注目のスタートアップ

交流電池や廃プラ解重合触媒などを開発・展開する「AC Biode」が資金調達

company

2022年8月30日、AC Biode株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

AC Biodeは、「化学技術により、地球の温暖化ガス削減と海洋プラスチックはじめグローバルなごみ問題解決・リサイクル率向上に貢献する」をミッションに掲げ、以下の事業を展開しています。

・交流電池と回路の開発
・Plastalyst(プラスタリスト):廃プラスチックをモノマーに解重合する触媒の開発
・CircuLite(サーキュライト):各種灰を吸着剤、抗菌剤にアップサイクルする技術の開発・展開(株式会社志恩との協業)

電池・回路については、さらなる実証実験や各種最適化を進め、従来のリチウムイオン電池と同じ材料を使用しつつも最大で15%のAh用量工場を目指しています。

Plastalystでは、触媒の最適化、実験のスケール化を実施し、3年以内の実証実験、商業化を目指しています。

CircuLiteでは、灰の基礎調査と試作を国内外で7件受注し案件を進めています。今後も国内外への展開を強化し、リサイクル工場建設の加速、購入先の拡大を目指していきます。

AC Biodeは、世界で初となる交流のリチウムイオン電池を開発しています。

電気の流れには、直流(DC)と交流(AC)の2つの流れがあります。

直流は川の流れのように常に一方向に向かって電気が流れるものです。

交流はプラスとマイナスが周期的に入れ替わり、それに伴い電気の流れも変わるものです。

直流は電圧が安定しているという特徴を有していますが、電圧の変更に大掛かりな装置が必要となるというデメリットも抱えています。

交流は小規模な変圧器で電圧を変えることができます。電気は電圧が高い状態で運んだほうがロスが少ないため、発電所からは高い電圧の電気が運ばれ、家の近くで電圧が落とされ、交流として電気が運ばれてきます。

一方で交流は電圧が安定しないため、繊細な電子機器(冷蔵庫・テレビ・PCなど)は、交流を直流に変換する電源を使用しています。

モーターで駆動するような扇風機や掃除機などの単純な家電製品は交流をそのまま使用しています。

交流の電池がこれまで存在しなかったのは、電池は基本的に化学性質にもとづいて電気を作るため、化学反応の方向は一方向であることから電池は直流しか出力できなかったことが理由です。

AC Biodeは、両性電極を開発し、電池単体で交流の電気を発生させることに成功し、特許を取得しています。

この交流の電池は、安全性の向上、回路全体のコスト削減、長寿命化、容量増加、他電池への応用可能性、既存の材料・生産設備で生産できることなどのメリットを有しています。

前述のとおり精密機器は直流しか利用できませんが、風力発電や水力発電などのタービンは交流であるため、これらの蓄電に利用できます。

また交流は高電圧を扱うことが可能であるため、飛行機などでも利用できるとAC Biodeは考えています。

研究開発型のビジネスでは戦略的な資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AC Biode リサイクル リチウムイオン電池 交流 化学 技術 株式会社 触媒 資金調達 開発 電池
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

債権管理・督促回収システム「Lectoプラットフォーム」を提供する「Lecto」が資金調達
2024年11月25日、Lecto株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は約13億円超となりました。 Lectoは、債権管理・督促回収システム「Lecto…
生活に溶け込むスマートホーム製品を展開する「mui Lab」と「三菱地所」が資本業務提携
2023年8月31日、mui Lab株式会社は、三菱地所株式会社と資本業務提携を行ったことを発表しました。 mui Labは、穏やかなテクノロジーを提供するスマートホーム・賃貸管理サービス「mui S…
店舗開発・テナント事業者の立地マーケティングプラットフォーム「gleasin」提供の「ジオマーケティング」が1億円調達
2022年7月1日、ジオマーケティング株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 商業施設とテナント事業者のマッチングをコアとした店舗開発・リーシングDXプラットフォーム「glea…
「デリカフーズホールディングス」が「ベジテック」と資本業務提携 「エア・ウォーター」を割当予定先とする第三者割当による新株式を発行
2023年2月20日、デリカフーズホールディングス株式会社は、株式会社ベジテックとの業務提携、および、エア・ウォーター株式会社を割当予定先とする第三者割当による新株式の発行を決議したことを発表しました…
オンデマンド交通運行システム・路線バス交通分析システム・物流向け配送最適化システムを提供する「SWAT Mobility」が資金調達
2024年4月17日、SWAT Mobility Pte. Ltd.は、既存投資家及び日本の事業会社から資金調達を実施したことを発表しました。 SWAT Mobilityは、オンデマンド交通運行システ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集