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バイオマスプラントを運営する「合同会社富士山朝霧Biomass」 二輪車・自動車メーカーの「スズキ」による出資を受け入れ

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2022年10月24日、MIRARTHホールディングス株式会社は、出資する合同会社富士山朝霧Biomassが、スズキ株式会社からの出資を受け入れたことを発表しました。

富士山朝霧Biomassは、株式会社土谷特殊農機具製作所とMIRARTHホールディングス株式会社が2021年に設立した合同会社です。

2015年から4年間にわたって実施された「環境調和型バイオマス資源活用モデル事業」のバイオマスプラント施設を引き継ぎ、富士山西麓に広がる酪農地域で飼育される乳牛の糞尿を主な原料としてバイオガス発電を行い、富士山エナジー株式会社を通じて再生可能エネルギーを供給するほか、バイオガス発電過程において発生する消化液を酪農家・農家に対し液肥として提供しています。

今回のスズキの出資により、双方の経験・技術の共有・連携を行い、クリーンエネルギーを供給する地域循環型共生圏を構築する取り組みを行っていきます。

バイオガス発電とは、生物の排泄物などの畜産廃棄物や食品廃棄物をメタン発酵させ、その過程で発生するバイオガスを利用し発電するものです。

本来はゴミとして焼却処分されるものを資源として利用できること、高い温室効果ガス削減効果があることなどのメリットがあります。

一方で、メタン発酵させたあとには、消化液という液体が残ります。

消化液には窒素やリン酸などが含まれることから、肥料として活用することが可能ですが、液体であるため運搬にコストがかかること、成分が安定していないことが課題となっています。

さらにバイオガス発電は、他の再生可能エネルギー発電設備(太陽光・風力・水力など)に比べてプラント設備が高価であり、その運転にもコストがかかるという課題があります。

「環境調和型バイオマス資源活用モデル事業」では、乳牛の糞尿のみで安定的に発電できること、排出される消化液は有用な液体肥料であることが実証されています。

このことから富士山朝霧Biomassは「環境調和型バイオマス資源活用モデル事業」のバイオマスプラント施設を引き継いで事業を展開しています。

また消化液の有効利用については、茶業農家、野菜農家、果樹園、ゴルフ場での利用などにも取り組んでいます。

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