ガリバーを創業4年で上場へ。「成長マインドセット」著者 吉田 行宏インタビュー(前編)

創業手帳

経営者・リーダーに伝えたいこと

yoshida-yukihiro

(2018/07/24更新)

今や中古車販売の分野でトップシェアを誇る「ガリバー」を運営している株式会社ガリバーインターナショナル(現:株式会社IDOM)。
創業10年未満で売上げ1,000億円を達成した、日本でも数少ない超成長企業『ハイパーグロースカンパニー』として知られています。
同社の創業期から、経営幹部として手腕を振るっていたのが、先日「成長マインドセット」を出版した、株式会社アイランドクレア 代表取締役の吉田 行宏 氏です。

今回は、ガリバーに入社した頃や現在の事業について。さらには、著書の内容について触れたインタビューを前編・後編に分けてお送りします。

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吉田 行宏
株式会社アイランドクレア代表取締役。株式会社LIFE PEPPER代表取締役。株式会社POL取締役。元株式会社ガリバーインターナショナル(現株式会社IDOM)専務取締役。創業4年でガリバーを全国展開させ同社を株式公開に導く。10年で1,000億円の売り上げを達成した日本でも数少ないハイパーグロースカンパニー。FC事業・経営戦略・マーケティング・人事・教育・IT・財務等の担当役員を歴任。2012年に退任するまでの18年間、一貫して人事・評価制度の構築、運営及び社員・幹部育成、教育を行い、独自の研修や育成理論を構築する。ガリバー退任後は、若手経営者の育成支援と、共同での新規事業創造のため、株式会社アイランドクレアを設立。25社以上の企業の役員、戦略顧問、出資支援を行っている。

経験と知識が活きたガリバー時代

ー吉田さんは中古車販売で有名な「ガリバー」を運営している、株式会社ガリバーインターナショナル(現:株式会社IDOM)に創業間もない時からいらっしゃったと伺いました。

吉田:そうですね。本当に創業初期からおりました。まだ社員も数人しかおらず、ほとんどゼロからのスタートでした。
1994年に創業したのですが、おかげさまで1998年に上場することができました。当時としてはほぼ最短でのスピード上場でした。

しかも、当時は今のようにベンチャーブームや、インターネットも無い状態でした。「中古車」というリアルの分野で、ネットではなく実店舗を出していく事業でしたので、事業拡大も簡単ではありませんでした。
しかし、当時「1997年までに300店舗、1999年までに500店舗達成」という目標を掲げて、それを達成することができました。

ー吉田さんの当時の役割はどのようなものだったのですか?

吉田当時は自分を含めて役員が5人いまして、それぞれ全員が社長のように動いていました。任された部分に関しては、各自が意志決定していました。
それに加えて、社長のナンバー2のような役割も担っていましたので、両方の役割をやることができたのも、今思い返すととてもいい経験でした。

ーちなみに、株式会社ガリバーインターナショナル(現:株式会社IDOM)に入社する前はどのようなことをやっていたのですか?

吉田実は、学生時代から「経営者になろう」と考えていたので、就職する気はありませんでした。大学卒業後は、起業をするための準備の一環として、アメリカで1年ほどビジネスの研究をしていました。そこでビジネスになりそうな「種」を探して、日本に帰ったらすぐ起業しようと思っていました。

実際、当時いくつか考えたアイデアは、ほとんど今の日本でも当たり前になったものなのですが、その時はまだ資金や経験・スキルの問題で、いきなり起業することは断念しました。今私が、もし当時の自分にアドバイスしたら、「いろいろ無くてもやっちゃいなよ」と言うかもしれませんね(笑)。

父が福島で事業をしていたので、1〜2年だけ経営やビジネスの修行のつもりで、地元に戻りました。ただ、やってみるとサラリーマン社員でなく経営者としてのスタンスだったので、どんどんやりがいや責任が増えてしまい、簡単には辞めることができなくなってしまいました。

その間に、マーケティング、人事、店舗開発、事業計画、社内システム構築、経営財務などすべて経験できたことは良かったのですが、気付くとあっという間に11年が経っていました。さすがにこれ以上いると、当初の起業の志の実現はできなくなると思い、ラストチャンスの覚悟で独立起業の意思決定をしました。

ガリバーに入社したのはこの後です。羽鳥社長(現 名誉会長 羽鳥 兼市氏)にお会いしたとき、私は独立して別の会社の経営をスタートしていたのですが、その事業とともに創業初期のガリバーへ支援を始めました。

支援をして1年ほど経った時期に、羽鳥社長から「本気で自動車革命を起こそう!その為に、上場や全国展開を目指そう!是非、経営メンバーとして一緒に参画してほしい」とお誘いを受けて、経営者としてできることと、非常に高い志に共感してジョインすることを決めました。

マーケティングや経営戦略などを立案・実行する上で、前職の知識、経験が大きく役に立ちました。当時ガリバーにはパソコンが一台もなかったのですが、積極的に導入して、業務をシステム化していきました。組織戦略や人材育成も力を入れたので、急激な成長で組織が壊れることなく、全国店舗展開や株式上場も実現することができました。

投資先を選ぶ基準は「ワクワクするかどうか」

ー現在は、ガリバーを退任され、様々な企業の支援をされていますね。

吉田:はい、ガリバー退任後、たくさんの方から依頼があり、現在は25社ほどの会社や経営幹部の支援をしています。実は、1社も「支援しますよ」と自分からアプローチしたことはありません。全て知人からの紹介でお会いして、私の支援基準に合致した会社を応援しております。

ーその、支援基準とはどういうものですか?

吉田一番は自分がワクワクできるかですね。その会社のミッションやビジョンに共感ができるか、経営者やリーダー陣と価値観を共有できるか、そして事業領域とイノベーションの可能性等です。

例えば、支援先に、日本企業の海外進出支援マーケティングや訪日外国人の集客サポートの事業を行なっている「株式会社LIFE PEPPER」という企業があります。

「デジタルの力で国境を超え、情報格差をなくす」というミッションを実現するために頑張っているのですが、この会社は大学生や社会人経験がまったくないメンバーだけで立ち上げた会社でした。経験はありませんでしたが、彼らは全員が経営者として行動しており、圧倒的な主体性を発揮して、常に挑戦し続けています。

もう一つ、研究室、理系人材と企業を結ぶネットワークを作っている「株式会社POL」という会社があります。

こちらも現役大学生が立ち上げた会社なのですが、「研究者の可能性を最大化するプラットフォームの創造」というビジョンのもと、全国の主要大学拠点ネットワークを構築し、全国で活動する学生メンバーも100人を超えています。
ここも自分たちでまったく新しい分野を切り開き、世界にイノベーションを起こそうという強いマインドを持った企業ですね。

ーそういう意識をもった学生が増えているんですね。

吉田もちろん、支援しているのは学生企業だけではありませんが、自分たちの力で社会に貢献しようという若い人たちにはとても感動しています。そういう会社を応援できることは、私たちのような世代の人間の大きな使命だと感じて、老体に鞭打って頑張っています(笑)。

驚きの手法で作った著書

ー先日出版された著書「成長マインドセット」について伺います。今回の著書ですが、どんな方に読んでもらいたいですか?

吉田:人生や仕事において、実はあまり「成長」について改めて考える機会は少ないと思います。また、成長したいと漠然と思っていても、具体的にどう考え、どうしたらいいか分からなかったり、その過程で悩んで前に進みづらくなっている人も多いのではないかと思います。

そういう方達に読んでいただき、「成長とは何か?」の理解や悩みが減少して前進しやすくなるマインドセットを持つキッカケにしていただければ本望です。

また、その本人だけでなく、会社組織でいうと経営者やリーダーの方にも読んで頂くと、いろいろな気付きがあると思います。
結局会社は人の力が集まったものですから、リーダーや社員の成長無しに会社の成長はありません。部下の成長を理解し、促進する重要な役割を経営者やリーダーは担っていますので。

私が支援している会社でも、社員やリーダーの当事者意識が上がり、悩みのブレーキが外れることで人材が成長し、組織が強くなった事例がたくさんあります。
その経験や本質的な考えをこの本にまとめています。

ー単に「仕事のノウハウ本」ということではなく、人生の本質にも迫っている内容と言えるかもしれませんね。

吉田:はい、これは「成長マインドセット」にも書いていることですが、スキルやノウハウだけを知って実行しても、実は成果は出ないと思っています。

スキルやノウハウよりも低層にある意識や信念、振る舞いや習慣など、それらを大きくすることの重要性や、本質や原理原則を体得することが人生や仕事でもとても大切だ、ということを知っていただけたら嬉しいですね。

それに、実は人間って、正しく理解しているつもりでも理解できていないことって多いですよね。また、知っているつもりでも実際できないこともたくさんあります。
一度立ち止まり、自分の人生や仕事と向き合い、正しい信念や軸を持つことができれば、より豊かな人生を送ることができると思います。

ー本を読んでいくと、ところどころに図が配置されていて、読みやすいように工夫されています。これは編集者のアイデアなのでしょうか?

吉田:いえ、全て自分で考えたものです。この本は20年間私が研修で行ってきたものを書籍化したものなのです。図やケースも研修で実際使用していたものを掲載しています。

それと、この本は普通の書籍の作り方をしていないんです。
通常、本は企画があり、編集者と打ち合わせを重ねて書き上げていくものですが、この本は私がほぼ完成形に近い状態まで仕上げてから、出版社に持ち込みました。

なぜこの方法をとったかというと、私が最も伝えたい事を伝えたい形でやりたかったからです。

こちらから一方的に考え方や行動の仕方を押し付けるのでなく、自分で考え、気づき、主体的に行動に移してほしいと思いました。そのためには、小説風、研修風であり、図や立ち止まって考えるワークを多用しています。

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(取材協力:株式会社アイランドクレア/吉田 行宏
(編集:創業手帳編集部)

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