注目のスタートアップ

認知症コミュニケーションロボットの開発・販売や認知症介護施設を運営する「ザ・ハーモニー」が2億900万円調達

company

2023年1月31日、ザ・ハーモニー株式会社は、総額2億900万円の資金調達を実施したことを発表しました。

ザ・ハーモニーは、AIを活用した認知症コミュニケーションロボットの開発・販売や、認知症に特化したデイサービス・老人ホームの運営を展開しています。

開発するAIを搭載したぬいぐるみ型のコミュニケーションロボットは、ロボットとの会話・歌・クイズなどを通じて、認知症高齢者のQOL向上、中核症状の進行鈍化、周辺症状の発生減少、介護者の心身の負担軽減などの実現を目指しています。

2021年9月から福岡県内の介護施設・医療機関・自宅など27か所で42台の導入・検証を実施し、QOL向上、周辺症状発生減少、介護者の負担軽減、経済的効果を確認しています。

今回の資金は、検証によって得た知見・フィードバックをもとにした改良版のリリースに活用します。

また、改良版は2023年春に福岡県・大阪府・東京23区でリリースする予定です。


ロボットは業務効率化や省人化を実現するものとしてさまざまな場所で活用されています。

一方、こうした効率化や業務の高度化のためだけでなく、人間との会話・コミュニケーションを目的としたロボットも提供されています。このロボットをコミュニケーションロボットといいます。

コミュニケーションロボットには、ヒト型のもの、犬・猫などを模したペット型のものなどさまざまなものがあります。

ペット型のロボットは1999年にソニーが犬型のロボット「aibo」を発売したことをきっかけに、その市場が拓かれていきました。現在はペットの世話などが難しい高齢者や、ペットを飼うことができない集合住宅、アレルギー持ちの家庭などで楽しまれています。

こうしたコミュニケーションロボットは、人間のストレスなどを低減する効果があることがわかっています。

さらにカメラやセンサーなどを搭載することで遠隔での見守りにも活用できることから、保育施設や高齢者施設などで導入される事例も増えており、業務効率化と娯楽・セラピーを両立するものとして今後の成長が期待されています。

ザ・ハーモニーは、認知症高齢者を対象としたコミュニケーションロボットを開発しています。

国内の認知症患者数は、2012年時点で高齢者人口の15%(約460万人)だったのですが、2025年には高齢者のうち20%が認知症になるという予測もあり、今後の人数・割合の増加が課題となっていくことが想定されます。しかし介護職員数は2025年には約32万人が不足すると予測されており、介護施設や自宅での負担増加をどう対処するかが重要です。

開発する認知症コミュニケーションロボットでは、認知症高齢者の周辺症状の抑制、さらに介護者の心身の負担軽減を効果として確認できています。今後どのように市場を切り拓いていくのか注目が必要です。

ザ・ハーモニー株式会社のコメント

このニュースを受けまして、ザ・ハーモニー株式会社 代表取締役 髙橋和也氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

2023年春に福岡県・大阪府・東京23区でリリース予定の改良版の認知症コミュニケーションロボットの製造、販売および研究開発費用です。

・今後の展望を教えてください。

ケア事業部の認知症介護施設運営で培った知見やノウハウをテクノロジー事業部のロボット開発とかけ合わせ、テクノロジーを活用することによる、過度な負担がなく、多様な選択肢がある、介護にかかわる全ての人が笑顔で溢れる持続可能な社会の実現を推進してまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

ザ・ハーモニー株式会社は”介護にかかわる全ての人をハッピーに”を共創する以下の仲間を募集していますので、せひよろしくお願いします。
・認知症コミュニケーションロボットのセールス責任者
・福岡県、大阪府、東京23区での導入先(介護施設、医療機関、ご自宅)および販売パートナー

デジタル時代において企業の利益を最大化させるためには、IoTなどのテクノロジーを活用することが重要です。「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらも参考になさってください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI コミュニケーション コモモン ザ・ハーモニー デイサービス ロボット 介護 介護施設 出資 対話 株式会社 福祉 老人ホーム 認知症 認知症高齢者 高齢者
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

猫の総合健康管理サービス「CatsMe!」を手がける「Carelogy」が資金調達
2024年1月10日、株式会社Carelogyは、資金調達を実施したことを発表しました。 Carelogyは、猫の顔写真をアップロードすることで、AIが猫の表情を分析して痛みの徴候を調べることができる…
送金アプリ提供の「pring」が会計ソフト提供の「ミロク情報サービス」と資本業務提携
2020年10月15日、株式会社pringは、株式会社ミロク情報サービスと資本業務提携したことを発表しました。 pringは、送金アプリ「pring」や、法人から個人への送金サービス「業務用プリン」、…
「TABETE」展開の「コークッキング」が「茨城県」とフードロス削減に向けた連携協定を締結
2021年8月2日、株式会社コークッキングは、茨城県と、「食品ロス削減に向けた連携協定」を締結したことを発表しました。 コークッキングは、フードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を運営して…
金属インクジェット印刷による低炭素プリント基板を開発・製造する「エレファンテック」が30億円調達
2024年3月30日、エレファンテック株式会社は、総額約30億円の資金調達を実施したことを発表しました。 エラファンテックは、金属インクジェット印刷による低炭素プリント基板を開発・製造しています。 今…
独自の球駆動式全方向移動機構「TriOrb BASE」をベースとした自律走行システムを開発する「TriOrb」が13.5億円調達
2025年4月11日、株式会社TriOrbは、総額13億5000万円の資金調達を発表しました。 TriOrbは、独自開発の球駆動式全方向移動機構「TriOrb BASE」を基盤に、自律走行および複数台…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集