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2025年7月7日農業機械のGPS追跡システム「レポサク」を提供する「エゾウィン」が資金調達

2025年7月5日、エゾウィン株式会社は、資金調達を発表しました。
引受先であるシーシーエス・プラス・ホールディングス株式会社とは、資本業務提携を締結しています。
エゾウィンは、車両の軌跡を可視化する農業向けサービス「レポサク」を開発・提供しています。
車両の軌跡を高精度・リアルタイムに可視化し、チームの作業効率の向上や、DX、GXを実現するプロダクトです。
端末を車両の電源に挿すことで、車両のトラッキングを行っています。
シーシーエス・プラス・ホールディングスは、自治体向けシステムの展開や地域社会の課題解決に取り組んでいます。今回の提携により、地域に必要とされるソリューションの創出を目指します。
今回調達した資金は、GPS端末・ソフトウェアの開発体制のさらなる強化、事業基盤の拡大に活用します。
日本の農業は現在、深刻な構造的課題に直面しています。少子化や後継者不足に伴う慢性的な人手不足、農業従事者の高齢化による生産性の低下、そして中山間地域が多いという地理的特性から生じる作業環境の厳しさに加え、近年頻発する異常気象や気候変動の影響も懸念材料となっています。こうした複合的な要因が、農業の持続可能性を脅かしているのです。
なかでも、国内有数の農業地帯である北海道は、全国の食糧供給を支える重要な地域である一方で、人手不足の課題に直面しています。農林水産省の統計によると、1976年に約13万戸存在していた北海道の農業経営体は、2020年には約3万7500戸にまで減少しています。特に過去20年間における減少傾向は顕著であり、担い手不足と高齢化の問題が一層深刻化しています。
北海道農業の特筆すべき点は、他地域と比較して極めて大規模な経営形態が主流であるという点です。たとえば、1経営体あたりの耕地面積の全国平均が約2.2ヘクタールであるのに対し、北海道ではその約13倍にあたる30.2ヘクタールという広大な規模で農業が営まれています。こうした広大な耕地を効率的に管理・運用するためには、従来の人力や経験に頼る方法では限界があり、先進技術の導入が不可欠となっています。
このような背景のもと、注目されているのがICT(情報通信技術)、AI(人工知能)、ロボティクス技術などを活用する「スマート農業」です。北海道では、担い手不足や高齢化への対策として、スマート農業の導入と普及が積極的に進められています。
たとえば、大規模農業の現場では、複数台のトラクターを同時に稼働させるケースも多く、このような運用に対応するために、GPSを活用したシステムの導入が進められています。
エゾウィンが提供する「レポサク」は、車両に簡単に導入できるGPS端末を通じて、車両の軌跡をリアルタイムに可視化するシステムです。進捗確認や作業面積の情報共有を効率化するだけでなく、日報の自動作成や、蓄積された行動データをもとにした作業の最適化にも寄与しています。
デジタル化は、これまで非効率的だった業務を効率化してくれる可能性があります。企業の利益を最大化するために重要な取り組みであるため、もし非効率的な業務があるのならば、最適なソリューションを探すことが必要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらも参考にしてください。
また、システム投資においては資金調達の実施も必要となるでしょう。「資金調達手帳」では、資金調達ノウハウについても詳しく解説しています。
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