注目のスタートアップ

中国向け越境MCNを運営する「Over The Border」が「トランスコスモス」と資本業務提携

company

2023年3月1日、トランスコスモス株式会社は、株式会社アイスタイルの連結子会社である株式会社Over The Borderと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

Over The Borderは、日本から中国にライブコマースなどで商品をPRする越境MCN(Multi Channel Network)を運営しています。

具体的には、MCNを活用した中国向けPR、中国向けEC販売の代理事業、イベント企画・運営、中国進出支援コンサル事業、オリジナル商品開発などを手がけています。

また、「抖音電商全球購(Douyin EC Global)」において化粧品セレクトショップ「@cosme(アットコスメ)海外旗艦店」を2021年から運営しています。

トランスコスモスは、顧客企業の越境ECを活用した海外販路拡大を支援しています。中国市場向けにおいては、「天猫国際」「JD worldwide」、ASEAN市場向けに「Lazada」「Shopee」など越境ECプラットフォームを活用した旗艦店出店支援と運営代行業務を行っています。

今回の提携により、両社のノウハウを活かし、企業の「抖音電商全球購(Douyin EC Global)」旗艦店出店支援と、運営代行を行う「抖音電商全球購(Douyin EC Global)Partner」事業を立ち上げ、越境販売支援事業を強化します。


観光庁の「2019年の訪日外国人旅行消費額(確報)」によると、2019年の旅行消費額(総額)は4兆8,135億円です。

国別では中国の消費額が最も多く、その総額は1兆7,704万円で、2位の台湾の5,517億円の3倍以上となっています。

中国人観光客が購入する主な商品は高額品(宝飾品・時計・ブランド品)と化粧品です。

化粧品が注目を集めていたのは、中国国内では偽物や低品質な化粧品の流通が蔓延っており、日本製の化粧品の信頼性が高いことが挙げられます。

一方で、こうした爆買いを支えていたのは一般的な消費者だけでなく、中国にいる消費者の代わりに海外の商品を購入し、手数料によって収益を上げる代理購入者(ソーシャルバイヤー)も大きな存在となっていました。

しかし中国は2019年1月1日に「中華人民共和国電子商務法(電商法)」を施行し、非正規ルートで並行輸入を行っていたバイヤーを規制しています。そしてその後コロナ禍になったため、中国では正規ルートでのEC販売のニーズが高まっています。

経済産業省が公表している「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2021年に中国消費者が日本事業者から購入した額は2兆1,382億円(前年比9.7%増)であり、年々増加傾向にあります。

このように越境ECは大きな市場であり、さらに越境ECを足がかりに海外市場に参入するということも考えられるため、近年注目が高まっています。

さらに中国ではライブコマースというSNSのライブ配信機能などを利用し、インフルエンサーが生配信で商品を紹介・販売する新たなEC市場が登場し、2021年には約2兆元(約35.7兆円)という巨大な市場へと成長しています。

Over The Borderは、ライブコマースなどを活用しながら中国での越境EC参入を支援しています。今回のトランスコスモスとの提携により、さらに事業を拡大していくことになるでしょう。

ECはコロナ禍において販路開拓や販路拡大のための重要なチャネルとなりました。一方でECにはEC独自の集客ノウハウが存在します。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、ネット通販のはじめ方や、ネットでの集客ノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EC MCN Multi Channel Network Over The Border PR アイスタイル トランスコスモス ライブコマース 中国 代理 旗艦店 株式会社 販売 資本業務提携 越境 越境EC
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

宇宙用汎用作業ロボット開発の「GITAI Japan」が18億円調達
2021年3月1日、GITAI Japan株式会社は、総額18億円の資金調達を実施したことを発表しました。 宇宙用汎用作業ロボットを開発しています。 このロボットは、宇宙ステーション船内外の作業や、軌…
AI自動翻訳「ヤラクゼン」がクラウドストレージの「Box」と連携し「ヤラクゼン for Box」を提供開始
2022年5月6日、八楽株式会社は、提供する「ヤラクゼン」において、株式会社Box Japanが提供する「Box」と連携し、新サービス「ヤラクゼン for Box」の提供を開始することを発表しました。…
AI技術を活用した推し活アプリを運営する「OSHIAI」が7000万円調達
2025年3月13日、OSHIAI株式会社は、7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 OSHIAIは、AI技術を活用した推し活アプリ「OSHIAI」を運営しています。 推しの分身AI「ア…
NFT特化ブロックチェーン「パレット」開発の「HashPort」が4.8億円調達
2021年8月3日、株式会社HashPortは、総額約4億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社スタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏です。 NFT特化のブロックチ…
看護師向けメンタルサポートサービスを開発する「Plusbase」が資金調達
2022年5月9日、株式会社Plusbaseは、資金調達を実施したことを発表しました。 Plusbaseは、看護師向けメンタルサポートサービス「ナースビー(Nurse-be)」と、医療機関向けメンタル…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集