飲食店はどう広告でアピールする?費用や集客アイデアまとめ

飲食開業手帳

飲食店を成功させるには広告が不可欠


この10年間で飲食店を利用するユーザーのニーズは大きく変化しています。
メニューやクーポン、お店の口コミを頼りにする人は増え、そのニーズの変化に対応するために飲食店自体も変化が求められています。
広告や宣伝の種類の多様化により、費用をかけずにお店をアピールする手段も増加しました。

そこで、今回は飲食店におすすめの広告や費用の相場について解説します。

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飲食店の広告にはどんなものがある?


飲食店を経営するために重要な点は数多くあります。
メニューの内容や店内のインテリア、ターゲット層などは開業するまでに何度も思案しているはずです。
しかし、広告についてはどうでしょうか。

飲食店を成功させるために不可欠であるのが広告戦略です。広告戦略についてもこの10年で大きく変化しています。
まずは、飲食店の広告にどのようなものがあるのかをまとめました。

Web広告

飲食店を探すとき、多くの人がインターネットを利用しているでしょう。
パソコンで検索するのみならず、タブレットやスマートフォンを利用する人は老若男女問わず増えきており、一般的になっています。

インターネットであれば営業時間や位置情報といった基本的な情報やメニューや口コミを把握できるため、自分に合ったお店を見つけることができます。
新規顧客に認知されるため、Web広告の戦略は必須です。

Web広告の料金体系は、変動型と固定型に分けられます。
変動型はページ閲覧やクリック、タップごとに料金が発生する料金体系です。一方で固定型は、月額で掲載枠を購入する方法になります。

広告媒体やターゲット層によっても適したWeb広告は違います。下記で、種類ごとのWeb広告をまとめました。

SNS広告

SNSは広く普及が進み、現在は多くの方がSNSを利用して情報収集しています。
一方、飲食店にとってもSNS運用は無料でできる集客手段として、頻繁に使われています。

SNS広告は、ターゲット層に合ったSNSを選択するようにしてください。以下で、SNSごとの特徴を紹介します。

・Instagram
Instagramは画像をメインとしたSNSなので、ビジュアル訴求をしたい飲食店におすすめです。
ビジネスアカウントを開設できるうえ、有料の広告オプションもあります。

・X(旧Twitter)
Xは、手軽に投稿でき、拡散力の高さが特徴です。
投稿できる文字数には制限があるものの、簡潔だからこそ確認しやすく、二次拡散を生みやすいシステムとなっています。
珍しいメニューやお店の情報でユーザーの注目を集めれば高い宣伝効果が期待できます。

・Facebook
Facebookは、比較的年齢層が高くビジネスマンの利用も多いSNSです。
有料広告ではターゲットの居住地や性別を設定できるので、ターゲットを絞って広告を打ちたいときにもおすすめです。

・TikTok
TikTokは、短い動画をシェアするSNSで若者を中心に利用されています。短時間でも宣伝要素を盛り込みやすい点が魅力です。
ただし、広告用の動画を作成しなければならないので、どのようにコンテンツを作るかが課題となります。

Google広告

検索エンジンや地図などGoogleのサービスは世界中の人が利用しています。
Googleビジネスプロフィールは、GoogleやGoogleマップの検索結果に店舗の基本情報を表示させるサービスです。

上位表示されることで、その周辺にいる人が検索してすぐに足を運部ことができます。
写真や口コミを表示できるので、その地域を検索した人にアピールできるほか、最新の情報を投稿やダイレクトメッセージで発信できます。

LINE広告

LINEは多くの人が活用しているSNSであり、幅広い顧客にアプローチできます。
LINE広告は、LINEアプリ内に広告を配信できるサービスでLINE公式アカウントと合わせて友だち追加や来店を促進しやすくなります。
ポイントカード機能もあるので、リピーター育成につなげられる点もメリットです。

グルメ情報サイトへの掲載

グルメ情報サイトは、さまざまな飲食店を紹介しているサービスで口コミが主体のものとクーポン掲載が主体のものに分けられます。

飲食店を探しているユーザーにアプローチしやすく、メニューや料理の写真を掲載したり限定クーポンを発行したりと、ターゲットに合わせた運用が可能です。
サイトからそのまま予約するといった集客に直結した機能が充実しています。

オフライン広告

オフライン広告は、看板広告やチラシといった昔から活用されている広告手法です。だだし、ネット広告と比較すると広告の効果を測りにくい点に課題があります。

そのオフライン広告によって来店数にどれだけの影響があったかを可視化しにくくなってしまいます
チラシやフリーぺーパーであれば広告を経由していることがわかるようにクーポンを付与するといった方法も検討してください。

折込広告

折込広告は、新聞にチラシを折り込んで届けるサービスです。広いエリアに情報を届けることができます。

折込広告は1部4円程度からあり、チラシのサイズによって価格は異なります。
新聞を購読していない世帯もあり、ターゲット層に届けられないかもしれない点がデメリットです。

ポスティング広告

ポスティング広告は、指定エリアの住宅にチラシを投函する方法です。
近隣の住民に情報を届けやすく、デリバリーやテイクアウトの訴求にも使いやすい点が魅力です。

ポスティング広告は、1部3円程度が目安となります。自分でチラシを印刷して配布すれば、コストを抑えることも可能です。

雑誌・フリーペーパー

飲食店の情報を雑誌やフリーペーパーで収集する方も多いはずです。
クーポンとも相性が良く、おすすめのセットやプランを訴求する場合にも適しています。

それぞれの媒体によって価格帯は異なりますが、多くの場合は掲載するサイズによって料金が決まります。
媒体によって配布場所や読者層、発行部数が違うので申し込む前に確認してください。

看板

看板は通行人や近くに住んでいる人にお店の存在を知らせることができるツールです。
店名を記載するだけでなく、実施中のキャンペーンや本日のメニューといった情報を伝える役目もあります。

飲食店のメニューを表示しておくだけでも、お店の雰囲気や特徴、価格帯が伝わって集客に貢献します。
ロードサイドの飲食店であれば、遠くからも見えやすいのぼりの活用も検討してください。

看板は大掛かりなものになれば費用も多額になりますが、黒板やホワイトボードに手書きしたり、プリントしたものを貼ったりするものであれば数千円で設置可能です。

ただし、夜間に集客したかったり、競合店が多かったりする場合には目立つようなデジタルサイネージのほうが適している可能性があります。

交通広告

交通広告は、交通機関であるバスや電車内、駅構内に掲示される広告です。
交通機関利用中にそのようなポスターやステッカー、デジタルはよく目につきます。

一般的に利用者が多い交通広告ほど広告費用は高くなります。
観光客をターゲットにした飲食店であれば交通広告でのアピールが来店に直結するかもしれません。

飲食店の広告費の目安はいくら


飲食店の広告費は、SNSの運用など無料の媒体もありますがが、高額になると数十万円を超えることもあります。
宣伝広告費にどの程度かければいいのかと疑問に感じる方も多いかもしれません。

ここでは飲食店の広告費の目安を紹介します。

広告費は売上の5~10%が目安

飲食業の広告費の比率は他の業種と比較して、圧倒的に多いわけではありません。よく言われているのが、売上げの5~10%が広告費の目安であるというものです。
月の売上げが100万円であれば、100万円×5%~10%で5~10万円が広告費です。
開業前で売上げの金額がわからない場合には、想定している売上げで計算してみてください。

店舗を運営するためには人件費や水道光熱費、材料費といったランニングコストが発生します。
実際に営業してみて想定以上に膨らむ費用もあるため、広告費は上限を設けておくことをおすすめします。

もちろんすべての飲食店が、5%~10%を目安にしなければならないわけではありません。業種によっては少なくても問題ない場合や、より広告費が必要になるケースもあります。
広告は効果測定を行い、それが集客につながっているかどうか、また無駄なコストになっていないかどうかを定期的に確認しましょう。
そして自分のお店に見合った広告費になるよう、管理してください。

少額でも集客できるツールが増加している

インターネットやデバイスの発達によって、飲食店の広告も多様化しています。
費用をかけてチラシを作らなくても、無料、もしくは少額で登録できるSNSやグルメサイトを活用している飲食店の多いです。

飲食店は、店舗自体に魅力があれば安定して顧客を呼び込めるようになります。多額の広告費をかけなければ成功しないわけというわけではありません。
顧客の来店を促すため、認知度を高めることができるような広告を賢く利用してください。

飲食店における集客施策のポイント


飲食店で利益を伸ばすには、広告戦略が重要です。しかし、広告費を大きくすれば成功するわけではありません。
集客施策のポイントをまとめました。

ターゲットに合う戦略を考える

広告に限定した話ではなくお店を運営するためにターゲットの選定は重要です。
飲食店のコンセプトやターゲットに合わせた広告戦略を策定しなければ、広告の効果が発揮されません。

例えば、若者に向けた店舗の雰囲気やメニューを提供しているのに、若者が利用しているインターネット広告やSNSを利用しなければ広告の効果が薄くなってしまいます。
ターゲットとしている層がどのように店舗を知るのかを考えて動線を作るようにしてください。

オンライン広告とオフライン広告を組み合わせる

オンライン広告とオフライン広告はどちらかひとつを選ぶものではありません。
オンライン広告は、広範囲の人にお店を認識してもらえる点がメリットです。一方、オフライン広告は周辺の人に確実に情報を届けるために有効な手段です。

オンライン広告とオフライン広告はそれぞれ役割が違います。両方を組み合わせてターゲットにアピールしてください。

広告の効果測定を行う

広告は発信することがゴールではありません。どの広告でどれだけの効果があるかを効果測定してください。

具体的には、オンライン広告の閲覧数やクリック、タップ数を調べたり、クーポンの利用状況をチェックしたりすると効果を測れます。
効果を測定して、どの程度来店や予約につながったか把握して今後の広告戦略に活用します。

広告が売り上げや利益につながっていない時には、広告をほかの媒体に切り替えを検討しなければいけません。
切り替えたらまた効果を測定するといったサイクルで自分のお店にとって最適な広告を探してください。

広告費の予算は年額を決めて配分する

広告費は、月額で予算を考えるよりも年額で計画したほうが柔軟な広告戦略が可能になります。
それには忘年会や新年会シーズン、歓送迎会のように季節ごとのイベントが関係しています。

月単位で広告費を決めてしまうと、イベントに合わせてキャンペーンを実施する際に予算が不足してしてしまうかもしれません。
広告費の予算は年額で組んで、イベントに合わせて配分するように運用してください。

コストを抑えるなら口コミを活用する

集客に大きく影響するのが、来店客による口コミです。
口コミやレビューは第三者からの情報として検索したユーザーからの信頼性も高く、来店につながりやすい情報です。
コストが大きな広告よりも、口コミのほうが集客につながることもあります。
そのため、SNSでお店の情報を発信してくれた人に割引やプレゼントを送るといった施策も効果的です。

口コミを活用することで、一般的な広告よりもコストが抑えられる点もメリットです。

新規集客を増やすのかリピーターを増やすのかを考える

広告は、その目的によって施策が違います。
新規集客を増やすのであれば、チラシやグルメサイト、ホームページやSNSといった施策で、お店の存在を知らない人に対する訴求を目標に掲げます。

お店の売上げを安定させるには、新規集客だけでなくリピーター集客数も向上させなければなりません。
リピーター集客に効果的な施策は、来店時に次回以降に利用できるクーポンを渡したり、ポイントを貯めると割引やサービスが受けられたりといった再来店することによってメリットがあるような仕組み作りです。

飲食店には、新規顧客とリピーターの両方が必要です。お店の広告戦略は新規集客とリピーター集客の両方を行ってください。

まとめ

広告には多様な手法があります。自店が得たい利益、新規集客増加や認知度の向上のためにどの施策が有効なのかを考えて導入してください。
さらに、広告で集客したとしても、接客や料理が魅力的な水準に達していなければ客足は減ってしまいます。
広告のみに頼るのではなく、手段のひとつとして活用するようにしましょう。

広告は無料や安価でスタートできるもの多くあるので、身近なものから試してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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