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2022年7月11日空き家活用株式会社 和田貴充|空き家所有者と空き家利用者を繋ぐプラットフォームの運用事業で注目の企業
空き家所有者と空き家利用者を繋ぐプラットフォームの運用事業で注目されているのが、和田貴充さんが2014年8月に創業した空き家活用株式会社です。
近年、新築住宅の着工件数が増加している裏側で、空き家の数も急増しています。2021年の空き家率は13.6%にものぼり、これは過去最高の数字だそうです(総務省統計局より)。
空き家が増えるとその管理が不行き届きになり、老朽化による建物の崩壊、雑草や鳥獣・害虫・犯罪の温床といったように、地域や周りの環境に悪影響を及ぼしかねません。また、空き家を所有する人にとっては無駄な管理費や労力が大きな負担となってのしかかってきます。
少子高齢化が進む日本社会において、空き家問題は個人レベルだけではなく、自治体レベル・社会レベルの大きな問題として危惧されているものの一つです。
そんな空き家も、見方を変えると貴重な不動産資産の一つです。上手に利活用する仕組みが整えば、社会の ‶負担” ではなく ‶有効資産” として私たちの生活を満たしてくれるものにもなりえるのです。
この大きな課題に挑み続けているある起業家の活動に今注目が集まっています。
空き家を新たな価値あるいは次の一歩に繋げるための土台としてよみがえらせ、ビジネスチャンスを生み出したり社会の未来を変えるきっかけにしていこうと日夜奔走している空き家活用株式会社の和田貴充さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
空き家のよろず相談、利活用希望者へのマッチングまでを一括してサポートしている点です。
具体的には以下の製品とサービスを以て、『空き家対策』に関する”実態把握”から”利活用促進”までをサポートしています。
【アキカツ調査CLOUD】空き家調査をITサービスで効率化
当社開発アプリとタブレットを使用し、調査業務を簡易化
調査した情報をクラウド管理、関係者で情報共有や閲覧管理を容易化
【アキカツカウンター】空き家所有者の課題の整理や解決案を提示
どこに何を相談したらいいかわからない所有者の相談窓口を提供
問題の状況整理と選択肢の提示、解決方法の実行を支援
空き家をキーワードに興味関心のある層へのリーチをサポート
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
【アキカツ調査CLOUD】
空き家問題、地方創生、移住促進、防災対策に取り組む、全国の自治体、地域おこし協力隊
【アキカツカウンター】
空き家の所有者、家屋の相続でお悩みの方
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
少子高齢化、人口減少とならび、深刻な社会問題となっている「空き家問題」を解決へと導きます。
総務省「住宅・土地統計調査」によれば、2018年の全国の空き家数は849万戸。30年前の394万戸から倍以上も増えており、空き家率も年々上昇を続けています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
日本の空き家問題という大きな社会課題の解決に正面から向き合うことです。
まず空き家の情報を知るため、自社で空き家調査を行いました。精度の高い情報を収集するべく1軒1軒徒歩や自転車で回り、16万件というビッグデータを集めました。
地道な努力が今のサービスに繋がっています。
また、ヒトモノカネ全てが不足している中、マーケットを創造して行くのは本当に大変で、今でもヒリヒリしています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
引き続き全国の自治体へサービスを利用いただき、空き家対策から未来のまちづくりをお手伝いしていく会社になります。
IPOにもチャレンジし、さらに多くの課題を世界中で解決するパブリックカンパニーになります。
自分たちが生きている今だけではなく、100年後も200年後も魂が続く会社であり続ける。そのためには、良きことをもって利益をあげる会社こそが、最先端であり真に価値ある存在であることを証明したいです。
世の中には、いつの時代も課題や問題があり、それをビジネスで解決していくというのが私たちの基盤となっていくでしょう。
・今の課題はなんですか?
空き家の所有者の方が、家屋をどうするのか意思表示をしなければ次に進まないという課題があります。
家財の片付け、親族間の人間関係、長年暮らしてきた家屋への思い入れ、関わる業者への不信感など、さまざまな心の問題と向き合う必要があります。
従来の不動産売買の枠で解決できないと思い、私たちは対人のコンサルティングとして空き家問題に向き合っています。
・読者にメッセージをお願いします。
スタートアップだからこそ取り組める課題があり、そこに事業が生まれると思います。
取り組む課題は自分の中にある違和感と使命感。それが志に変わり、折れない心ができます。自分たちでないと絶対できないという勘違いとも取れる自信が、どんな時でも諦めずに前に進めてくれることがたくさんありました。僕たちが次の世の中を変えていけます。
思いっきりチャレンジしていきましょう!
会社名 | 空き家活用株式会社 |
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代表者名 | 和田貴充(わだ たかみつ) |
創業年 | 2014年8月 |
社員数 | 17名 |
資本金 | 13,199万円 |
所在地 | 107-0061 東京都港区北青山三丁目3番13号 共和五番館2F |
サービス名 | 自治体サポート |
事業内容 | ・自治体向け空き家対策サービス ・空き家所有者と空き家利用者を繋ぐプラットフォームの運用 ・空き家に対する新しい利活用モデルの開発、提案 |
代表者プロフィール | 2010年に、新築戸建分譲、株式会社オールピースを設立。 2015年に、経営者仲間と長崎県の軍艦島へ行った際、ひとりの経営者に「君たちの業界(不動産・建築業界)が日本中に軍艦島をつくろうとしている自覚はあるか?」と思いもよらない言葉をかけられ、衝撃を受ける。 みらいの日本を、この軍艦島のようにしてはいけない!その思いから、空き家活用株式会社を設立。 自社で空き家調査を行い16万件のデータを収集。そのノウハウを活かし、自治体サポートサービスを開始。自治体が自ら空き家を調査し閲覧・管理ができるアプリケーション「アキカツクラウド」を提供。「相談ナビカウンター」では、空き家所有者のよろず相談に乗り、活用希望者へと繋げる。YouTube「ええやん空き家やんちゃんねる」では空き家情報を発信し利活用希望者とマッチングを実現。5ヶ月で登録者25,000人超え、総動画再生回数260万回を突破。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | 和田貴充 空き家活用 |
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