賃上げに取り組む企業を支援する「賃上げ税制」 中小企業は最大で40%控除へ

change

自民・公明両党の税制調査会は、賃上げに積極的な企業を支援する「賃上げ税制」について大枠を固めました。

今回明らかにされた方針によると、法人税から差し引く控除率が、中小企業は最大40%、大企業は最大30%に引き上げられます。

控除率は3段階となっており、中小企業の場合は、給与総額が前年度比で増えた額の15%、2.5%以上の賃上げで控除率30%、教育訓練費増で40%となります。

また優遇の前提適用条件もあり、中小企業の場合は、雇用者全体の給与総額が1.5%増加させることが条件となっています。

2021年4月から始まった「賃上げ税制」は、中小企業の場合は、全従業員の給与総額を1.5%以上増やした場合、増加分の15%分を控除するというもので、社員教育を充実させることでさらに10%が追加され、最大で25%の控除が受けられるというものでした。

今回の拡充により、控除額は大きく増加するため、賃上げに取り組む企業が増えると考えられます。

とはいえ利益があり法人税を支払っている中小企業は全国で4割に満たないため、政府は赤字にある中小企業向けの賃上げ特別枠を設けることも検討しています。

今回の中小企業最大40%は予想よりも大きな拡充となり、岸田首相が企業の持続的な賃上げを重視していることが反映された結果となります。

教育訓練を行うと最大の控除率となるため、中小企業においては外部のリソースなどを活用して教育訓練を行うといったことも増加すると考えられます。

そのため社員教育関連のスタートアップの動向にも注目が必要かもしれません。

累計200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「総務手帳」では、書店員が選ぶ社員教育に使える本10選を紹介しています。

カテゴリ 制度改正
関連タグ 中小企業 法人税 賃上げ税制
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。

制度改正の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【東京都】「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業」助成金
東京都中小企業団体中央会は、令和6年度「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業」の第2回募集について発表しました。 都内産業の活性化に向け、受注型中小企業(下請企業)の技術・経営基盤の強化を図るため、中…
【参加費無料】まだ間に合う!中小企業が知っておきたい 今年使える補助金制度オンラインセミナーを開催
国や地方自治体では、様々な補助金・助成金を企業や個人事業主に支給することにより、経済的な活動の支援を行っています。 新型コロナウイルス感染症においての経済的ダメージを回復させるための施策として補助金・…
【奨励金100万円】「男性育業推進リーダー事業」認定と奨励金支給により男性育業を推進する企業を支援【東京都】
東京都「男性育業推進リーダー事業」のご案内です。 都内企業の男性従業員の育業取得率向上を目指し、「男性育業推進リーダー設置企業」認定制度を実施します。 育業経験がある男性を「男性育業推進リーダー」とし…
東京都中小企業の景況 令和5年3月調査
東京都は、東京都中小企業の景況 令和5年3月調査の結果を公表しました。 2月の都内中小企業の業況DIは、当月-26(前月-26)と横ばいで推移しました。 業種別の前年同月売上高DIは、小売業(-36→…
課題解決型インターンシップを秋田県内の中小企業向けに提供する「ローカルクエスト」が創業・資金調達
2022年10月27日、ローカルクエスト株式会社は、2022年10月5日に創業したことと、資金調達を実施したことを発表しました。 ローカルクエストは、秋田県内の中小企業に向け、課題解決型インターンシッ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集