注目のスタートアップ

電気運搬船や大型蓄電池を開発する「パワーエックス」が7.5億円調達

company

2023年2月6日、株式会社パワーエックスは、総額7億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

これにより、累計調達額は約106億円となります。

パワーエックスは、超急速EV充電用蓄電池・定置用蓄電池・船舶用電池・住宅用電池の製造・販売や、電気運搬船「Power Ark」の開発を行っています。

「Power Ark」は、沖合にある洋上風力発電所でつくられた電力を船で陸に運ぶ電気運搬船です。2025年に1号艇の完成・実証実験を予定しています。

大型蓄電池事業では、岡山県玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設することを予定しています。

「Power Base」では、2023年からテスト生産を、2024年春からEV急速充電器や定置用蓄電池などの出荷を開始する予定です。

また、2022年8月には、バッテリー型超急速EV充電器「Hypercharger」、定置用蓄電池「Mega Power」、11月には船舶用蓄電池「Mega Power for Marine」の先行受注を開始しています。

予約受注は、提携工場である徳島の拠点、建設中の「Power Base」での製造ライン立ち上げとともに順次出荷を開始する予定です。

今回の資金は、「PowerBase」の立ち上げや研究開発に充当する予定です。


SDGsの推進などにより、世界的にクリーンなエネルギーである再生可能エネルギーへの転換が推進されています。

再生可能エネルギーには、太陽光・風力・バイオマス・水力・地熱などさまざまなものがありますが、国際的に主流となっているのは太陽光発電と風力発電です。

国内では、大規模な太陽光発電設備を設置できるような平坦で広大な土地が少ないこと、欧州と比べて風が弱く安定的でないことから風力発電の効率が悪いことなどが理由となり、太陽光発電と風力発電の導入が遅れていました。

近年は技術の発展によって発電効率の向上が実現したこと、震災によって多数の原発が停止し電力不足に陥っていること、政府によるFIT・FIP制度などの取り組みにより、国内においても再生可能エネルギーの社会実装に向けた動きが進んでいます。

しかし、太陽光発電と風力発電の普及にはいくつかの課題があります。そのひとつとして蓄電池のコストの問題が挙げられます。

太陽光発電・風力発電は時間・季節などによって発電量が一定ではなく、需要と供給のバランスを保つことが困難です。そのため、電力を溜めておき、必要な時に使えるようにする蓄電池が必要となります。

一方で蓄電池のコストは高く、太陽光発電を採用する際、蓄電池を導入しない場合よりも蓄電池を導入したほうが経済的にメリットがあるストレージパリティを達成している国産の蓄電池システムはいまだ存在していません。

パワーエックスは、大規模の蓄電池製造工場を建設し、高性能で価格的に競争力のある国産蓄電池の製造に取り組み、日本市場平均価格の1/3までコストを引き下げ、ストレージパリティを達成する国産蓄電池を提供することを目指しています。

大規模なビジネスを展開するには一度の資金調達で多くの資金を調達することが重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、融資だけではなく、VCから出資を受ける方法や、クラウドファンディングを成功させる方法など、資金調達に関するノウハウを紹介しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Power Ark エネルギー パワーエックス 再生可能エネルギー 大型蓄電池 定置用蓄電池 株式会社 蓄電池 製造 販売 電力 電気運搬船
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

フードデリバリーの一括検索アプリ「done!」を運営する「いえメシ」が資金調達
2023年2月24日、株式会社いえメシは、資金調達を実施したことを発表しました。 いえメシは、フードデリバリーの一括検索アプリ「done!(ダン)」を開発・提供しています。 フードデリバリーサービスや…
「三菱UFJキャピタル」が超小型陽子線がん治療装置を開発する「ビードットメディカル」に追加出資
2023年4月26日、三菱UFJキャピタル株式会社は、運営する「MUFGメディカルファンド」より、株式会社ビードットメディカルに追加出資を実行したことを発表しました、 ビードットメディカルは、国立研究…
ブライダル業界特化のクラウド型婚礼宴会システム「Oiwaii」などを展開する「TAIAN」が6億円調達
2024年11月26日、株式会社TAIANは、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 TAIANは、クラウド型婚礼宴会システム「Oiwaii(オイワイー)」や、Web招待状・席次表「Con…
CRMを軸としたコンサルティングサービスなどを提供する「スマートウィル」が「ルビー・グループ」と資本業務提携
2022年9月28日、株式会社スマートウィルは、ルビー・グループ株式会社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 スマートウィルは、データドリブンなCRM(顧客関係管理)を基軸に、企業のマー…
Webで簡単に寄せ書きをつくれる「ヨセガッキー(Yosegakki)」がリリース
2020年6月15日、株式会社SDPは、「ヨセガッキー(Yosegakki)」の提供を開始したことを発表しました。 「ヨセガッキー」は、Webでスマートに寄せ書きをつくれるサービスです。 オンラインで…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集