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革新的な加水分解技術を保有する「日本ハイドロパウテック」が5.1億円調達

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2023年9月1日、日本ハイドロパウテック株式会社は、総額約5億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

日本ハイドロパウテックは、独自の加水分解技術を保有しています。この技術は、従来の醸造・発酵法と比べると圧倒的な時間短縮を実現できるほか、化学薬品を一切用いることなく、少ないエネルギーで加水分解できることを特徴としています。

この技術を活用し、食品の企画・開発・製造・販売を行っています。

2023年5月には株式会社ロッテ、ベトナムカントー大学等とベトナムにおけるカカオポッドを用いた土壌改良剤に関する共同研究を開始しています。

今回の資金調達により会社体制を強化し、食品開発の可能性の探究を進めるほか、シンガポールに拠点を開設します。


加水分解は、水との反応によって原料が分解される化学プロセスです。食品分野では、発酵や醸造といったプロセスにおいて酵素による加水分解が重要な役割を果たしています。

とくに食品の領域では、醤油製造において加水分解の研究が進展しています。大豆や小麦グルテンなどの原料を塩酸を用いて加水分解することで得られるタンパク加水分解物(アミノ酸液)は、強烈なうま味とこく味を持ち、食品の風味を向上させる効果があり、醤油の製造に広く活用されています。

また、このタンパク加水分解物はコスト効率が高く、大量生産が可能で、長期間の保存も容易です。そのため、醤油だけでなく、即席麺やスナック菓子などの加工食品にも幅広く採用されています。

一方で、タンパク加水分解物は化学的な過程で塩酸を使用して製造されており、微量ではありますがクロロプロパノールという物質が生成されることがあります。これについては安全性に関する良好な調査結果が存在し、製造工程においても十分な対策が取られていますが、不安に思う消費者も少なからず存在しています。

日本ハイドロパウテックは、化学薬品を一切使用せず、短時間、低エネルギーを実現する加水分解技術を保有しており、この技術を活用して食品の企画・開発・製造・販売を行っています。

この技術によってできあがった食品は、原材料そのものの表示が可能であり、アレルゲンフリー対応や、代替乳分野、代替肉分野への応用可能な技術であると期待されています。

ほかにもロッテとの提携により、カカオ資源のアップサイクルなどにも取り組んでおり、今後のさらなる成長が期待されています。

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カテゴリ 有望企業
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