注目のスタートアップ

再生医療技術で作製した研究用の血球様細胞製品の開発・販売を手がける「マイキャン・テクノロジーズ」に「藤森工業」が出資

company

2023年6月30日、藤森工業株式会社は、6月21日付でマイキャン・テクノロジーズ株式会社の第三者割当増資を引き受け、4,998万円を出資したことを発表しました。

マイキャン・テクノロジーズは、再生医療技術を用いて作製した研究用の血球様細胞製品の開発・販売、血球様細胞を用いた薬系開発の評価サービス、血球様細胞を用いた実験動物代替法に基づく各種試験受託サービスを手がけています。

また、血球様細胞製品を抗体医薬品・ワクチン・再生医療製品の出荷試験に必要となる発熱性物質試験に応用する研究を進め、キット化して販売することを計画しています。

藤森工業は、化学素材の塗加工技術を活かしたフィルム製品や包装材料を手がけています。近年は、細胞培養領域に参入し、ワクチンや抗体医薬などのバイオ医薬品製造に不可欠なシングルユース製品「BioPhaS(バイファス)」や、培養装置「Tres Cuna(トレスクーナ)」などを展開しています。

今回の出資により、開発製品であるMylc細胞の培養を藤森工業が受託製造し、細胞培養受託への挑戦を本格的に開始します。


2019年、マイキャン・テクノロジーズは世界で初めて増殖可能なヒト免疫を有する白血球細胞「Mylc(ミルク)細胞」の開発に成功しました。

Mylc細胞は、刺激に対する高い反応性、同一の遺伝子情報を持つ均一性、安価な製造コストなどの特徴を有しています。マイキャン・テクノロジーズは、このMylc細胞の発熱性物質試験への応用を目指しています。

発熱性物質試験とは、医薬品・ワクチンなどの出荷において必要となる、発熱性物質に汚染されていないかを確認する試験のことです。

発熱性物質試験では現在ウサギを利用した動物実験が主流となっていますが、近年はEUなどで動物愛護などの理由により動物実験が規制される流れとなっており、代替の試験法のニーズが高まっています。

そこで注目されているのが細胞を利用した試験法であるMAT法です。

マイキャン・テクノロジーズは、Mylc細胞を利用した試験法であるMylcMAT法を2021年に開発し、この事業化を目指しています。

今回の藤森工業との関係強化により、Mylc細胞を用いたin vitro発熱性物質試験の製品化をさらに進めていく計画です。

ビジネスを成長させるには戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、クラウドファンディングを成功させる方法など、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ MAT法 MylcMAT法 Mylc細胞 マイキャン・テクノロジーズ 代替 再生医療 動物 動物実験 技術 株式会社 発熱性物質試験 研究 細胞 藤森工業 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

圧力鍋で炊いた玄米を数日寝かせてつくる玄米ご飯「寝かせ玄米」を展開する「結わえる」が2.5億円調達
2022年8月10日、株式会社結わえるは、総額2億5,029万9,000円の資金調達を実施したことを発表しました。 結わえるは、圧力釜で炊いた玄米を数日寝かせて作る玄米ご飯「寝かせ玄米」を展開していま…
足腰力測定システムを開発する慶應義塾大学理工学部発スタートアップ「AYUMI BIONICS」が資金調達
2022年10月21日、株式会社AYUMI BIONICSは、資金調達を実施したことを発表しました。 AYUMI BIONICSは、足腰力測定システムを開発する慶應義塾大学理工学部発スタートアップです…
家庭用プラズマ美顔器「Un」の「傳心堂」が6,300万円調達
2021年9月1日、株式会社傳心堂は、総額6,3000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 先端技術を活用した美容機器の開発を行うビューティーテックベンチャーです。 プラズマ美顔器「Un(アン…
終活支援サービス「追憶の木立」やVR事業展開の「CLASSIX」が1.6億円調達
2022年1月31日、CLASSIX株式会社は、総額1億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 メモリアルサロン「追憶の木立」や、VR(バーチャルリアリティ)事業を展開しています。 「…
脳動脈瘤コイル留置用ステントを手がける「PENTAS」に「NES」が出資
NES株式会社は、株式会社アルムの子会社である株式会社PENTASに出資したことを発表しました。 PENTASは、流体力学的手法を用いた血流抑止効果の高い新たなステント「PENTASステント」と、それ…

大久保の視点

スタートアップワールドカップ九州大会:優勝は医薬品開発のStapleBio!熊本で開催
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選である「KYUSYU REGIONAL 2024」が、2024年8月27日(火)に開…
(2024/8/27)
「スタートアップビジネスMBA講座」明治大学MBAの執筆陣と出身起業家が解説
創業手帳代表も執筆陣に参加。注目のスタートアップ本 起業家教育が近年注目を浴びています。しかし、スタートアップはまだ新しい領域であり、不確実性も高く、学問に…
(2024/7/29)
世界最大級のビジネスコンテスト・スタートアップワールドカップ東京大会優勝はDigital Entertainment Asset山田耕三さん
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の東京予選である「TOKYO REGIONAL 2024」が、2024年7月19日(金)に開催…
(2024/7/19)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】