注目のスタートアップ

靴挿入型IoT歩行ナビを手がける「Ashirase」が1.75億円調達

company

2024年2月28日、株式会社Ashiraseは、総額1億7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Ashiraseは、靴挿入型デバイスとiPhoneアプリを用いた、視覚障害者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」を手がけています。

靴挿入型デバイスによって足の甲などに振動を与えることで誘導情報を伝え単独歩行をサポートするプロダクトです。

一度歩いた道を記憶するマイルート機能や、店舗情報を詳細に確認可能な発話型AIスポット検索などの機能も搭載しています。

2023年春にクラウドファンディングによって先行販売モデルを約120名のユーザーに販売しています。

2024年夏頃に新モデルによる一般販売を開始する予定です。

一般販売モデルは、デイバスの着け心地向上、小型化、高精度GNSSモジュールの搭載、視覚障害者向けに歩きやすいルートの提供といったアップデートを図っています。

今回の資金調達により、2024年度夏頃に予定している一般発売に向けたチーム強化や、ハードウェアデバイスの開発・生産、専用アプリケーションのアップデート、新機能開発、マーケティング活動などを進めます。


国内において身体障害者手帳の交付を受けた視覚障害者は、約31万人とされています。一方で、日本の眼科医会は、米国の視覚障害の基準を適用した場合、日本では164万人ほどの視覚障害者が存在すると推計しています。

つまり、国の基準に適合しないものの、日常生活に大きな影響を及ぼす目の不自由さを感じている者が多く存在しているということになります。

視覚に障害を抱える人が外出する場合、盲導犬やガイドヘルパーに頼るという選択肢があります。

しかし盲導犬は、2023年3月31日時点で836頭しか実働しておらず、その数については年々減少傾向にあります。

さらにガイドヘルパーについても自治体ごとに利用制限が設けられており、自由な外出には制約があります。

こうした背景のもと、視覚障害者を支援するテクノロジーやプロダクトの研究開発や実用化が進められています。

すでに普及しているものとして、スマートフォンやパソコンの音声読み上げ機能、視覚情報を音声で伝えるプロダクトなどが挙げられます。

このように視覚障害者をサポートする技術は音声を主軸としたものが多いのですが、一方で音声は聞き逃してしまったり、聴覚情報を重要としている視覚障害者の聴覚の邪魔をしてしまったりといった問題も抱えています。

Ashiraseが手がける「あしらせ」は、既存の靴に取り付け可能な振動デバイスとスマートフォンアプリにより誘導情報を伝えるナビゲーションシステムです。

視覚障害者の聴覚や白杖操作の感覚情報を邪魔することなく誘導情報を伝えられるという大きな特徴を有しています。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI Ashirase IoT アプリ デバイス ナビゲーション 情報 振動 支援 株式会社 歩行 視覚 視覚障害者 触覚 資金調達 障害者
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

小規模分散型水循環システムを開発する「WOTA」 「水ing」からの出資が決定
2022年9月26日、WOTA株式会社は、水ing株式会社から出資を受けることが決定したと発表しました。 WOTAは、持ち運べる水再生プラント「WOTA BOX」・水循環型手洗いスタンド「WOSH」の…
「DRD4」が距離で支払うマイカーサービス「エンキロ」をリリース
2023年9月1日、DRD4株式会社は、「エンキロ」の提供を2023年9月1日から開始することを発表しました。 「エンキロ」は、リース契約した自動車について、月額固定料金と走行距離1kmあたりの距離料…
キャンピングカー事業を展開する「LACホールディングス」と「ダイレクトカーズ」が株式交換による資本業務提携を実施
2022年8月20日、株式会社LACホールディングスは、株式会社ダイレクトカーズと、株式交換による資本業務提携を行うことを発表しました。 LACホールディングスは、株式会社デルタリンク(岡山県倉敷市)…
次世代蓄電池向け高性能触媒製品を開発する「AZUL Energy」が3.35億円調達
2023年10月25日、AZUL Energy株式会社は、総額3億3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AZUL Energyは、レアメタルを使用しない次世代蓄電池向け高性能触媒製品…
ウェアラブルデバイスを活用しドライバーの安全・健康を守る「Nobi for Driver」などを展開する「enstem」が1.3億円調達
2023年7月19日、株式会社enstemは、総額1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 enstemは、独自の腕時計型ウェアラブルデバイスを活用したコンディショニングアプリ「No…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集