注目のスタートアップ

海上通信プラットフォーム「コースタルリンク」を開発する「フューチャークエスト」が資金調達

company

2022年10月5日、フューチャークエスト株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

フューチャークエストは、海上通信プラットフォーム「コースタルリンク(CoastalLink)」を開発しています。

すべての船舶同士、船舶と地上施設との間で一元的デジタル交信を実現することで、海難事故防止に貢献することを目的としています。

2022年夏に施策システムを完成させ、小型船を中心とした技術検証、制度改革推進に向けた課題検証のための実証実験を展開しています。

通信にあたっては、次世代AISと呼ばれる、新たな海上通信規格であるVDESの活用を想定しています。

2024年のVDESの段階的施行のタイミングに合わせ、「コースタルリンク」のサービス開始を予定しています。

2027年には、衛星とも連携し、日本のEEZ(排他的経済水域)内において、90%を超えるカバー率を目指します。

船舶では船の位置情報などを相互に送信することで衝突を予防する装置である、船舶自動識別装置(AIS)が普及しています。

AISはVHF帯電波の専用周波数が割り当てられており、数秒ごとに、位置・速力・回頭角速度・航行状態、6分ごとに船名・IMO番号・信号符字・貨物の種類・全長全幅・GNSSのアンテナ位置・目的地・到着予定時刻・貨物情報・喫水といった情報を発信しています。

AISは、1974年の海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)において、「国際航海に従事する300総トン以上の全ての船舶」「全ての旅客船」「国際航海に従事しない500総トン以上の貨物船」への搭載が義務づけられています。

一方で、小型船舶にはAISが搭載されていないこともあるため、AISのみでは小型船舶を見落としてしまう可能性があります。

また、日本周辺海域など大量の船舶が航行するような海域ではAIS通信網が圧迫され、円滑な通信ができないという課題も生じています。

このAISの課題を解決するため、AISを発展させたデータ通信インフラであるVDESの開発が各国で進められています。

VDESではAISよりもさらに多くの通信や情報を取り扱うことが可能となるため、VDESを用いたアプリケーションやサービスなどが数多く提供されることが予測されており、海事産業はIT系からの注目も高まっています。

創業期はなにも導入されていないまっさらな状態なため、最新のシステムを導入するのにうってつけです。「冊子版創業手帳」では、社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらもご参考ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ データ通信 プラットフォーム 株式会社 海上 海事産業 船舶 資金調達 通信
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ARグラス用ディスプレイモジュールを展開する「Cellid」が5億円調達
2022年12月16日、Cellid株式会社は、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Cellidは、ARグラス用のディスプレイモジュールと空間認識ソフトウェアを開発・提供しています。 …
量子コンピューター向けのアルゴリズムやソフトウェアを開発する「QunaSys」が17億円調達
2024年11月1日、株式会社QunaSysは、総額17億円の資金調達を実施したことを発表しました。 QunaSysは、企業・研究機関と協働し、量子コンピューターの産業応用を推進しています。 共同研究…
AIを活用したトレーディングカード鑑定サービス「VALUE SCOUTER」を提供する「コレクテスト」が1億円超調達
2024年3月25日、株式会社コレクテストは、総額1億円超の資金調達を実施したことを発表しました。 コレクテストは、AIを活用したトレーディングカード鑑定サービス「VALUE SCOUTER(バリュー…
家族信託サービスを提供する「ファミトラ」が7億円調達
2024年1月16日、株式会社ファミトラは、総額約7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ファミトラは、家族信託を利用し、認知症などを原因とする資産凍結を防止するサービスを展開しています。 最…
工場向けIIoT(インダストリアルIoT)サービスを開発・提供する「MAZIN」が4億円調達
2022年7月6日、株式会社MAZINは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 MAZINは、工場向けIIoT(インダストリアルIoT)サービスを開発・提供しています。 具体的には、切削…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集