注目のスタートアップ

「ジャングルX」が「SBIホールディングス」と資本提携 Web3事業推進に向けたJV設立に関して基本合意

company

2022年11月14日、ジャングルX株式会社は、SBIホールディングス株式会社との資本提携とシンガポールでの合弁事業会社設立に関して基本合意したことを発表しました。

ジャングルXは、オリジナルのスポーツリーグに関わるすべての人・団体(ファン・クリエイター・アスリート・行政組織)が報酬を得られるWeb3プロジェクトを、スポーツベッティングのノウハウなどを活かし、リアル・デジタル空間両方において展開することを目指しています。

開発しているWeb3プロジェクト。
「Project N」
・自在の人物・物に紐づいたキャラクターデータ(NFT)を保有した上で行われる育成型対戦ゲーム。
「Project O」
・NFT購入によってスポーツリーグの関係者となったファンを中心としたリーグ・チーム運営を可能とするプラットフォーム。ファンは監督・コーチ権を得られ、プレイなどの意思決定を共同で行うことができます。

プロスポーツは、トップ選手には億単位の年俸が支払われるほか、1試合あたり万単位の観客を動員する、多数のスポンサーを集める、多額の放送契約を結ぶ、巨大なスタジアムを建設するなど、一見華やかな世界に見えます。

たとえば、国内においてもっとも有名なプロリーグであるプロ野球では、2022年の選手の平均年俸は4,255万円となっています。また、一軍選手の平均年俸は約1億円となっています。

一方で、二軍選手の平均年俸は858万円と大きな開きがあります。平均858万円というといい数字のように思えますが、プロ野球選手の平均寿命は7.7年、戦力外・引退時の平均年齢は28.1歳(2020年)とかなり短いことを考慮に入れる必要があります。

スポーツ選手は生涯にわたって現役選手として生きていくことはほぼ不可能です。そのため選手を引退したあとのキャリア、つまりセカンドキャリアのことも考える必要があります。

NPB(日本野球機構)が発表した「2020年戦力外・現役引退選手の進路」によると、野球関係が76%、野球関係以外が13.5%、未定・不明が10.5%となっており、かなりの割合が野球関係となっていることがわかります。

その他のプロスポーツはこれらの数字よりも低いものであることを考えると、華やかなだけの世界ではないことがわかります。

また、スポーツビジネスのビジネスモデルは、ファン・視聴者からコンテンツの対価(チケット・グッズ・視聴料など)による収益と、広告主からの広告費による収益が主となっているのですが、コロナ禍によって試合の開催によって観客を集めることが難しくなり、ビジネスモデルそのものの脆弱さが示されました。

さらに、放映権・スポンサー・スタジアム建設など巨大な金額が動く部分は利権と隣り合わせであり、現在は巨大ビジネス化してしまったオリンピックにおいて数々の不正・汚職が明らかになっています。

ジャングルXは、このスポーツ業界の課題を、スポーツベッティングとNFT(やブロックチェーン技術)によって解決することを目指しています。

スポーツベッティングとはいわゆるスポーツ賭博のことであり、英国ではスポーツ文化と切り離せない存在として発展してきました。

米国においてスポーツベッティングは長年法律によって禁止されていたのですが、海外のオンラインスポーツベッティングの利用を禁止することはできず、国外に多額のお金が流出している現状があり、2018年に米国最高裁判所が法的解釈を変更し、スポーツベッティングの禁止を覆し、各州の決定によってスポーツベッティングが合法化されました。

国内においても海外のオンラインスポーツベッティングの利用はグレーゾーンであり、年間1.5兆円が海外に流出しているとの推計もあります。こうしたことから、国内においてもスポーツベッティング合法化に向けた議論が進められています。

企業の成長には戦略的な資金調達や提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NFT SBIホールディングス Web3 クリエイター ジャングルX スポーツ スポーツベッティング ブックメーカー ベッティング 株式会社 資本提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

断熱材「TIISA」を開発する「Thermalytica」が1億1,250万円調達
2023年3月10日、株式会社Thermalyticaは、総額1億1,250万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Thermalyticaは、断熱材「TIISA」を開発する、国立研究開発法人物…
養豚経営支援システムの「Eco-Pork」が資金調達
2019年8月8日、株式会社Eco-Porkは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、リアルテックファンド、株式会社田中衡機工業所、株式会社リバネスです。 モバイル養豚経営支援システム「P…
不動産開発のデジタルインフラ事業を手がける「トグルホールディングス」が5.6億円調達
2023年11月15日、トグルホールディングス株式会社は、総額5億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 トグルホールディングスは、不動産開発のデジタルインフラ「sketch」、デジタ…
空間の価値を最大化するソリューション「StayX」を提供する「matsuri technologies」が資金調達
2024年2月15日、matsuri technologies株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 matsuri technologiesは、ソフトウェアを主軸に空間の価値を最大化する…
イヤホン型BCI「Ear Brain Interface」などを開発するブレインテックスタートアップ「CyberneX」が資金調達
2022年6月9日、株式会社CyberneXは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、既存投資家の横河電機株式会社です。 CyberneXは、イヤホン型Brain Computer Int…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集