Web広告)

動画広告とは、動画を使った広告です。
サイバーエージェントの調査によると、2022年国内動画広告の市場規模は5,601億円で、前年対比133.2%も成長していることがわかっています。
この調子であれば、2025年には1兆524億円に達する見込みです。
市場規模が年々拡大している動画広告は、通常の広告よりも多くの情報を伝えられることや、ストーリー性を持たせて視聴者に共感やインパクトを与えられること、効果の検証がしやすいことがメリットになります。

また、動画広告はYouTubeなどの動画プラットフォームだけでなく、SNSやWebサイトにも配信できるため、認知拡大に適した広告といえます。

タイアップ広告(Web広告)

タイアップ広告とは、Webメディアや媒体に商品・サービスの宣伝をしてもらう広告です。
例えば、雑誌などに掲載している商品・サービスの特徴や活用事例などもタイアップ広告です。

Webの場合、ニュースサイトやまとめサイトなどに広告を掲載してもらうケースが増えています。
タイアップ広告は、単に広告を打つのではなく、第三者となるメディアが制作しているため、信頼を獲得しやすいという点がメリットです。
第三者が商品やサービスについて知りながら、ユーザー目線で解説してくれるのでわかりやすい点も魅力です。
また、媒体ごとにユーザー層も異なるため、精度の高いターゲティングを行えます。

タクシー広告

タクシー広告とは、タクシーの車内に設置されたディスプレイに表示される動画広告のことです。
タクシーはビジネスパーソンの利用や、経営者などの富裕層が活用する傾向にあるため、ターゲットにリーチしやすい広告といえます。

なお、タクシー広告は動画以外に、リーフレット広告やステッカー広告などもあります。
現在は数が少なくなっているものの、まだ活用されている場合もあるのでぜひチェックしてみてください。

認知広告に「Web広告」が人気な理由


上記で認知広告の種類をご紹介しましたが、そのほとんどはWeb広告に該当します。
テレビや新聞、ラジオなどマスメディアを活用した広告もありますが、認知広告にWeb広告が活用されている理由について解説していきます。

細かくターゲティングが設定できるから

Web広告の魅力として、細かいターゲティングを設定できる点が挙げられます。
例えば、性別や年齢、住んでいる地域などの属性はもちろん、趣味嗜好やユーザーが過去に購入したもの、閲覧履歴などの情報に基づいてターゲティングを設定することが可能です。
ターゲティングを行えば、ムダなコストを抑えつつリーチしたいユーザー層に向けて効率的に広告を打ち出せます。
マスメディアだとある程度絞り込むことはできても、より細かくターゲティングを設定することは難しいため、認知広告として活用されています。

低コストで広告を打てるから

Web広告の特徴として、ほかの広告と比べて比較的低コストに抑えやすい点も人気の理由になっています。
出稿単価が抑えられれば、経費削減だけでなく、浮いた分の費用を使って別の媒体に広告を出して多くのユーザーに商品やサービスを伝えられます。

また、Web広告はリアルタイムに内容を差し替えられる点もポイントです。
例えば1カ月限定でお得なキャンペーンを開催する場合、看板広告や交通広告は短期間のキャンペーンがあっても宣伝できません。
しかし、Web広告ならすぐに差し替えられるため、短期間のキャンペーンでも問題なくアピールできます。

データや数値で効果測定・分析できるから

Web広告はオフラインの認知広告と比較して効果測定・分析がしやすくなっています。
例えば、誰が見たのか、広告を見てどれくらいの人が反応したのかなどを自動集計し、定量分析を行えます。
この結果に基づいて改善していけば、より費用対効果の高い広告運用も可能です。

認知広告の効果を図る指標「KPI」とは?


広告は出稿して終わりではなく、どれくらいの効果があったかを測定・分析し、改善していくことが重要となります。
認知広告の場合、効果を図る指標としてよく用いられているのが「KPI(重要業績評価指数)」です。
ここで、KPIの中でも特にチェックしておきたい項目についてご紹介します。

インプレッション数・リーチ数

インプレッション数とは、広告が表示された回数を示す指標です。
リーチ数もインプレッションと似ていますが、こちらは表示された回数ではなく閲覧したユーザーの数を表しています。
認知広告では、自社の広告を見たユーザーがどれほどいるのかが重要な指標となってきます。
もしもインプレッション数が低かった場合は、広告の予算を引き上げたり媒体を選び直したりすることも検討してみてください。

シェア数・クリック数

シェア数とは、SNSで広告がシェアや引用された数のことです。
シェア数は増えれば増えるほど多くのユーザーに向けて拡散されていくため、多くのユーザーの目に留まっていることが期待できます。
クリック数は、広告に興味を持った人からクリックされた回数のことです。
クリック数が低ければ広告内容を見直す必要があります。ターゲットにクリックされやすい広告に仕上げる必要があります。

本商材の指名検索数

商品やサービス、ブランド名などの検索エンジンを使って、何回検索されているのかを調べるための指標です。
認知度が低いままだと商品名などで検索されることはありませんが、認知広告を掲載することで認知が高まった結果、検索数が増える可能性もあります。
そのため、指名検索数がどれくらいあるのかも調べておくと良いです。

ダウンロード数(主にBtoB向け)

ダウンロード数とは、広告から自社のホームページやLPに移動した後、資料のダウンロードが行われた回数のことです。
BtoC向けの場合はSNSでのシェア数が重視されていましたが、BtoB向けの場合は資料のダウンロード数が指標となります。
資料がダウンロードされると、ホームページやLPなどを見た上で商品やサービスに対して興味を持っている人も多いため、その後の顧客獲得につながる可能性があるかもしれません。

認知広告を成功させるためのポイント


実際に認知広告を出稿したい場合、成功するためのポイントを押さえて広告の作成に取りかかることが大切です。ここでは4つのポイントについて解説します。

目的を明確にする

認知広告を制作する前に、まずはなぜ認知を拡大させたいのか目的を明確にしてください。
目的が明確になると、どのターゲットにアプローチすべきかがわかりやすくなり、ターゲットに合った訴求に取り組めます。
目的を明確にしておかないと、広告を実際に出稿した際の着地点もわからなくなってしまうため、まずは目的から設定することが大切です。

ターゲットに合わせたアプローチを行う

認知広告の目的が明確になったら、次はターゲットに適したアプローチを行っていきます。
せっかく認知広告を作って出稿したのに、自社のターゲットがほとんどいないメディアだと意味がありません。
効率的な認知拡大を目指すのであれば、きちんとターゲットに合わせてアプローチできる媒体に出稿する必要があります。
広告費をムダにしないためにも、慎重に媒体選びを行ってください。

潜在層に対するアプローチを強化する

潜在層は自社の商品・サービスに対してニーズの顕在化はしていないものの、商品のジャンルやテーマに関しては興味関心を持っているユーザー層を指します。
潜在層はまだ自社商品・サービスを認知していないものの、うまくアピールを行えば購入や申し込みにつながる可能性が高いです。

潜在層へアピールするためには、まずインパクトを重視することが大切です。
商品・サービスでなくてもまずは広告の印象を強めることで、自社サイトへのアクセスを増やしていきます。
また、潜在層には商品を購入することで、どのようなベネフィット(顧客が得られる利益)があるのかを伝えることも大切です。
潜在層は「商品を購入することで悩みを解決できる」と理解できれば、興味関心を高めてもらうことにつながります。

競合他社と差別化する

認知広告を作成する際には、競合他社との差別化を図る必要もあります。
競合と比較した際に、自社の商品・サービスでしかできないことを打ち出すことで、魅力を感じてもらえます。
競合他社と差別化させるためにも、まずは自社と競合他社がユーザーにどれくらい認知されているのか現状を把握することが大切です。
自社がどのポジションを獲得すると良いのか明確にしておくことで、認知広告だけでなくマーケティング活動全体にも一貫性が生まれて、差別化が図りやすくなります。

まとめ・商材に合った認知広告を活用して効果分析をしながら売上げアップを目指そう!

商材の認知を拡大させるための施策にも様々な種類がありますが、Webを活用した認知広告なら多くのユーザーに商材を知ってもらうことも可能です。
今回紹介した成功ポイントも押さえつつ、認知広告を活用しながら売上げアップを目指してください。

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(編集:創業手帳編集部)

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