注目のスタートアップ

白血病などの根治を図る細胞治療製品を開発する「セレイドセラピューティクス」が5億円調達

company

2022年10月25日、セレイドセラピューティクス株式会社は、総額約5億円の資金調達を実施したことを発表しました。

セレイドセラピューティクスは、造血幹細胞の体外増幅技術により、急性白血病や遺伝子疾患などの治療に使える製品の開発を行っています。

また、セレイドセラピューティクスの細胞増幅技術は、細胞治療製品への応用だけでなく、さまざまな創薬研究・開発を支援するプラットフォーム(基盤)技術としての可能性があります。

成長性が高い細胞治療の市場において、プラットフォーム技術の提供や、再生医療製品の提供を行っていくことを目指しています。

今回の資金は、免疫不全マウスを使用した大規模実験による非臨床POCの取得に向けた活動の推進などに充当します。

POC取得後は、米国で非臨床安全性試験、臨床試験を経て、最初の細胞治療製品を米国市場から展開していくことを計画しています。

細胞治療とは、さまざまな働きを持った自身もしくは他者の細胞を投与することで疾患を治療する方法です。

細胞治療は、治療法が見つかっていない疾患や、完全に治療する方法がない疾患においても治療の可能性を秘めており、現在世界中で研究開発が進められています。

たとえば、白血病の治療においては、造血幹細胞移植療法(骨髄移植療法)が実施されていますが、これは細胞治療において代表的な治療法のひとつです。

白血病の治療では、抗がん剤の投与や全身放射線治療によって白血病細胞を減らしたあと、血液細胞をつくるもとになる造血幹細胞を移植し、正常な造血機能を回復させるというものです。

造血幹細胞は骨髄にあることがわかっており、昔は骨髄移植と呼ばれていましたが、近年は造血幹細胞が末梢血中や臍帯血の中にもあり、これらを用いる治療法をまとめて造血幹細胞移植療法と呼んでいます。

セレイドセラピューティクスは、この造血幹細胞を体外で大量に増幅させる技術を保有しています。

骨髄移植においては、ドナーと患者のタイプが一致しなくては移植ができないほか、ドナーから造血幹細胞を採取する際に強い負担がある、患者に対し重い副作用があるという課題を抱えています。

末梢血ならば患者本人から造血幹細胞を採取でき、副作用のリスクはあまりないのですが、採取できる量が少量であり、生着率などの面での課題を抱えています。

セレイドセラピューティクスは、この造血幹細胞を体外で人工的に増やすことができるため、末梢血幹細胞移植の課題をクリアすることができます。

研究開発を伴うビジネスには多くの資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ セレイドセラピューティクス 体外増幅技術 再生医療 増幅技術 幹細胞 株式会社 白血病 細胞治療 血液がん 資金調達 造血幹細胞 遺伝子疾患
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

商業用不動産データ分析基盤「estie pro」を提供する「estie」が金融機関からの長期借入などにより16億円調達
2023年4月19日、株式会社estieは、商工中金、三菱UFJ銀行など複数の金融機関より長期借入及びコミットメントライン(融資枠)等による総額16億円の資金調達(融資枠を含む)を実施したことを発表し…
レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を運営する「エブリー」が24億円調達
2022年8月8日、株式会社エブリーは、総額24億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、加藤産業株式会社と旭食品株式会社です。 レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」や、フ…
農産物の流通現場向けSaaS「bando」運営の「kikitori」が5,000万円調達
2020年5月1日、株式会社kikitoriは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 農業流通特化型SaaS「bando」を運営しています。 電話・FAXなどアナログなコミュニケ…
メタマテリアルを活用した製品設計を革新する設計アルゴリズム「DFM」開発の「Nature Architects」が3.25億円調達
2020年5月29日、Nature Architects株式会社は、総額3億2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 メタマテリアルを活用し、従来のものづくりとは根本的に異なる製品設計を…
世界中のデザインチームとデザインプロセスに出会えるプラットフォーム「Cocoda」運営の「alma」が1.3億円調達
2022年3月7日、株式会社almaは、総額約1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 世界中のデザインチームとデザインプロセスに出会えるプラットフォーム「Cocoda(ココダ)」を…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集