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“考える”を習慣化するマネジメントプラットフォーム「哲学クラウド」を開発する「ShiruBe」が資金調達

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2022年10月19日、株式会社ShiruBeは、総額4,100万円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、「哲学クラウド」β版をリリースしたことも併せて発表しています。

「哲学クラウド」は、“考える”を習慣化するマネジメントプラットフォームです。

働く中で抱いた違和感や考えなどをアプリに投稿することで、哲学の専門家が分析し、思考の傾向や類似する哲学を提示します。

さらに、個々人のデータをもとに、チーム全体の自律状態や、その状態の原因となる哲学・考え方の違いを可視化するサービスです。

また、経営者・管理職と哲学者が1on1ミーティングを行い、経営者・管理職の根底にある哲学を深掘りしつつ、理想のチームの状態を言語化・可視化し、その上でチームでの対話の方法や思考法について伴走支援でレクチャーします。

今回の資金は、「哲学クラウド」のハード面・ソフト面の強化、採用活動の強化に充当します。

現在もさまざまな人によって探究されている西洋哲学の基礎は、古代ギリシャに生きたソクラテスが築いたといわれます。西洋哲学は数千年にわたって思考され続けている知の領域であり、時代によって物理学、自然科学、経済学など、さまざまな学問と密接に関わり合って発展してきました。

しかし、科学技術の発展と社会への貢献に伴い、哲学は社会では役に立たないと、実用主義的に判断されることが増えていきました。一方で近年はその状況も変わり、哲学・哲学者が求められるようになってきています。

たとえば、近年の経済活動はSDGsの推進などにより、経済的リターンだけでなく社会的リターンも得ることを目的とするように変化しています。

企業ではこうした変化に対応し、長期的な未来を見据えてビジネスを展開したり、社会的な善とビジネスを結びつけたり、起業家・経営者が何を価値として事業を進めていきたいのか可視化したりするため、哲学者の視点や洞察力に注目が集まっています。

また哲学者は、議論・思考を整理し言語化する能力も持っています。この能力は、自律的な人材を育成するためにも役立つと考えられています。

たとえば米国では、哲学コンサルティングと呼ばれるコンサルティングサービスが登場し、ツイッターやフェイスブックといった有名企業もこの哲学コンサルティングのクライアントとなっています。

哲学コンサルティングは、企業理念や倫理規程の策定・実行、社員間コミュニケーションの改善、チームビルディング、人材の自律的な思考の養成などにおいて、哲学の知や思考法を用いて課題解決を図っています。

株式会社ShiruBeのコメント

このニュースを受けまして、株式会社ShiruBeよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

資金調達の主な目的は、2023年ごろ春予定の『哲学クラウド』の正式版リリースおよび導入企業数拡大を見据えたプロダクトUXおよびオペレーション体制強化によるサービス品質のさらなる向上と、事業拡大に伴う積極採用と組織構築でございます。

・今後の展望を教えてください。

今後は、プロダクト開発やHRtech(タレントマネジメントシステムや組織診断ツール)との外部連携などを通してHR市場において哲学を啓蒙してまいります。

またより長期視点では、哲学クラウドを通して従業員の哲学や価値観のデータを蓄積したのちにToBだけでなくToCへの展開も視野に入れ、哲学の社会実装を目指しております。

・読者へのメッセージをお願いします。

創業手帳 読者の皆さま、初めまして。哲学クラウド代表の上館と申します。
我々は2022年4月に設立したばかりのスタートアップですが、「哲学の社会実装」という壮大なテーマを掲げ、まずは組織開発の領域でチームビルディングをご支援しております。

組織開発は私がこれまでもリンクアンドモチベーションやリクルートにて最前線で取り組んできた領域ですので、まずは多くの企業様に哲学クラウドの価値をご提供しながら、多くの人々に哲学を活用いただけるよう社会へ浸透してまいります。

変化の激しい時代において、新たなアイデアを生み出したり、新たな視点で解決法を見出したりするためには、さまざまな領域の知を学ぶことも重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「オフィス移転手帳」では、書店員が選ぶ社員教育に使える本10選を紹介しています。

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