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創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2020年12月18日 注目のニュース 解説入りIVSの新イベント「LAUNCHPAD SaaS」会場レポート:優勝はカミナシ、準優勝はJunify
初のテーマ特化型!「LAUNCHPAD SaaS」の様子をお伝えします。
2007年の初開催から通算エントリーは5,000社を超え、日本最大級のピッチコンテストとして 数々のスタートアップが熱戦を繰り広げてきた「LAUNCHPAD」。
今までは年2回の開催でしたが、今回は初めてのテーマ特化型ということで「SaaS」プロダクトのみを対象としたスタートアップが集まりました。
募集対象は、インターネット、モバイル、ソフトウェア、デジタルコンテンツ、コンシューマーエレクトロニクス(ロボット含む)の製品・サービスでSaaSの事業モデルを展開しているもの。
創業手帳編集部では、会場で取材に参加しました。
今回はコロナ禍ということで、オンラインとオフラインのミックスにて開催されました。
youtubeで中継されたオフライン会場は、カンファレンスなどで使われる大型会場に少数の参加者がいて、机間の距離が4~5メートルも離れた超ソーシャルディスタンスで行われていました。
イベントの結果をお伝えします。
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
オンライン+オフラインで行われた
今年はコロナの影響で、2020年12月18日(金)に一部を除いてオンラインで行われました。
オンラインでのプレゼンテーションは、リアルとはまた違った雰囲気がありましたが、1社約6分のプレゼンテーションの模様。
選考を勝ち抜いた14名の決勝進出者がプレゼン
LAUNCHPADはスタートアップの登竜門として、InfinityVenturesSummit内で開催されてきたピッチイベントです。厳選な選考を経て選ばれた決勝進出者は投資家・VC・大手企業など豪華審査員の前でプレゼンテーションし、順位を競います。2020年のファイナリスト14名と結果です。
入賞者
優勝! 株式会社カミナシ 諸岡 裕人
現場の業務フローをデジタル化する!ノーコードツール「カミナシ」
工場などの現場では、未だに大量の紙でのチェックが行われています。例えば、紙で手書きで記入する、承認を押す、集計するなどで労力がかかり、ミスが多発することもあります。そういった紙を使った業務を、端末で管理することができるツールです。
プレゼンを見た感想ですが、このデジタルツールが代替する市場で大きいのは「紙」というより「ワーカーの時間」だと思いました。現場のコストで圧倒的に大きいのは人件費のためです。紙とのコスト競争と言うより、ワーカーの人件費が莫大なので、そこで減らせることの需要は大きいように思いました。
現場における人件費の圧縮度合いや、正確性の向上のシュミレーションができると、導入の際の納得感が増すように思いました。見事優勝、おめでとうございます!
準優勝! Junify Corporation 安武 弘晃
軽い社内情報システムで新しい会社と人の関係を「Junify」
アメリカからオンラインで参加した安武さん。アメリカ拠点だが、社員の半数は日本人とのこと。場所を選ばずに働く場所の環境を整えることができ、情報セキュリティや稼働状況のチェックなど、勤務中の安全性を高めることができます。
また、アプリのオンオフで勤務中とプラベートを切り替えることができます。
プレゼンを聞いた感想だが、若い参加者が多い中で、楽天出身の安武社長は、ベテラン感があり、2Bの需要やニーズを上手く取り込んだサービスのように感じました。会場内の企業から導入したいという声が出るなど、評価が高かったツールです。
アメリカは国土が広いこともあり、コロナ前からリモートワーク導入が進んでおり、リモートワーク先進地からのソリューション・ノウハウ輸入という側面もあります。
3位入賞 株式会社Tsunagu.AI 森 隆晃
“デザインを理解するAI”で、フロントエンド開発を自動化「FRONT-END.AI」
コーディングの負荷を軽減するサービスで、工数を95%削減できるとのこと。テンプレではなくプロ・大手向けの需要を狙っています。
ローコーディング・ノーコーディングのツールが注目されていますが、この手のサービスはどれくらい完成度が高いかに尽きるので、実際に使ってみての検証が必要だと感じました。
4位入賞 株式会社SpiderLabs 大月 聡子
国内最大級のアドフラウド対策ツール「Spider AF」
東京とポルトガルのリスボンに拠点があり、広告の不正クリック防止に取り組む企業で、大手企業の顧客を多数獲得しています。不正クリック問題に対応している会社にとっては使ってみたいツールではないでしょうか。大月代表は最近子供が産まれたという中での登壇で、バックストーリーも印象的でした。
5位入賞 株式会社アスキャスト 高田 雄大
インテリアコーディネートを効率化する日本初のコーディネート用SaaS「Amour」
他登壇者
Qasee株式会社 村田 敦
仕事がみえる みえると変わる 組織課題見える化ツール「Qasee」
株式会社NIMARU TECHNOLOGY Sae Hyung Jung
自由に動いて、自由に話しかけられるバーチャル空間「oVice」
conect.plus株式会社 坂井 洋平
IoTアプリケーションSaaS「conect+」
株式会社オンリーストーリー 平野 哲也
決裁者のマッチング支援SaaS「ONLY STORY」
もともと交流会やマッチングを行っていた会社だが、コロナのハンディを逆に攻めの方向に持っていった例です。
IVSも含めてオフライン系のマッチングの会社がオンラインに転換するケースが増えているので、その中でどれくらい良質なマッチングができるかが鍵になると思われます。
株式会社STANDS 露木 諒
プロダクト体験をノーコードで変革し、LTVを最大化する「Onboarding」
株式会社トルビズオン 増本 衛
空に道をつくる 上空シェアリングサービス「sora:share」
テレワーク・テクノロジーズ株式会社 荒木 賢二郎
テレワークのためのワークスペースシェアリング「テレスペ」
株式会社SOUSEI Technology 乃村 一政
大切な家の管理をスマホ1つで「マイホームアプリknot」
セルン株式会社 豊川 竜也
デジタルオンデマンド・サプライチェーン・プラットフォーム「BOOKSTORES.jp」
出版物をオンラインで発行できるサービス。紙ベースの印刷物を簡単に発行できます。
まとめ
全14名の中から、大賞に選ばれたのはカミナシでした!おめでとうございます。
起業当初は上手く行かず、ピボットの末の、躍進ということで感動もひとしおだったようです。
ペーパーレスを進めるカミナシと、オンデマンド出版のセルンの紙vs紙無しの構図も面白かったです。
リモート環境を反映してオンラインコミュニケーション系のツールも多かったです。
また登壇者には、創業の最初期に創業手帳セミナーに参加した方や読者も複数おり嬉しかったです。
創業期を抜けたスタートアップが飛躍する素晴らしい舞台でした。
また、すでにたくさんのサービスが出ているSaaS業界ですが、まだまだ新しいサービスが生まれていると感じました。
IVSに初期の頃から参加していますが、登壇者の平均的なレベルが上がってきているようです。
またIVS事務局もオンライン・オフラインのハイブリッド開催などコロナにも負けず新しい形でのイベントを作りつつあるように思いました。
(編集:創業手帳編集部)
創業手帳では、常に新しい情報を発信するために、小さなスキルアップが目的のセミナーから、著名人による大規模セミナーまで幅広く開催しています。
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