注目のスタートアップ

「岩谷産業」がブロックチェーンインテグレーターの「chaintope」に出資

company

2022年7月4日、岩谷産業株式会社は、株式会社chaintopeに出資したことを発表しました。

chaintopeは、ブロックチェーン開発プラットフォーム「Tapyrus(タピルス)」や、ブロックチェーンを利用したトレーサビリティアプリケーション「Paradium」、地域通貨発行ソリューション「NATALE」、P2P電力取引やREC取引を可能とする電力業界向けソリューション「Electrowise」、ブロックチェーンを利用したシステム開発・コンサルティング・実証実験などを展開しています。

岩谷産業は、LPガスやカセットコンロを中心とした総合エネルギー事業や、産業ガス事業をコアに機械・マテリアル・自然産業など幅広い分野で事業を展開しています。

chaintopeと岩谷産業は、2022年3月16日に協業を発表しています。

この協業は、家庭での脱炭素に向けた取り組みを促進することを目的としています。

具体的には、岩谷産業のIoTプラットフォーム「イワタニゲートウェイ」と「Tapyrus」をかけ合わせ、「イワタニゲートウェイ」を用いて家庭で生じるエネルギーデータを取得し「Tapyrus」によって集計することで、データの可視化と信頼性の向上を図るというものです。

まずは、家庭に設置した太陽光発電の自家消費量を計測し、環境価値の創出を行っていきます。

今回の出資は、chaintopeとの連携の強化を目的としています。

世界の平均気温は長期的に上昇傾向にあります。もしこのまま地球温暖化が進むと、今世紀末には地球の平均気温が最大で約4.8℃上昇すると予測されています。

そのため温暖化の原因のひとつであるCO2(二酸化炭素)の排出をなくす脱炭素社会の実現に向けた取り組みが各国で推進されています。

脱炭素化では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及が大きな取り組みとなりますが、こうした再生可能エネルギーの普及にあたってはさまざまな問題があります。

たとえば家庭では、CO2削減に取り組んでいても、それがどれほどの貢献になっているのか可視化されていません。また、可視化されていないことでその取り組みを最適化することもできません。

この課題の解決のために注目されているのがIoTの活用です。

たとえば、電気や水道のメーターをIoT化することで、詳細なデータの遠隔での取得が可能となります。このメーターはスマートメーターと呼ばれており、電力会社などによって設置が進んでいます。また、生活者向けにはこのスマートメーターから得られる情報を可視化するアプリなどが提供されています。

さらに、家の中にあるすべてのIoT製品を統合管理し、家中のスマート化やエネルギーを可視化・最適化する「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」という管理システムの社会実装も進んでいます。

HEMSはエネルギー消費量を可視化し、積極的に制御することで省エネを実現するものであるため、家庭の省エネ対策・脱炭素化としては効果の高い取り組みとなります。

政府が2030年までにすべての家にHEMSを普及させることを目指していることもあり、スマートホームやIoTの領域では非常に注目されているもののひとつとなっています。

株式会社chaintopeのコメント

このニュースを受けまして、株式会社chaintopeよりコメントが届きました。

・今回の出資受け入れの目的は何ですか?

岩谷産業様が展開されるプラットフォームであるイワタニゲートウェイに、ブロックチェーンを活用した新たなサービスを付加すべく、資本提携をさせて頂き連携強化を行う事を目的としております。

・今後の展望を教えてください。

イワタニゲートウェイを活用して、まずは各家庭のCO2削減の見える化と価値化を図り、価値を流通できる仕組みの構築から始めたいと考えております。

・読者へのメッセージをお願いします。

スタートアップの成長のモデルの1つとして有力な企業との連携は欠かせませんので、私共もこれから更なる多くの連携を目指して参りますが、皆様も素晴らしいコラボレーションが多数実現されます事を願っております。

環境、社会、ガバナンスに配慮する企業に積極的に投資するESG投資が世界的に盛んとなっています。CO2排出量を把握・管理することは投資家に対するアピールにもなります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ chaintope IoT Iwatani Tapyrus エネルギー タピルス ブロックチェーン 再生可能エネルギー 可視化 太陽光発電 岩谷産業 株式会社 脱炭素化
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

次世代太陽電池を開発する「エネコートテクノロジーズ」が資金調達
2022年5月23日、株式会社エネコートテクノロジーズは、資金調達を実施したことを発表しました。 エネコートテクノロジーズは、次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の開発を行う、京都大学発スタート…
光を利用した治療技術の実用化を目指す「イルミメディカル」が3,500万円調達
2023年12月25日、イルミメディカル株式会社は、総額3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 イルミメディカルは、体の全身を通る血管を利用した低侵襲治療技術の実現に向け技術開発を進め…
次世代型アバター・ロボット「ugo」開発・提供の「Mira Robotics」が2.25億円調達 「ugo株式会社」に社名変更
2021年4月28日、Mira Robotics株式会社は、総額2億2,250万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、ugo株式会社に社名変更したことも併せて発表しました。 2本のアームと…
AIを活用した次世代電話カスタマーサポートツールを開発する「StyleAI」が2,000万円調達
2023年10月27日、StyleAI株式会社は、総額2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 StyleAIは、AIを活用した次世代の電話カスタマーサポートツール「CSNext」を開発…
パブリック・ブロックチェーン「Plasm Network」の開発をリードする「Stake Technologies」が2.5億円調達
2021年2月9日、Stake Technologies Pte Ltdは、総額約2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Stake Technologiesは、日本発のパブリック…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集