注目のスタートアップ

慢性骨髄性白血病における最適な薬・投薬量を測定できる「診断薬Pickles」を提供する「HILO」が資金調達

company

2022年10月13日、HILO株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(STS)」第2回公募において採択されたことも発表しています。

HILOは、慢性骨髄性白血病(CML)において、分子標的薬(TKI)の効き目や最適な投与量を患者ごとに測定できる「光診断薬Pickles」を提供する、北海道大学発のスタートアップです。

分子標的薬は複数種類(国内では現在6種類が保険適用)あるのですが、効果がある薬は実際に投与を開始し、経過観察しないと判明しないことが課題となっています。

「光診断薬Pickles」は、治療開始前に効果がある分子標的薬を判断できるため、副作用といった肉体的な負担と、高価な薬代を削減できるという経済的な負担の軽減を実現します。

「光診断薬Pickles」は、蛍光バイオイメージング技術を応用した薬効診断法です。

蛍光バイオイメージング技術とは、細胞などに蛍光色素を導入することで、細胞を可視化し、生きたままリアルタイムで観察するための技術です。

このような細胞など生体の可視化技術はバイオイメージング技術と呼ばれており、生命科学研究などにおいて欠かせない技術のひとつです。

北海道大学大学院医学研究院・大場雄介教授は、この蛍光バイオイメージング技術を応用し、個々の細胞における薬剤反応性を可視化する技術を確立しました。

「光診断薬Pickles」はこの成果を活用したものであり、現在は慢性骨髄性白血病を対象としていますが、原理的には多くのがんに応用できるようです。

慢性骨髄性白血病とは、白血病(血液のがん)のうちもっとも患者数の多い疾患です。

かつて白血病は不治の病というイメージが強くありましたが、現在は化学療法の進展によって根治を見込めるがんへと変化しつつあります。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CML Pickles TKI 光診断薬 分子標的治療薬 分子標的薬 慢性骨髄性白血病 株式会社 白血病 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

VRアート制作ツール「Snow Canvas」を開発する「Zenesis」が1,800万円調達
2022年4月28日、株式会社Zenesisは、総額1,800万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Zenesisは、VRアート制作ツール「Snow Canvas」、VRアートをNFTマーケッ…
「創業手帳」によるセミナー「キャッチコピーの作り方講座」が1/20に開催 受講者募集中
創業手帳株式会社は「キャッチコピーの作り方講座」を2021年1月20日(水)に開催することを発表しました。 「キャッチコピーの作り方講座」は、キャッチコピー=伝わる文章だと捉え、伝わる文章を書くための…
酪農・畜産向けIoTソリューション提供の「ファームノートHD」が資金調達
2020年1月15日、株式会社ファームノートホールディングスは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、オイシックス・ラ・大地株式会社が設立したフードイノベーション領域に特化したCVCファン…
MEO対策SaaSなどを提供する「ロカオプ」が1.5億円調達
2024年10月29日、株式会社ロカオプは、総額約1億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ロカオプは、MEO対策SaaS「ロカオプ」の提供や、ローカルエリアマーケティング事業、サイト…
大規模言語モデルソフトウェアを開発する「Spiral.AI」が1.5億円調達
2023年5月17日、Spiral.AI株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Spiral.AIは、大規模言語モデル(巨大言語モデル:LLM)の導入・活用を目指す…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集