注目のスタートアップ

廃棄物処理業務を効率化するクラウドサービス「CBA-wellfest」を提供する「CBA」が2.3億円調達

company

2022年8月22日、株式会社CBAは、総額2億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

CBAは、廃棄物処理業務を効率化するクラウドサービス「CBA-wellfest」を開発・提供しています。

産業廃棄物・一般廃棄物・有価物の総合管理、紙マニフェスト・電子マニフェストの管理、許可証の期限管理、組織管理、スケジュール・進捗管理などの機能により、製造業などにおける廃棄物処理業務の効率化を実現します。

今回の資金は、各種サービスの開発・運用体制の強化、企業としての体制強化に充当します。

廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に大別されます。産業廃棄物とは事業活動によって生じる特定の廃棄物のことで、一般廃棄物はそれ以外の廃棄物のことです。

2019年度の産業廃棄物の総排出量は3億8,596万トン、一般廃棄物の総排出量は4,274万トンであるため、産業廃棄物のほうが圧倒的に多く排出されていることがわかります。

産業廃棄物は家庭のゴミと違い、排出した事業者に処理責任があることが特徴です。

産業廃棄物は自治体が保有する一般廃棄物用の処理施設で処理することはできないため、産業廃棄物処理の許可を得た産業廃棄物処理事業者に委託する必要があります。

また、処理業者に委託する際には、廃棄物の処理の流れを把握するため、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を使用することが法律で義務づけられています。これは不法投棄などを防止し、適切に処理されたことを明確にするためです。

SDGs(持続可能な開発目標)の推進により、環境負荷が大きな廃棄物処理についても、なるべく廃棄物の排出を減らすような取り組みや、排出された廃棄物をリサイクルする取り組みが実施されています。

一方で、企業における廃棄物処理業務にあたっては、マニフェストの作成・管理や、廃棄物の集計などさまざまな負担がかかっており、ここからさらに環境に配慮した処理方法を検討するほどのリソースが残っていないことが課題となっています。

国内では産業廃棄物の半数以上がサーマルリサイクルという、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収し、発電などに利用するリサイクルで処理されています。

このサーマルリサイクルは欧米ではリサイクルとして認識されていません。燃やしてしまえば再び利用できなくなってしまうこと、CO2を排出してしまうことなどの課題があるからです。熱回収は、埋め立て・単純焼却の次の優先度であり、リサイクルの最終手段ともいわれています。

そのため廃棄物を新たな製品の原料として再利用する、つまり物から物へと直接リサイクルするものである、マテリアルリサイクルが推進されています。

マテリアルリサイクルを適切に実施するためには、企業で廃棄物を分別・選別するための仕組みが必要となります。

こういった背景から、企業での廃棄物処理業務を効率化するニーズが急激に高まっています。

効率化は多くの業界で重要な課題となっています。古いシステムを使っている企業・組織はデジタル化に苦しんでいるところもありますが、創業期はなにも導入されていない状態であるため、好きなように最新のシステムを導入することができます。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CBA CBA-wellfest クラウド マニフェスト リサイクル 効率化 廃棄物処理 廃棄物処理業務 環境 産業廃棄物 産業廃棄物管理票
関連記事はこちら

株式会社CBA 宇佐見良人|廃棄物処理プラットフォームの提供事業が注目の企業

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「日揮ホールディングス」が現場作業員の負担軽減を目的とした音声認識AIウェアラブルデバイスを提供する「フェアリーデバイセズ」に出資
2022年7月8日、日揮ホールディングス株式会社は、日揮株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じ、フェアリーデバイセ…
令和5年度補正予算「ものづくり補助金」17次締切分の募集要領が公開
2023年12月27日、「ものづくり補助金」17次締切分の募集要領が公開されました。 「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、中小企業・小規模事業者などが今後複数年に…
AGREEBIT株式会社 桑原 英人|AIによる意見集約・ファシリテート・議論構造化の新サービスを展開する注目の企業
議論を深め、合意形成のために必要不可欠な ‶ファシリテート" をAI技術でカバーする事業で注目なのが、桑原英人さんが2019年3月に創業したAGREEBIT株式会社です。 何かについて大勢で議論をした…
生成AIを活用し採用担当の業務を効率化するSaaS「エースジョブ」などを手がける「フォワード」が1.2億円調達
2024年5月22日、株式会社フォワードは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、生成AIを活用し採用担当の業務を効率化するSaaS「エースジョブ」のβ版をローンチした…
コーポレートガバナンスの強化をサポートするSaaSを運営する「KiteRa」が14億円調達
2022年4月13日、株式会社KiteRaは、総額約14億円の資金調達を実施したことを発表しました。 KiteRaは、コーポレートガバナンスの強化をサポートするSaaS「KiteRa(キテラ)」を運営…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集