注目のスタートアップ

全方向移動ロボットによる複数台での自律協調搬送・作業システムを開発する「TriOrb」が7,000万円のデット調達を実施

company

2023年6月21日、株式会社TriOrbは、2023年6月に福岡銀行および日本政策金融公庫の協調融資により7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

TriOrbは、全方向移動ロボット「TriOrb BASE」を用いて、ロボット同士が連携して行動する協調搬送・作業システムの実用化を目指しています。

「TriOrb BASE」は、九州工業大学からの技術移転をコア技術としたハードウェアであり、3つの球体と3つのモーターで、全方向に自由自在に移動できるシンプルな機構を特徴としています。

高い走破性や移動性能を有しているため、工場での荷物の運搬だけでなく、建設現場などの荒れた床面や狭い場所での活用、精密な移動が要求される場面での活用も想定されています。

また、複数のロボットが協調して搬送する仕組みにより、1台のロボットでは運ぶことができない大きい・長い荷物の搬送を可能にします。

2023年6月から、戸田建設株式会社との共同研究により、製造現場でのロボット導入加速や建築現場での資材搬送システムの実装などに取り組んでいるほか、産業応用可能なロボットの足を展開しています。

2023年秋から冬にかけての自律移動ソフトウェア群のリリース、2024年度中の協調移動ソフトウェア群のリリースを目指して開発を進めています。


工場や物流倉庫の生産性を向上させるには、工程間搬送や各工程への荷物の搬送時間の短縮が重要となります。

少品種大量生産のラインでは、工程間搬送はベルトコンベアによる自動搬送が利用されます。しかし作業と搬送が想定通りのペースで進まない場合、渋滞が発生し、最悪の場合ライン全体をストップさせ、遅れた作業を待たなければならないこともあります。

近年は、このベルトコンベアに代わり、レールや磁気マーカーなどによって通路を移動する無人搬送車(AVG)が搬送に利用されることが増加しました。AVGは、搬送に使う道を決めなければならないものの、搬送するモノの量・タイミングを自由に調整できるというメリットがあります。

そしてこのAVGをさらに進化させたものが、自律走行搬送ロボット(AMR)です。AMRは、センシング技術などによって自身の位置を推定し、目的地までのルートを自動で計算し自律走行するロボットです。

AVGはルートが決まっていることから、工場・倉庫のレイアウトを固定しなくてはならず、また通路などに荷物を置いたり、人間が存在してしまうとAVGの邪魔になってしまうといったデメリットがありました。

AMRは、さまざまな環境下でも導入可能であることから、製造業・物流業界での注目が高まっており、自動化の中心として活用されている例も多くあります。

また、自律走行搬送ロボットはより多くの現場で柔軟な走行を可能にするため、全方向移動など、移動性能の高度化が求められています。またそれと同時にメンテナンス性の向上も重要であることから、シンプルでありながら柔軟な移動を可能にする構造が必要です。

「TriOrb BASE」は、3つの球体と3つのモーターで全方向に移動できるシンプルかつコンパクトな移動機構であり、従来のAMRの課題を解決しています。

また、規格外の大きさの荷物については専用のロボットが必要となっている課題を解決するため、複数台のロボットが協調することで搬送を可能にする自律協調搬送・作業システムも開発しています。TriOrbの今後の成長に注目が必要です。

効率化はどの企業でも大きな課題となっています。創業期は最新のシステムを導入できる機会でもあるため、効果的なシステムやツールを選定・導入するとよいでしょう。「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウについて詳しく解説しています。

また、大規模なシステム投資には資金調達も必要となるでしょう。「資金調達手帳」では、融資のノウハウや、VCから出資を受けるための方法など、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AMR TriOrb TriOrb BASE システム ロボット 九州工業大学 協調 工場 搬送 株式会社 物流 移動 自律 自律走行 自律走行搬送ロボット 荷物 資金調達 連携
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

Webマーケティングプラットフォーム「dejam」を運営する「LeanGo」が資金調達
2022年11月1日、株式会社LeanGoは、資金調達を実施したことを発表しました。 LeanGoは、WebマーケティングのPDCAを高速化するためのプラットフォーム「dejam(デジャム)」を運営し…
実証実験プラットフォーム「POCOLAB」や官民連携事業展開の「官民連携事業研究所」が資金調達
2021年12月7日、株式会社官民連携事業研究所は、資金調達を実施したことを発表しました。 実証実験プラットフォーム「POCOLAB」の運営や、官民連携アクセラレーターを運営するための人材の育成、官民…
デジタル通貨・分散型ID発行SaaSプラットフォーム「LITA」を提供する「Digital Platformer」が「北國銀行」「QRインベストメント」と資本業務提携
2023年4月27日、Digital Platformer株式会社は、株式会社北國銀行と業務提携を、さらに関連会社である株式会社QRインベストメントと資本提携を締結したことを発表しました。 Digit…
レア・メタルを使用しない次世代電池用高性能触媒開発の「AZUL Energy」が6,000万円調達
2020年3月30日、AZUL Energy株式会社は、総額6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 次世代バッテリーとして期待される金属空気電池や、燃料電池に不可欠な高活性の非白金系酸…
クラウド決算開示管理サービス「Uniforce」提供の「start-up studio」が「エアトリ」と資本業務提携
2022年6月30日、株式会社start-up studioは、株式会社エアトリと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 start-up studioは、クラウド決算開示管理サービス「Un…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集