注目のスタートアップ

灰やスラグを原料とした連続長繊維「BASHFIBER」を製造する技術を保有する「新日本繊維」が資金調達

company

2023年3月3日、新日本繊維株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、電源開発株式会社(Jパワー)です。

新日本繊維は、石炭火力発電や石炭ガス化複合発電で生じる灰やスラグを原料に連続長繊維「BASHFIBER(バッシュファイバー)」を製造する技術を保有しています。

「BASHFIBER」は高強度・耐熱性・耐薬品・放射線耐性といった特徴を有しており、既存の工業繊維の代替として幅広く利用できます。

さらに、石炭火力発電や石炭ガス化複合発電で生じる灰やスラグを原料とすることで、エネルギー利用に伴う環境負荷の軽減を実現します。

今回の資金調達をきっかけに、新日本繊維が持つ繊維の製造技術と、Jパワーの発電事業で培ってきた技術・ノウハウを融合させ、新たな事業領域で製品を展開します。


国内においてもっとも発電量が多いのはLNG(天然ガス)を用いた火力発電で、2番目が石炭を用いた火力発電です。

世界的にはCO2排出量削減のため、大量にCO2を排出してしまう石炭については利用を抑制するという動きがあります。

一方で、日本は国内のエネルギー資源が他のOECD諸国と比べても低い水準にあるため、エネルギー資源を輸入に頼る割合が高くなっています。

そして安定供給を図るためにも多様なエネルギー資源を活用することが重要であり、そのうち石炭は安定供給や経済性の面で優れているため、現在も石炭を発電のために活用しています。

石炭火力発電では、石炭を燃焼させた際に石炭灰という副産物が発生します。

国内では2020年におよそ1,200万トン発生しており、そのうち95%以上がセメント原料などとして有効利用されています。

一方で、有効利用先として60%程度利用されているセメント分野については、今後国内需要が鈍化することが見込まれていくことから、セメント分野以外においても有効利用できる分野が必要とされています。

新日本繊維は、石炭を利用した発電において排出される灰やスラグを原料とした高機能な繊維素材により、この課題解決を目指しています。

事業を成長させるには戦略的な資金調達や、シナジーのある企業との提携・協業が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BASHFIBER エネルギー スラグ バッシュファイバー 新日本繊維 株式会社 発電 発電所 素材 繊維 資金調達 連続長繊維 高機能
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

片麻痺者向け歩行リハビリ用着るロボットを開発する「INOMER」が4500万円調達
2024年9月5日、株式会社INOMERは、4500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、ライトアップベンチャーズ株式会社を無限責任組合員とするライトアップベンチャーズ1号投資事業有…
理工系学生採用サービス運営の「テックオーシャン」が5,000万円調達
2019年8月27日、株式会社テックオーシャンは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AI・ビッグデータによる理工系学生採用サービス「TECH OFFER」を運営しています。 …
「SOCIAL COMMON CAPITAL」が1.7億円調達 融資型クラウドファンディング事業「CAMPFIRE Owners」のMBOを実施
2022年8月24日、株式会社SOCIAL COMMON CAPITALは、総額約1億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、株式会社CAMPFIREが運営する融資型クラウドファ…
「CrowdChem」が研究開発や営業活動での課題解決をサポートする「CrowdChem Data Platform」をプレリリース
2023年6月15日、株式会社CrowdChemは、「CrowdChem Data Platform(クラウドケム データ プラットフォーム)」をプレリリースしたことを発表しました。 「CrowdCh…
フリーコンサルタントのための案件紹介サービス「Pro Connect」を展開する「イーストフィールズ」がりそな銀行を引受人とするSDGs推進私募債(無担保社債)1億円を発行
2022年11月25日、イーストフィールズ株式会社は、株式会社りそな銀行を財務代理人及び引受人とするSDGs推進私募債(無担保社債)1億円を発行したことを発表しました。 フリーコンサルタントのための案…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集