注目のスタートアップ

メンタルヘルスセルフケアアプリ「Dr.アプリ」を開発する「ロゴスサイエンス」と「EPSホールディングス」が資本提携

company

2023年3月10日、ロゴスサイエンス株式会社は、EPSホールディングス株式会社と、戦略的パートナーとしての資本提携を行ったことを発表しました。

ロゴスサイエンスは、早稲田大学 総合研究機構 応用脳科学研究所との共同研究にもとづき、メンタルヘルスセルフケアアプリ「Dr.アプリ」を開発しています。

「Dr.アプリ」は、認知行動療法、アクセプタンス&コミットメント・セラピーなどの科学的に効果が検証された心理療法プログラムをベースとした、ストレス関連疾患に伴う問題や困り感の解決をサポートするアプリケーションです。

2022年9月30日に、臨床研究(フィージビリティスタディ)により、実用化に向けた実現可能性を確認し、アウトカム指標の有意な改善も含め良好な結果が得られたことを発表しています。

EPSホールディングスは、医薬品開発業務受託機関(CRO)事業、治験施設支援機関(SMO)事業、医薬品販売業務受託機関(CSO)事業を展開しています。

今回の提携により、メンタルヘルス領域におけるソリューションサービスの提供を共同で推進します。


近年、デジタル技術によって病気を治療するアプリである治療用アプリが世界的に注目されています。

治療用アプリは、デジタルセラピューティクス(Digital Therapeutics:DTx)とも呼ばれており、米国では「エビデンスに基づき臨床的に評価されたソフトウェアを利用して患者に直接医療行為を行うことにより、疾患・障害の治療・管理・予防を行うもの」と定義されています。

米国では2010年にWellDoc社が糖尿病管理用アプリ「BlueStar」の承認を取得し、世界初のDTx製品が登場しました。

国内ではCureApp社が2020年8月に承認を取得したニコチン依存症治療用アプリが国内初の事例となります。

治療用アプリはスマートフォンやタブレットにインストールされたアプリによって治療を行います。

その治療法は、アプリによって患者に継続的に介入し、治療効果を向上させたり、患者の情報の取得・把握を行うことで医師の負担の軽減を図るというものです。

そのため主に患者の行動変容が治療に結びつく疾患が対象となっています。

現在は、うつ病、耳鳴り、パニック障害、アルコール依存症などの治療用アプリが承認され、実際の治療で利用されています。

ロゴスサイエンスは、認知行動療法やアクセプタンス&コミットメント・セラピーをベースにストレス関連疾患を抱える患者のサポートを行う「Dr.アプリ」を開発しています。

認知行動療法などの心理療法の有効性は科学的手法によって確かめられており、欧米においては精神療法の標準的な手法として広く用いられています。

国内では、うつ病・パニック障害・社交不安障害・強迫性障害などにおいて保険診療で治療を受けることが可能ですが、認知行動療法は診療に時間がかかることから、国内では医師による認知行動療法があまり実施されていないという課題があります。

治療用アプリの実用化と普及は、国内の心理療法の普及に資するものとして期待されています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要になってきます。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Digital Therapeutics Dr.アプリ DTx EPSホールディングス アクセプタンス&コミットメント・セラピー アプリ セルフケア デジタルセラピューティクス メンタル メンタルヘルス ロゴスサイエンス 心理療法 株式会社 治療用アプリ 認知行動療法 資本提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ビデオ通話による遠隔サポート業務支援ツール「Liveアシスト」提供の「TECH MONSTER」が5,000万円調達
2022年5月24日、株式会社TECH MONSTERは、総額約5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TECH MONSTERは、オンライン配信業務ツール「Liveアシスト」を提供し…
超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」を開発する「インターステラテクノロジズ」が10億円調達
2022年12月27日、インターステラテクノロジズ株式会社は、10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、SBIホールディングス株式会社の連結子会社であるSBIインベストメント株式会社…
カーボンクレジット売買プラットフォーム「日本カーボンクレジット取引所(JCX)」を提供する「日本GXグループ」が資金調達
2024年11月18日、日本GXグループ株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 日本GXグループは、カーボンクレジット売買プラットフォーム「日本カーボンクレジット取引所(JCX)」や、環境…
物語を通じて作家・作品と出会うEコマース「ナラティブ・プラットフォーム」を運営する「物語運輸」が資金調達
2024年1月5日、物語運輸株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 物語運輸は、物語を通じて作家・作品と出会うEコマース「ナラティブ・プラットフォーム(ナラプラ)」を運営しています。 職人…
日本円と連動したステーブルコインの発行を目指す「JPYX」が3,400万円調達
2022年6月22日、株式会社JPYXは、3,400万円の資金調達を実施したことを発表しました。 JPYXは、日本円ステーブルコイン「JPYX」の発行・管理を目的に、2021年12月に創業した企業です…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集