Gifut 南 隼人|スポーツ好きな起業家が多いのはなぜか?500万円でプロチームのオーナーになる方法も【後編】

創業手帳人気インタビュー

起業した人に聞いた必要ものは「体力、強いメンタル、運」、そして「勇気」と「決断力」


「スポーツチームのオーナーになりたい、スポンサーになりたい、スポンサーになったらどんなメリットがあるのか、よく相談されます」と語るのは、株式会社Gifut代表の南隼人さん。

フリーアナウンサー、スタジアムDJやアリーナMCとして野球やバスケットボール、ウインタースポーツ、パラスポーツなど幅広いスポーツで場を盛り上げています。

メルカリやミクシィなどの会社がスポーツチームのオーナーとして、スポーツビジネスに参入。マラソンやトライアスロンに挑戦するなど、スポーツ好きな起業家が多い印象です。

なぜスポーツ好きな起業家が多いのでしょうか。創業手帳代表の大久保が南さんにインタビューしました。

南 隼人

南 隼人(みなみ はやと)株式会社Gifut 代表取締役CEO
大学在学中にラジオDJを志し、オーストラリアに語学留学。帰国後、ウィンタースポーツのDJとしてキャリアをスタートし、スキー、スノーボード、自転車レースの大会実況やバスケットのMCなど経験を重ねる。 スタジアム、テレビ、ラジオ、クラブ、スポーツ、イベント、あらゆるDJの要素を持っている。さらにイベントプロデュースやコンサルティングにも意欲的に取り組み、活動の幅を広げている。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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起業家とスポーツの密接な関係

:スポーツ界ではプロ化の流れが加速しています。

野球やサッカーにはじまり、バレーボールやバスケットボール、卓球やバドミントンもプロ化が進みました。

スポーツを見に行くことで活力をもらえる、と考える人も増えてきていると思います。

大久保:スポーツビジネスも加速しそうでしょうか。

:私の周りの経営者でスポーツビジネスに挑戦したいと考えている方は多いです。

スポーツチームのオーナーになりたい、スポンサーになりたい、スポンサーになったらどんなメリットがあるのか、といったことをよく相談されます。

われわれ30代-40代の世代は、子どものころの夢がスポーツ選手になりたい方が多かったので、それも関係しているのかもしれません。

大久保:最近だとメルカリやミクシイといった企業がサッカーチームのオーナーになりましたね。

私の周りの経営者は筋トレをしたりトライアスロンに挑戦したりと、運動することが好きな人が多い気がします。体を鍛えて体力をつけたい人が多いのかもしれません。

:体力をつける目的もあると思います。それに加えて「緊張感」を得る目的もあるのではないでしょうか。

経営者の仲間同士で「緊張感がほしい」と話に出ることがあります。

あとは、周りから怒られることがなくなるので、ジムのトレーナーさんに筋トレ中「あと一回、頑張って! もっとできる!」などと激励されることを欲するのだと思います。

スポーツによって勝負の場に出ることになります。勝負の場でしか得られない緊張感があると思うんです。

大久保:ソフトバンクの孫正義会長はゴルフが大好きだと聞きます。トヨタの豊田章男社長もレーシングドライバーとして活動しています。

:スポーツの世界は勝敗が明確で、数字ではっきり出てしまうので負けず嫌いな経営者ほど、はまるのかもしれません。

プロ野球の世界は、壮絶です。二軍の選手でも契約更改をして、選手名鑑を見ればおおよその年俸が公開されていますから。

サラリーマンや会社の社長が他人に給料を明かすなんて、なかなかないですよね。

起業に必要なもの

大久保:先日、私のTwitterに「起業に必要なもの」について書きました。

起業していない人は「お金」と答えるのですが、起業した人は「体力、強いメンタル、運」と答える人が多いです。

スポーツによって、体力と強いメンタルが作り上げられるのかもしれないですね。

:まさにその通りだと思います。

付け加えるとしたら「勇気」と「決断力」もですかね。

起業するには勇気が必要になりますし、事業を進めるには決断力も必要です。

私は起業するとき、ノートに将来実現したいことを書きました。30歳までにスタジアムDJになる目標を立て、逆算して何をすべきかを考えたんです。

そこに至るまでには、勇気と決断力も大事でした。

大久保:期限を区切って時間の制限をすると、その中で何をしていけばよいのか考える必要があるので、力が発揮できるということでしょうか。

:そうです。ある程度の制約があることで、いいプレッシャーがかかって力を発揮できます。

学生時代は時間割がありますが、大人になると時間ってほぼ自由じゃないですか。目標や期限を決めないと、ダラダラ過ぎてしまうと思うんです。

大谷翔平選手がきっかけでプレーヤー経営者の二刀流を志す

大久保:南さんはプレーヤーと経営者の二刀流ですが、大変ではないですか。

:プレイヤーと経営者の二刀流は成功しないと言われていました。それでもやろうと思ったきっかけは、大谷翔平選手ですね。

大谷選手が二刀流でプレーできるなら、可能性はゼロではないと思いました。現在、私が立ち上げた会社は6年目になります。結構うまくできているのではないでしょうか。

大久保:大谷選手がきっかけとは驚きです。個人事業主として活動していて、そこから会社を創業しようと思った理由は何でしょうか?

:一番の理由は「立場の弱さ」です。

個人事業主だと立場が弱いんですよ。取引先とも対等に話せるようになりたいと思い、会社を作って”社長”の肩書を得ようと考えた部分があります。

大久保:実際に社長になって仕事をしやすくなりましたか?

:仕事しやすくなりましたね。立場の弱さは解消されました。

社長になったことで勉強しなければならないことが増えたので、自然と成長できます。成長できる機会を得られたことはよかったですね。

会社を作ったことで自分が行けない現場も会社のメンバーに任せられますし、チームでプレーできるようになりました

大久保:チームにしたことで、やれることの幅が広がったのですね。いまのお話は創業してよかったことになりますが、創業して苦労したことがあれば教えてください。

:いまのところは、新型コロナウイルスの影響だけですかね。ほかはとくにないです。

苦労したことではなく、できていないことになりますが、次の人材を育てられていません。これが直近の課題です。

人材獲得のために大学や専門学校へ講義しに行ったり、養成所を見させてもらってスカウトもしていますが、難しいですね。

大久保:次の人材を育てることは、どこの会社も抱えている課題ですね。アナウンサーの仕事は育成でどうにかなるものなのでしょうか? 才能が必要ですか?

:そこがまだ見えていない部分です。

「この人はやる気もあるし、とてもいいな」と思っても、全然育たないこともありました。私もどうすればいいのか知りたいところです。

多角的な事業でリスクヘッジをすることが大事

大久保:コロナの影響があったそうですが、やはり大変でしたか。

:影響はあったのですが、新型コロナウイルスが流行する前からオンライン配信が来ると考えていたんです。

カメラやスイッチャーなどの機材を購入して、オンライン事業をはじめていました。おかげで、他社に先駆けてクライアントさんにオンラインイベントを提案できました。

これは社内のデザインの運営をしているチームが提案してくれたことです。

社内にはタレントチームとデザインチームがあるのですが、コロナ禍ではデザインチームがカバーしてくれたので助かりました。

大久保:タレントマネジメント事業の一本槍ではなく、多角的に事業展開していたのが良かったのでしょうね。

:これが弊社の強みだと思います。

会社としてデザインや動画制作の仕事を展開していたので何とかなりました。会社を作ったとしても、一本槍だと、それがうまく行かなかったときに大変です。

リスクヘッジとして、いろいろなことを同時並行で進めたほうがいいと思います。アナウンサーとしても1つの競技に絞らず、さまざまな競技に挑戦しているのはリスクヘッジも考えてのことです。

大久保:なるほど。確かに野球一本槍でスタジアムDJに絞ってしまうと、日本の球場数以上には仕事が増えなさそうですが、「盛り上げる」にフォーカスするとたくさんの仕事が生まれそうですね。

:そうですね。イベントやテレビの仕事もあります。対抗馬は、最近出てきているのは「ライバー」と呼ばれるスマホアプリを使って配信する仕事です。あれはシステムを作った会社がすごいですね。

500万円でプロチームのオーナーになれる?


大久保:今後、事業をどのように広げていくか展望はありますか。

:もう1社、もしくは支社を私の出身地である岐阜に作ろうか考えています。

大久保:新しく岐阜でどのようなことをするのでしょうか?

:地域活性化のため、農業とプロスポーツを組み合わせた事業に挑戦したいです。

3人制のバスケットボール「3×3(スリーエックススリー)」のプロチームを地方に作って、選手に農業の仕事もしてもらえればと考えています。私の出身地はすごく田舎でして、そんな場所にもプロチームができれば盛り上がると思うんです。

大久保:それは地元のためですか?

:そうですね。生まれ育った街が好きなので。それだけではなくて、リスクヘッジも考えてのことです。

地方でも仕事があれば、東京で災害などがあった場合にも会社として生き残れると思うので。

大久保:地方としても若い方が増えればいいことだらけでですね。でもプロチームの運営はお金もかかるし、大変ではないですか?

:じつは3×3の場合は、チームの運営費が年間500万円程度しかかからないと言われています。

だから小さい会社でもチャレンジできます。選手は体力があるので、農業の人手不足解消にもつながると考えています。

大久保:年間500万円でプロチームの運営ができるのですか。思ったよりも全然安いですね。そのほかに展開したいと思っている事業はありますか?

:潰れそうだったり、後継者がいない会社の事業承継を考えています。後継者不足で困っている会社が多いと耳にするので。

大久保:まさにその通りだと思います。うちの会社も「事業承継手帳」を作っています。

:そうでしたか! 地方はとくに事業承継を考えている会社が多いので、需要がありそうですね。

大久保:本日はたくさんのお話をありがとうございました。

創業手帳冊子版では、起業家や経営者のインタビューや、起業するためにはどうしたらよいのかをステップごとに解説しています。あわせてご活用ください。
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(取材協力: 株式会社Gifut 代表取締役CEO 南 隼人
(編集: 創業手帳編集部)

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