注目のスタートアップ

アフリカの未電化・未電波地域に電気・通信を届ける「TUMIQUI」を展開する「シュークルキューブジャポン」が資金調達

company

2022年6月30日、株式会社シュークルキューブジャポンは、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、関西電力グループのコーポレートベンチャーキャピタル・合同会社K4 Venturesと、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社です。

シュークルキューブジャポンは、アフリカの未電化・未電波村落に電気と通信を届ける「TUMIQUI」事業を展開しています。

携帯型太陽パネル、充電・蓄電装置、Wi-Fiがつながる通信機器、LED電球をセットにした「TUMIQUI Smart Kit(ツミキ・スマート・キット)」と、太陽光発電パネルと長距離通信アンテナを組み合わせたデジタルインフラ構築モデル「TUMIQUI Power Digital Solutions(ツミキ・パワー・デジタル・ソリューション)」の2つのサービスを展開しています。

「TUMIQUI Power Digital Solutions」は、2021年3月にセネガル共和国サンジャラ市と協力し、関西電力との協業により実証実験を行っています。

この実証実験では、サンジャラ市中央高校に親アンテナを設置し、3~5km離れた2か所の村落に子アンテナを設置し、高速通信でつなぐことに成功しています。

今回の資金は、「TUMIQUI Smart Kit」のレンタル事業の開始、「TUMIQUI Power Digital Solutions」の展開分野の拡大、アフリカ「Agriculture as a Service(AaaS)」事業の創出に充当します。

独立行政法人国際協力機構の資料「JICAによるアフリカ電力開発支援」によると、2014年の時点では、サブ・サハラアフリカ全体の電化率は35%程度で、農村部に限ると19%と低い電化率になっています。人口でいうと6億人を超える人びとが電気のない生活を送っています。

一方で、固定回線の整備よりも基地局の点での整備が比較的簡単なこともあり、2000年あたりからフィーチャーフォンやスマートフォンが普及しています。

2021年時点では携帯電話の普及率が90%を超えている国も多く、またモバイルブロードバンドにアクセスできる人口も50%前後となっています。

とはいえ、こうしたモバイルブロードバンドは低速なものが多いのが現状です。高速通信や電気が届かない地域はいまだ多く、とくにセネガルでは工業・教育のデジタル実現の課題となっています。

このようにアフリカはインフラや法律の整備が遅れていますが、この状況を新たなビジネスを試すことができるとプラスに捉える企業も多く、海外企業の英語圏の国への参入が目立ちます。

一方、シュークルキューブは、もともとグローバルICT企業として2008年にフランス・パリに設立された企業です。2018年に日本法人が設立され、グローバルICT事業、アフリカ事業、海外進出推進事業を展開しています。

フランス語圏でICT事業を展開していたという経験があるため、アフリカのなかでも、英語圏の企業が進出していないフランス語圏の国でビジネスを展開できます。

シュークルキューブジャポンは、安全性が高く、地域の電化のニーズがあり、競合が少ないセネガル共和国においてインフラ構築事業を進めています。将来的にはアフリカ各国へと事業を展開していくことになるでしょう。

社会課題の解決はビジネスとして行えるものもあります。しかしビジネスとして成立させるまで、資金をどう調達するかが大きな課題となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ K4 Ventures TUMIQUI TUMIQUI Power Digital Solutions TUMIQUI Smart Kit アフリカ インフラ エネルギー シュークルキューブジャポン セネガル セネガル共和国 ツミキ・スマート・キット ツミキ・パワー・デジタル・ソリューション 太陽光発電 株式会社 資金調達 通信 関西電力 電力 電気
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

腸内細菌の研究と栄養補助食品などを展開する「AuB」が3億円調達
2022年6月1日、AuB株式会社は、総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 元サッカー選手の鈴木啓太氏が社長を務め、アスリート特有の腸内細菌データの研究を行うスタートアップです。 4年間…
家計簿アプリとプリペイドカードがセットになった支出管理サービス「B/43」提供の「スマートバンク」が20億円調達
2022年7月13日、株式会社スマートバンクは、総額20億円の資金調達を実施したことを発表しました。 スマートバンクは、家計簿アプリとプリペイドカードがセットになった支出管理サービス「B/43(ビーヨ…
ドローン搭載用レーザースキャナーなどを手掛ける「amuse oneself」が10億円調達
2022年11月29日、株式会社amuse oneselfは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 amuse oneselfは、ドローン搭載用レーザースキャナーシステム「TDOT…
ARを使ったシューティング・バトル・ゲーム開発の「Graffity」が1億円調達
2020年1月21日、Graffity株式会社は、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ARシューティング・バトル「ペチャバト」を開発・提供しています。 現在は、チーム戦を行うことが可…
「アドインテ」が「マックスバリュ西日本」と協業 リテールメディア「マックスバリュ西日本Ads」をリリース
2022年8月22日、株式会社アドインテは、マックスバリュ西日本株式会社と協業し、「マックスバリュ西日本Ads」(マックスバリュ西日本広告)の構築・運用をスタートしたことを発表しました。 アドインテは…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集