注目のスタートアップ

革新的な品種改良技術により美味しさと安定養殖を両立したハイブリッド魚を開発する「さかなドリーム」が1.9億円調達

company

2023年9月29日、株式会社さかなドリームは、総額1億8,750万円の資金調達を実施したことを発表しました。

さかなドリームは、最先端の品種改良技術により、美味であるものの安定的な漁獲や養殖が困難な幻の魚と美味しさと養殖技術が確立された魚をかけ合わせ、安定的な養殖生産と美味しさのさらなる向上を実現した新魚種(ハイブリッド魚)を開発・生産・販売することを目指しています。

今回の資金は、新魚種の研究開発、養殖生産体制の強化、マーケティング活動などに充当する予定です。


世界的な人口増加や先進国を中心とした健康志向の高まりなどにより水産資源の需要は年々高まっています。

一方で、世界の漁業の漁獲量は、1980年代後半以降横ばい傾向であり、高まる需要に応えるための水産養殖の重要性が高まっています。

日本は水産資源に恵まれた国として、昔から漁業や養殖業が盛んな国でした。しかし、近年の海洋環境の変化や外国漁船による漁獲など、さまざまな理由により漁獲量が減少しており、水産養殖の生産量についても1988年をピークに減少傾向にあります。

こうした背景から、水産養殖においては、高付加価値化と大規模養殖による効率化が進められています。

こうしたなか、養殖対象生物を遺伝的に改良し、養殖生産にとって都合の良い形質を強化した品種や、消費者に好まれる品種を人為的に作り出す品種改良が注目されています。

水産養殖における品種改良は完全養殖が確立されていることが前提であるほか、改良には長い期間とコストがかかることから、限られた品種でしか事例はありませんでした。

しかし近年はゲノム研究の進展や養殖技術の確立などにより、高効率な品種改良が可能な環境が整ってきており、品種改良への注目が高まっているのです。

さかなドリームは、代理親魚技法とハイブリッド化を組み合わせることで、ハイブリッド魚の安定的な生産手法を確立することを目指しています。

株式会社さかなドリームのコメント

このニュースを受けまして、株式会社さかなドリームよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

主に研究開発体制の強化と生産体制の構築に充てる予定です。

魚類の研究者や技術者を採用して美味しい魚を開発するための体制を強化すると共に、開発した魚種の養殖を請け負う生産パートナーの開拓を推進します。

・今後の展望を教えてください。

短期的には、幻のアジ科とも言われる、カイワリのような大きなポテンシャルを秘めた魚を親とするハイブリッド魚を開発し、ブランドとして確立していきます。

また、海外ではトレーサビリティが高い養殖魚の方が好まれますので、近年の寿司ブームを追い風に海外での事業展開も積極的に進めるつもりです。

・読者へのメッセージをお願いします。

私達は「世界一旨い魚を創り、届ける」ことを目指す企業です。

世界中の魚食体験に感動を提供することで、国内水産物の魅力を発信すると共に、養殖業の持続的な発展に貢献していきます。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB さかなドリーム ハイブリッド ハイブリッド化 向上 品種 品種改良 技術 改良 株式会社 水産 水産養殖 生産 育種 資源 資金調達 養殖
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

プログラミング不要でSaaSとSaaSをつなぐ「Anyflow」が2.2億円調達
2020年1月8日、Anyflow株式会社は、総額約2億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 プログラミング不要でSaaSとSaaSを簡単に繋ぐことのできる、クラウドネイティブiPa…
パーソナライズを基軸としたD2Cブランドを展開する「Sparty」が41億円調達
2021年8月13日、株式会社Spartyは、総額約41億円の資金調達を実施したことを発表しました。 パーソナライズを基軸としたD2Cブランドを展開しています。 2021年8月現在、パーソナライズヘア…
子供向けオンライン読書教育の習い事サービス「ヨンデミーオンライン」提供の「Yondemy」が1億円調達
2021年11月9日、株式会社Yondemyは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 子供向けオンライン読書教育の習い事サービス「ヨンデミーオンライン」を提供しています。 5〜15歳を対…
動画・映像制作Tipsサイト運営の「Vook」が映像制作者向けキャリア支援サービス「Vook キャリア」をリリース
2021年10月7日、株式会社Vookは、「Vook キャリア」を2021年10月7日から提供開始したことを発表しました。 「Vook キャリア」は、映像プロフェッショナル人材のためのキャリア支援サー…
次世代チョイ乗りモビリティ「ミニマムモビリティ」の量産販売を目指す「KGモーターズ」が1.5億円調達
2023年10月10日、KGモーターズ株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 KGモーターズは、オリジナルの超小型モビリティの量産販売と、自動運転によるMaaSの展…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集