注目のスタートアップ

廃漁網のアップサイクルにより新たな製品を開発する「amu」が資金調達

company

2023年8月1日、amu株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、株式会社ANOBAKAです。

amuは、廃漁網をはじめとする廃漁具に新しい価値を付加するアップリサイクル製品を開発することを目指しています。

まずは、ナイロン漁網を再資源化する事業を進めています。

今回の資金は、全国の漁港からの漁網の回収、テストマーケティングを目的とした商品の開発に充当します。


現代社会にとってなくてはならない存在であるプラスチック製品は、自然環境では数百年程度分解されずに残ってしまいます。

現在、世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、計1億5,000万トンであり、年間800万トンが新たに流入していると推定されています。

日本における海洋プラスチックのうち、多くの割合を占めるのが、商業用漁網やロープなどの漁具であるという試算があります。

そのため、漁業ではこうした漁具を回収し、適切に処理をすることが求められています。

しかし近年は、海洋環境が大きく変化しており、日本は過去30年の間に漁業生産量がほぼ半減しています。厳しい経営環境に置かれている漁業者において、廃棄物処理は大きな負担としてのしかかってきています。

資源の有効活用や廃棄物の低減のため、世界的にプラスチックのリサイクルが推進されていますが、漁具は、ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン・テトロンなど、複数の素材でつくられており、さらに利用された漁具は塩分を含んでいることから、リサイクルするためのインフラは整備されていません。

こうした背景から、近年、廃棄される漁具のリサイクルなどに取り組むスタートアップなどが登場しています。

amu株式会社のコメント

このニュースを受けまして、amu株式会社 代表取締役 加藤広大氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

全国の港町からの漁具の回収費用、漁具をリサイクルした素材ブランドの立ち上げに関わる費用に当てさせていただきます。

・今後の展望を教えてください。

世界で一番漁具を資源化、価値化する企業を目指します。

販売した素材からできたプロダクトが役目を終える時、私たちが再度回収し資源化漁具からサーキュラーエコノミーをつくってまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

今まで漁具は誰からも厄介者扱いされてきていわゆる「無価値」でした。

私たちはその無価値をひっくり返し、価値にしていく挑戦を事業を通して行っております。

まだまだスタートしたばかりの小さなベンチャー企業が目指すにはあまりにも遠く高い壁です。漁具からできた素材に興味を持ってくださる企業様、サーキュラーエコノミーを共に作ることに興味を持ってくださる企業様、リサイクルに興味を持ってくださる企業様、さまざまな方の力をかしていただきたいです。共に現状をひっくり返す仲間を常に求めています。

少しでも興味を持ってくださる方はご連絡いただけますと大変ありがたいです。

ビジネスによって社会課題に立ち向かっていくためには、資金調達が重要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ amu アップサイクル リサイクル 再資源化 回収 廃漁網 株式会社 漁具 漁網 製品 資源 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「国内肥料資源利用拡大対策事業のうち国内肥料資源活用総合支援事業(令和5年度補正予算(第1号))」補助金
農林水産省は、「国内肥料資源利用拡大対策事業のうち国内肥料資源活用総合支援事業(令和5年度補正予算(第1号))」の公募について発表しました。 作物生産において必要不可欠な農業資材の一つである肥料につい…
音声入力とAI要約で診療録を自動作成する「medimo」を手がける「Pleap」が資金調達
2023年12月22日、株式会社Pleapは、資金調達を実施したことを発表しました。 Pleapは、医療機関向けに、診察会話の音声入力とAI要約でSOAP形式のカルテ原稿を自動作成するWebアプリ「m…
アバターを纏ったキャストと1対1で会話できるアプリ「BackStage」を開発する「VIC」が資金調達
2023年6月30日、株式会社VICは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 VICは、アバターを纏ったキャストと1対1で会話できるアプリ「BackStage」を開発しています。 今回…
「グリーンカルチャー」の植物肉「Green Meat」が使用された料理が羊肉料理の「味坊集団」で提供開始
2021年8月12日、グリーンカルチャー株式会社は、2021年8月12日(木)から、「Green Meat」を使用したメニューが株式会社L&Lが運営する「味坊」・「羊香味坊」で提供されたことを発表しま…
スキンケア・コスメティックのD2Cブランド展開の「リバースラボ」が2億円調達
2022年2月10日、リバースラボ株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 スキンケアD2Cブランド「sirobari」と、コスメティックD2Cブランド「sirocos」を展開…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集