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株式会社バズグラフ 西本光治|人間と同じように文章を理解できる人工知能の開発事業が注目の企業

人間と同じようなロジックで文章を解析できる人工知能(AI)の開発事業で注目なのが、西本光治さんが2014年に創業した株式会社バズグラフです。

近年、AIを活用した言語処理技術が各所で活用されるようになっています。
例えば膨大な量の会議資料や会議中の会話を拾い出し、要点をまとめて保存するとか、コールセンターにかかってくる電話の内容を理解して回答してくれる、といったようなことをAIがやってくれるという具合です。
人の手でこうした作業を行う場合、資料の読み込み時間、内容を理解する時間、要点にまとめ上げる時間等が多くかかり、作業者の心理的負担も大きいですが、AI技術を使うと圧倒的に短時間でテキパキと捌いてくれるので、作業効率がグッと上がるわけです。

しかし、一見便利に映るAI技術にはまだまだ多くの課題が残っています。その一つが「自然言語処理」分野です。
これは、山と言ったら川、黒と言ったら白、というように、決まった単語や構文に対して学習させた返しをすることはできても、なぜその返しをするのかという意味を理解できないということです。
つまり、その言葉がそこで使われている意味や、文書や話の流れから読み解ける意図を理解した上で、その言葉を処理するということが苦手なのです。

殊更、日本語には独特の揺らぎや、ニュアンスの汲み取りが必要な会話や文章が多く存在するので、せっかくAIを活用しても、的確に内容を要約しきれなかったり、意味の通らないまとめになってしまったりする場合も発生します。

こうした課題を解決に導く新たな挑戦に、今注目が集まっています。
株式会社バズグラフの人工知能(AI)の開発事業の特徴は、日本語特有の「揺らぎ」や「ルーズな文法」までも正確に解析し、要約することが可能である、という点です。
同時に、ユーザビリティが良く、老若男女・業界等を問わず、誰もが簡便にそのサービスを手に出来るという点も注目ポイントです。

株式会社バズグラフの西本光治さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

文章の要約はもちろんのこと、文章を要約する際に「文章の中で重要とする箇所」を瞬時に抽出し、可視化することが可能です。
他社との差別化として、一般的に使用されている語句を最小の単位(形態素)まで分解し解析する「形態素解析」に加えて、さらに「特徴語解析※1」と「機能素解析※2」という2つの技術を組み合わせています。

たとえば、『山田が怒られた』と『山田に怒られた』という2つの文章は、全く意味が異なります。
しかし従来の解析方法では「に」や「が」等の部分が解析されないことが多くあり、山田が怒ったのか怒られたのかという意味の理解が難しく正確性に欠けます。
そこで「が」や「に」といったこれまで切り捨てられがちだった助詞や助動詞等の部分までもしっかりと解析する手法が、機能素解析です。その結果、従来の形態素解析だけでは難しかった、日本語特有の「揺らぎ」や「ルーズな文法」までも正確に解析し、要約することが可能となっています。

※1 特徴語解析とは、機能素解析で構造化したデータをもとに、頻出度や文法的役割などから語句毎に特徴量を重みづけ、重要な語句を解析する手法になります。
※2 機能素解析とは「助動詞」や「助詞」に注目し解析。そのことで、語句と語句の関係性を解析できるようになっています。

主な機能は以下の通りです。
①最大1万文字までの大量文章を要約
②要約結果は瞬時に出力
③要約サイズは「%・文字数・行数」を指定可能
④URL入力での本文抽出や、キーワードでのニュース検索からの要約も可能
⑤キーワード出現率や文章構造図などの便利な分析機能
⑥API提供可能

2021年3月、独自の自然現処理エンジンによる文章要約を可能としたAIサービス「文章要約AIタンテキ」をリリースし、会員登録機能実装後、わずか約100日で会員数10,000人を突破しました。
膨大な文章の整理や「議事録」などの社内文書、「レポート」などの課題にも大活躍、それ以外の分野でも活用方法は多岐に渡るとユーザーからの期待の声を頂いており、現在Google検索「文章要約」で1位表示の結果となっています。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

ターゲット層は、長い文章を扱うすべての方、及び企業を対象としており、WEBサービスは簡単な会員登録のみでどなたでも無料でお使いいただけます。
またAPI連携もトライアルプランをご用意しており、要約や分析の観点からジャンルを限らない企業様との連携が可能です。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

●お年寄りや子供にも寄り添うサービス
AIという非常にわかりにくい分野であるからこそ、多くの人に親しみやすく、そして分かりやすいサービスにしたいという想いがあります。そこで、公式キャラクターに命を吹き込み、親近感のわくサービス提供を心掛けました。
ピッチの資料やツイッターでのツイートも、公式キャラクターの「タンテキくん」発信の内容となっています。会員登録のみの無料サービスという点でも、ユーザーニーズが高いです。

●社内業務の負担軽減
ニュースや社内文書など、必要情報や蓄積データの整理が簡易化でき、それに付随するマンパワーの負担も軽減できます。既存サービスに加え、近日リリース予定の議事録要約作成サービスでは、音声データからの迅速な議事録作成が可能となっており、世相に適したオンライン会議などの需要にも効果が見込めます。

●緊急時の適切かつ迅速な情報提供
緊急性の高い情報を、より早く端的に取得することで、重要情報の漏れや誤情報の防止を徹底します。
事例:佐賀県嬉野市との自治体連携
┗ 同市は、災害時の対策強化により、文章要約AI「タンテキ」とAPI連携しているサービスの導入を検討中。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

自然言語処理エンジンでは、最小の語で分解する「形態素解析」という手法が一般的でしたが、形態素解析を行うには最低でも数十万語、多いものだと一千万語の辞書データが必要となります。
当時はパソコンの性能がそれほど高くなく、膨大な辞書データを構築し解析するのは大変でした。
膨大な語数の辞書を必要としない文章の解析法はないものかと模索するうちに、本来切り捨てられる部分の言葉にこそ、文章を理解するための重要な語句があることに気がつき、それが先述の独自開発「機能素解析」「特徴語解析」へとつながりました。

・今の課題はなんですか?

日報や報告資料など会社内には大量の文書が埋もれています。
こうした課題解決のため、社内データのナレッジベース化やマーケティング等で活用できるサービスとして、議事録要約作成サービスや、専門用語も分析可能な業界特化型要約サービスなども随時リリース予定です。

・読者にメッセージをお願いします。

簡単な会員登録だけで、無料でお使いいただけます。
なぜ無料で提供しているかというと、より多くのユーザーのみなさまからの、より多くのお声をサービスに反映させたいからです。
実際にユーザーからの意見が反映して生まれた既存サービスもあります。
ぜひたくさんお試しいただき、わたしたちにお声を聞かせて頂けると嬉しいです。

会社名 株式会社バズグラフ
代表者名 西本光治
創業年 2014年
資本金 197,000,000円(資本準備金含む)
社員数 7名
事業内容 人間と同じように文章を理解できる人工知能『文章要約AIタンテキ』の開発
(受賞履歴)
2021.12 FVMマンスリーマーケットにてマンスリーアワード受賞
2022.1 第3回スタ☆アトピッチJapan九州・沖縄ブロックにてオーディエンス賞受賞
2022.2 福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ2022にて優秀賞受賞
2022.2 Startup Pitch@CIC EdTech「学びの未来with テクノロジー」にて2位を獲得
サービス名 文章要約AIタンテキ
所在地 〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東1-1-33 はかた近代ビル7F
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI タンテキくん バズグラフ 文章要約 自然言語処理 西本光治
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