注目のスタートアップ

植物のゲノム編集の標準技術化に取り組む「グランドグリーン」が5億円調達

company

2022年4月13日、グランドグリーン株式会社は、総額約5億円の資金調達を実施したことを発表しました。

グランドグリーンは、あらゆる作物・品種でゲノム編集技術を利用可能にするための標準技術化に取り組んでいます。

独自開発した作物のゲノム編集プラットフォーム技術である、汎用的デリバリー技術「gene App」や、ゲノム編集kit「3GE(triple GE)」、ゲノミクスなどを活用し、種苗会社や食品会社などと共同開発を行っています。

戦略策定から、ゲノム編集の実施、官庁への届け出とそのデータ取得まで、一気通貫のサービスを提供しています。

2021年にトマト市販エリート品種での概念実証を終え、2022年からゲノム編集共同研究開発サービスを本格的に開始しています。

今回の資金は、開発の強化、適用作物品種のさらなる拡張、共同開発パイプラインの拡大に充当されます。

育種は、遺伝子の変化により植物の性質が変化することを利用し、人類の目的にあった品種を選んだり作ったりする作業です。

古くは自然界で起きた突然変異によって性質が変化したものを選んで育成することからはじまり、現代では異なる品種をかけ合わせることで目的の性質をもった品種を作る品種改良などに発展してきました。

一方で、品種改良には短くても5年から10年ほどの歳月が必要となることが大きな課題となっています。この課題を解決するため、別の生物から目的とする遺伝子を導入し新しい性質を持たせる遺伝子組換えといった、遺伝子に手を加える技術が生まれました。

たとえば遺伝子組換えでは、特定の除草剤では枯れないという性質を持ったものが作られ、大規模農場で栽培されています。上空から除草剤を散布することで、遺伝子組換え作物以外の雑草をすべて除去することができるため、大きな効率化につながっています。

しかし、遺伝子組換え作物が商業的に利用されるようになって20年ほどと比較的短いため、人間への健康面の問題については長期的な影響ははっきりわかっていません。このことから遺伝子組換え作物に対しマイナスイメージを持つ消費者が多く、国内では遺伝子組換えを使用している食品には表示が義務付けられています。

遺伝子組換えの次に注目されている育種技術としてゲノム編集があります。ゲノム編集にはいくつかの種類がありますが、現在実用化に向けて研究が進んでいるのは、酵素によってゲノムの特定の部位を切断し突然変異を起こすという技術です。これにより高い頻度で突然変異を起こすことができるため育種の効率が飛躍的に向上します。

ゲノム編集は遺伝子の操作ということで遺伝子組換えと混同されることもありますが、遺伝子組換えは別の生物の遺伝子を導入するもの、ゲノム編集はゲノムを切断することで突然変異を起こし、その生物にもとからある性質を変化させるというものという大きな違いがあります。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ アグリテック ゲノム編集 技術 株式会社 植物 研究開発 資金調達 農業
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
起業するには何から始める?誰でもできる起業の仕方や手続き【5ステップで解説】

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

バーチャル・スペース提供の「oVice」が1億円調達
2020年12月21日、oVice株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、12月12日に株式会社NIMARU TECHNOLOGYから、oVice株式会社に社名を変更して…
AIライティングアシスタント「Xaris」を提供する「スタジオユリグラフ」が2,500万円調達
2024年1月18日、株式会社スタジオユリグラフは、総額2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 スタジオユリグラフは、AIライティングアシスタント「Xaris(カリス)」の開発・提供、…
汎コロナウイルスワクチンなど開発の「エピトマップ」が3億円調達
2021年12月16日、エピトマップ株式会社は、総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、日本全薬工業株式会社と、動物アレルギー検査株式会社です。 エピトマップは、理化学研究所人工…
BtoC事業者向けマーケティング支援を展開する「プラススイッチ」が融資により1億円調達
2024年8月30日、株式会社プラススイッチは、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 この資金調達は、西武信用金庫、日本政策金融公庫などからの融資によるものです。 プラススイッチは、toC向…
メタボ予防・治療のための総合的な保健医療サービスを開発する「メドミライ」が資金調達
2023年6月28日、株式会社メドミライは、資金調達を実施したことを発表しました。 メドミライは、健康診断データ等の解析から数年後のメタボリスクを予測・可視化し行動変容につなげるアプリ「MIRAMED…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集