注目のスタートアップ

グローバルベンチャーキャピタル「Antler」が医薬品流通管理BPOサービス「Yap-BPO」を提供する「Yap」に出資

company

2023年5月10日、グローバルベンチャーキャピタルAntler(本社:シンガポール)の日本法人であるAntler株式会社は、初出資先として、Yap株式会社に2,000万円の出資を実施したことを発表しました。

今回の出資は、Antler Japanが実施する起業支援プログラム「Antler Cohort Program」によるものであり、Yapは日本版「Antler Cohort Program」第1期生初の出資先となります。

Yapは、医薬品流通管理BPOサービス「Yap-BPO」を提供しています。

製薬企業の流通管理に付帯する業務をDXし、正確な情報を医療機関やHCP(医療従事者)に提供することを目的としたBPO(Business Process Outsourcing)サービスです。

医薬品の不正流通や乱用を防止するため、厳しい規制のある流通管理品目の管理コスト、人員、工数を大幅に削減できます。


少子高齢化による医療費の増大の影響を緩和するため、国は薬価抑制政策を実施しています。

これにより製薬業界は売上の減少を強いられており、厳しい状況に置かれています。

そのため製薬業界では新たな市場を開拓するため、新薬の開発がより重要となっています。近年は、バイオ医薬品などの新たな医薬品が登場しており、製薬業界は新薬開発が活気づいている一方、創薬の難度も上昇しています。

こうしたなか、製薬業界ではより創薬にリソースを割くことができるような体制を構築するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)などによる業務効率化を推し進めています。

製薬企業は医薬品という人命に関わる製品や、医療情報といった重要な情報を取り扱うことから、多くの規制のもと業務を進める必要があります。

医薬品では、適正使用のため流通管理が必要とされているものがあります。また、近年の薬物療法の進化により、流通管理が必要とされる品目も増えています。

こうした医薬品の流通管理は、医療機関から発注を受けた特約店(卸)が製薬企業の流通管理担当に納品の可否を確認し、この流通管理担当が施設要件や医師要件などを確認した上で、納品の可否を判断して連絡します。

もし納品が不可であった場合、MR(医療情報担当者)によって納品の条件が整うように医療機関へと働きかけてもらったあと、あらためて可否の判断を下す必要があります。

こうしたプロセスは非常に複雑であるというほか、卸との連絡はFAXが利用されていることが多く、非効率的な業務となっていました。

Yapは、この医薬品流通管理の課題をBPOによって解決する「Yap-BPO」を展開し、製薬企業のDXに貢献することを目指しています。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BPO Yap Yap-BPO アウトソーシング 医療機関 医薬品 業務効率化 流通 流通管理 流通管理品目 管理 製薬
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

スタートアップの資金調達と投資家の管理業務を効率化「smartround」がアドバイザー・アカウントの提供を開始
株式会社スマートラウンドは、「smartround」においてアドバイザー・アカウントの提供を開始しました。 「smartround」は、スタートアップの資金調達と、投資家の管理業務を効率化するファイナ…
ブロックチェーンを使った情報流通プラットフォームを手掛ける「オケイオス」と「シミックソリューションズ」が資本業務提携
2022年10月6日、シミックホールディングス株式会社のグループ会社であるシミックソリューションズ株式会社と、株式会社オケイオスは、資本業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表しました。 オケイ…
建設図面・現場管理アプリ提供の「スパイダープラス」が東証マザーズに上場
2021年3月30日、スパイダープラス株式会社は、2021年3月30日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したことを発表しました。 建設図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS(スパイダープラス)」の…
契約業務・管理クラウドサービスなどを提供する「Hubble」が7億円調達
2024年12月5日、株式会社Hubbleは、総額7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Hubbleは、契約業務・管理クラウドサービス「Hubble(ハブル)」や、AIが網羅的な契約データベ…
製造業特化の設備保全業務効率化SaaSを開発する「FAcraft」が資金調達
2024年4月9日、株式会社FAcraftは、資金調達を実施したことを発表しました。 FAcraftは、製造業に特化した設備保全業務効率化SaaSを開発しています。 修理状況を把握・共有できる機能、画…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集