注目のスタートアップ

トラックの自動運転システムを開発する「T2」と「三菱地所」が資本業務提携

company

2023年6月30日、株式会社T2は、三菱地所株式会社と資本業務提携を行うことで合意したことを発表しました。

T2は、自動運転技術を活用した次世代の物流システムの構築を目指しています。

トラックのレベル4自動運転を実現するため、「物体認識」「自己位置推定」「指令判断」「車両制御」といった自動運転システムの要素技術の開発に取り組んでいます。

三菱地所は、京都府城陽市で、次世代のモビリティを受け入れ可能とする高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」の開発計画を進めています。この施設には、レベル4自動運転トラック発着拠点となるモビリティプールを設置する予定です。

今回の提携により、T2はこの機能を活用するほか、レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できる基幹物流施設の整備や、レベル4自動運転トラックと基幹物流施設を組み合わせた新サービスなどの共同開発を進めます。


自動車などの自動運転を実現する自動運転技術は、交通事故の大幅な減少、輸送における人件費の削減、交通の効率化と渋滞の緩和、人びとの移動手段の革新など、さまざまな変革を実現する次世代技術です。さまざまな社会課題の解決に役立つものであるため、世界中で研究開発が推し進められています。

自動運転は、運転をどこまで自動化するかによって以下の6段階にレベルがわけられています。
レベル0:運転自動化なし
レベル1:前方を走る車に追従するなどの運転支援
レベル2:ハンドルから手を離すハンズオフ状態での走行
レベル3:特定の領域(過疎地域や高速道路)での完全自動運転(ただし警告などに応じてすぐにドライバーが運転できる状態にあること)
レベル4:特定の領域(過疎地域や高速道路)での完全自動運転
レベル5:領域などの制限のない完全自動運転

日本では2023年4月に施行された改正道交法により、レベル4の自動運転が解禁されています。

ところで、道路さえあればどこでも荷物を運ぶことができるトラックは、その利便性から国内貨物輸送の中心的な存在となっています。2020年度は、全輸送のうち55.3%が自動車が担っています。

一方、トラック輸送業は、深刻な人手不足に陥っているほか、「2024年問題」という大きな課題に直面しています。2024年問題とは、2024年度からドライバー1人あたりの時間外労働が年960時間に制限されることから生じるさまざまな問題のことです。

たとえば、時間外労働の制限により、1人のドライバーが担っていた長距離輸送の見直しが必要になります。300km以上の輸送については、鉄道・航空・船などへの転換や、中継地点を活用した中距離輸送の導入が必要です。

こうした背景のもと、トラック輸送においてはレベル4自動運転といった技術革新が強く求められています。

事業の成長のためには資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるための方法など、資金調達に関するノウハウを解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ トラック モビリティ レベル4 三菱地所 株式会社 構築 次世代 次世代基幹物流施設 物流 物流施設 自動車 自動運転 自動運転システム 自動運転技術 自動運転車 資本業務提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

クラウド型オンライン・マンション・ギャラリー「ROOV」提供の「スタイルポート」が資金調達
2020年4月28日、株式会社スタイルポートは、資金調達を実施したことを発表しました。 クラウド型オンライン・マンション・ギャラリー「ROOV」を提供しています。 アプリのダウンロードや、アカウントの…
エッジAIプロセッサー「AiOnIc」を開発する「ArchiTek」が11.8億円調達
2022年6月20日、ArchiTek株式会社は、総額約11億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ArchiTekは、エッジ側でのAI処理と画像・音声処理を行うエッジAIプロセッサ…
クラウド型倉庫在庫管理システム「W3」を中心に物流のDXを推進する「ダイアログ」が5.5億円調達
2024年12月9日、株式会社ダイアログは、総額5億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、金融機関4行から総額1.3億円の融資を受け、エクイティとデット合計で6.8億円の調達を完…
業務プロセスを最適化するAIソリューションを提供する「BLUEISH」が資金調達
2025年2月17日、株式会社BLUEISHは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、スタートアップ企業支援に強みを持つ株式会社ディ・ポップスグループです。 BLUEISHは、すべての業務…
ビッグデータ活用・分析の事前処理を自動化する「trocco」の提供元が1.3億円調達
2019年7月8日、株式会社primeNumberは、総額約1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 SaaS型のビッグデータ分析基盤向けデータ統合自動化サービス「trocco(トロ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集