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アルテヴァルト 森岡仁美|壁画アートで店や地域に付加価値を与える「絵画と壁画の受注制作リーゼ」


アルテヴァルトの代表である森岡仁美さんは、2児の母親でありながら壁画アーティストとして活動する個人事業主です。「絵画と壁画の受注制作リーゼ」を運営しています。

中でも森岡さんが注力するのが、トリックアートを活用した地域活性化です。SNSとの相性が良いトリックアートは、観光資源や集客力を向上する頼もしいツールになることが期待されます。

アートを通じて新たな価値提供を目指す森岡さんに、サービスの魅力やさらなる展望について語っていただきました。

創業手帳別冊版「創業手帳 人気インタビュー」は、注目の若手起業家から著名実業家たちの「価値あるエピソード」が無料で読めます。リアルな成功体験談が今後のビジネスのヒントになるはず。ご活用ください。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

トリックアート美術館で壁画を描いた経験を活かし、全国の店舗や個人宅の壁に手描きで絵を描いています。

外壁、内壁、天井、床、シャッターなど様々な場所に絵を施せます。錯覚を用いた絵も描けるので見る人を驚かせるようなもの、写真を撮って楽しめるものも制作いたします。

何を描くか、どんな画風にするかはお客様のご要望に沿って提案させていただいています。

・どのような方にこのサービスを使って欲しいですか?

このサービスを使ってほしいのは、アートを通じて空間や店舗に新しい価値を与えたいと考えている方々です。具体的には、店舗経営をされていて他の競合と差別化を図りたい方や、インパクトのある空間を作りたい方、SNS映えする写真スポットが欲しいと考えている方に最適です。

例えば新しくお店をオープンする際にご依頼いただければ、壁画アートが話題となり、開店前から宣伝効果を高めることにも役立ちます。

また、既存の店舗でも、外壁や内装に壁画アートを取り入れることでリブランディングを図ることができます。壁画アートは単なる装飾ではなく、そのお店や空間にストーリーを与えるものです。お客様に「ここにしかない体験」を提供し、記憶に残る場所として選んでもらえるようになります。

さらに、観光地や地域振興を目指す方々にも、壁画アートは効果的です。地域の魅力を発信する壁画アートが観光客を呼び込むための魅力的なコンテンツとなり、地域全体の価値向上にもつながります。特にトリックアートは、見るだけでなく写真を撮る楽しさも提供できるため、SNSを通じて広がる可能性があります。

私は、アートが人々に驚きや感動を与え、そこから新しいつながりや価値が生まれる瞬間をたくさん見てきました。その力をもっと多くの方々に届けたいと思っています。空間を通じた体験価値を提供したい方、地域や店舗に新しい価値を求める方に、ぜひこのサービスをご活用いただきたいです。

・このサービスの解決する社会課題は何ですか?

まず壁画アートがあることで周りの雰囲気が明るくなり、地域の活性化につながります。壁画アートが人々の会話のきっかけになり、お店や地域全体に親しみを持ってもらえるようになります。

例えば、歯科医院のシャッターに山の絵を描いた際には、「寂れて暗かった通りが明るくなった」「昔登山した時のことを思い出した。これから通るのが楽しみ」といった声が寄せられました。また、患者さんとの会話にもつながり、地域全体のつながりを生むきっかけになりました。

さらに、壁画アートは景観の美化だけでなく、観光資源としての可能性も秘めています。特にトリックアートはSNS映えするコンテンツとして話題を集めやすく、地域への注目度を高める効果があります。

地域の魅力を国内外へ発信し、インバウンド需要にも応える観光資源として活用できます。

また、店舗においては、空間演出を通じて独自のブランドや店舗イメージを築き、集客力を向上させるツールとなります。壁画アートが提供するのは単なる装飾ではなく、来店者に特別な体験を提供することで、印象に残すことにも役立ち他店舗との差別化を実現することです。

ただ、あくまで私たちが目指しており基本のコンセプトとしていることは、崇高でハードルが高いと思われがちなアートを、楽しさも交えながらももっと日常に溶け込む形で提供することです。

アートを介したコミュニケーションの活性化、地域の魅力向上、店舗のブランディング支援を通じて、社会に新たな価値を創出できると信じています。

・創業期に大変だったことは何ですか?また、どうやって乗り越えましたか?

創業直後に2人目の妊娠がわかり体調が万全ではない中絵を描いていました。制作中はお腹を圧迫しない姿勢を心掛け何とか乗り切りました。

創業から半年ほどはなんとか壁画が描けましたが、長期入院することになり仕事ができなくなりました。

そこで、これまで積極的にやってこなかった、パネルに絵を描いて郵送で納品するというスタイルを始めました。これにより出産前後の仕事ができない期間の収入を確保することができました。

・今後、どのような会社、サービスにしていきたいですか?

私は、「アートをもっと日常に」という理念のもと活動しています。

アートは手が出しにくいと感じる方も多いですが、もっと身近で、誰もが楽しめるものにしたいと思っています。壁画アートだけでなく、肖像画や家具ペイント、特殊塗装、カスタムペイントなど、アートが息づく場をさらに広げていきたいです。

特に力を入れたいのは、依頼主の想いを形にする“オーダーメイド型アート”の実現です。

お店や住まい、地域の魅力を引き出す作品を提供することで、その場にしかない価値を生み出したいと考えています。「こんなアートを作りたいけれど、どこに頼んでいいかわからない」と思った時、真っ先に相談されるような会社になりたいです。

また、トリックアートやカスタムペイントといった技法を通じ、ただの装飾ではない体験型アートにも挑戦したいと思っています。

例えば、遠方に住んでいる家族や亡くなってしまった大切な人やペットとの絆を描き出す肖像画型アートや、自治体や官公庁とも連携して地域の文化を象徴する壁画を手がけ、アートを通じて人々がつながる場を作る。そんな未来を目指しています。

壁画アートがもたらす驚きや感動、そして人と人を結ぶ力がそこにはあると信じています。そして私の作品を通し、常に温かさと人と人の繋がりを生み出すきっかけになればと願っています。これからも挑戦を続け、誰もが気軽に楽しめるアート体験を提供する会社を作り上げていきたいです。

・今の課題は何ですか?

未就学児を2人育てながら仕事をしているため常に時間に追われています。また、壁画は基本1人で制作しており、大規模だったり、納期が特急だったりする場合のスタッフの確保が課題です。

・読者にメッセージをお願いします。

壁画というニッチな仕事の紹介を読んでいただきありがとうございます。日常の中でちょっと驚いたり、何かを思い出したり、隣の人に「絵があったね」と話しかけてみたり、そういう小さなアート体験が増えたらいいなと思っています。

世の中にはこういう仕事もあるのだな、と知っていただけるだけで嬉しいです。

会社名 アルテヴァルト
代表者名 森岡 仁美(もりおか ひとみ)
創業年 2023年3月
社員数 1名
事業内容 壁画制作作業、絵画制作
サービス名 「絵画と壁画の受注制作リーゼ」
所在地 神奈川県
代表者プロフィール 神奈川県横浜市在住。女子美術大学で日本画を専攻し、その後トリックアート制作に携わるなど、多岐にわたるアート経験を積む。手描きによる独自の感覚と、トリックアート技術を融合させたアート制作が強み。現代のデジタルアート全盛の時代にあって、手描きならではの温かみとインタラクティブな要素を取り入れた壁画アートで、次々に感動と記憶に残る体験を提供している。
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(編集:創業手帳編集部)

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カテゴリ 有望企業
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