令和6年能登半島地震に伴う「雇用調整助成金」の特例措置

change

厚生労働省は、令和6年能登半島地震に伴う「雇用調整助成金」の特例措置を講じています。

令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対し、「雇用調整助成金」の特例措置を講じています。

要件緩和

(1)生産指標の確認期間を3か月から1か月に短縮します。
通常、販売量、売上高等の事業活動を示す生産指標の最近3か月間の月平均値が、前年同期と比べ10%以上減少している事業所であることを必要としていますが、この比較期間を最近1か月とします。

(2)最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とします。
通常、雇用保険被保険者および受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で5%を超えかつ6名以上(中小企業事業主の場合は10%を超えかつ4名以上)増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。

(3)地震発生時に事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
通常、生産指標等を前年同期と比較するため、雇用保険適用事業所設置後1年未満の事業主は対象となりませんが、本特例においては、2024年1月1日時点において事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。その場合、(1)の生産指標は地震発生前の指標と比較します。

計画届の事後提出を可能とします。

通常、助成対象となる休業、教育訓練(休業等)または出向を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、計画届の提出日が2024年3月31日までの間である場合は、計画届を事前に提出したものとみなします。これにより、2024年1月1日以降に開始された休業等や出向についても遡及して助成対象となります。

特例対象期間

2024年1月1日から2024年6月30日の間に開始した休業等または出向が対象となります。


「雇用調整助成金」は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業・教育訓練・出向に要した費用を助成する制度です。

コロナ禍においては多様な業界において雇用を維持するための助成金として活用され、認知度の高い助成金となっています。

要件としては、「売上高・生産量などの指標が最近3か月の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること」「雇用保険被保険者数・受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標が一定以上増加していないこと」などがありますが、被災事業者はまだ被災して間もなく、前述の直近3か月の月平均値の要件から漏れる可能性が高いことや、被災からの復旧のために労働者を増加させているケースもあることから後者の要件があると申請できないという可能性があります。

今回の特例措置は、こうした要件が緩和されており、令和6年能登半島地震による被災事業者が活用しやすくなっています。

起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。

また、日々更新される補助金・助成金の情報を、個人に最適化してメールでお知らせする「補助金AI」も運営しています。こちらもご活用ください。

ほかにも、資金調達のノウハウを集めた「資金調達手帳」も無料でお送りしています。ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 制度改正
関連タグ 令和6年能登半島地震 助成金 措置 特例 特例措置 被災 雇用調整 雇用調整助成金
詳細はこちら

令和6年能登半島地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施します

補助金ガイド
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

制度改正の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「ライトアップ」が「ENECHANGE」と連携 補助金・助成金自動診断システム「Jシステム」のOEM提供を開始
2021年8月16日、株式会社ライトアップは、ENECHANGE株式会社と業務提携契約を締結したことを発表しました。 ライトアップは、助成金自動診断ツール「Jシステム」や、補助金・助成金活用支援「Jコ…
【東京都】「東京都就職氷河期世代リスタート支援助成金」
東京都は「東京都就職氷河期世代リスタート支援助成金」の申請受付を開始することを発表しました。 就職氷河期世代の方を対象として採用し、定着を図るために計画的な指導育成を行った企業に対し助成金を交付します…
令和6年度「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」補助金
令和6年度「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」のご案内です。 「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業:Support for High-e…
「地方版図柄入りナンバープレートの寄付金活用事業に対する助成事業」
公益財団法人日本デザインナンバー財団は、令和5年度「地方版図柄入りナンバープレートの寄付金活用事業に対する助成事業」について発表しました。 日本デザインナンバー財団が寄付金を基に、地方版図柄入りナンバ…
令和5年度「野菜種子安定供給緊急対策事業」3次公募
農林水産省は、令和5年度「野菜種子安定供給緊急対策事業」の3次公募について発表しました。 近年は、気候変動や人口増大による食料生産との競合等により、国外採種適地における各国種苗会社との競合及び競争が激…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集