創業時にメディアに露出する方法とは?PRの効果と方法を解説

広報手帳

メディアへの露出は大企業だけじゃない!創業時におけるメディア露出を成功させるポイントを解説します

メディアへの露出は大企業がほとんどで、しかもある程度名が知れた商品などをもった企業だと思っていませんか。

メディアへの露出は、誰にでも実現することができます。それを偶然ではなく、積極的に仕掛けていく確立された方法があると、株式会社ユアウィル 代表取締役の木下氏は言います。

テレビや新聞などのメディアに露出することによって多くの人の目に止まり、また第三者のメディアが認めた商品となり、信用も高まります。

今回はそのような創業時におけるPR(パブリックリレーションズ)の効果と方法を同氏に解説していただきます。

木下亮雄(きのしたあきお)株式会社ユアウィル 代表取締役
PRコンサルタントとして500人以上にそのノウハウを指導。2022年からは一般社団法人PRプロフェッショナル協会にて「PR x マーケティング」のコンサルタントとして150人以上のPRプロデューサーや経営者へアドバイスを実施。元々の経歴としては外資系企業にてマーケティング戦略を13年間経験。ベンチャー支援団体(ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京)ではリードパートナー&PR担当。また、過去には自分自身が医療の分野でPRをきっかけに無名の状態から20冊以上の専門誌に掲載、100回以上1万人以上の医療者へ講演するほどに認知度を高めたという経験がある。

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創業時におけるPRとは?


そもそもPRとは何でしょうか?

PR=Promotion(プロモーション)と思われることが多いのですが、ここではPR=Public Relations(パブリックリレーションズ)を意味しています。PR(パブリックリレーションズ)は簡単にいうと組織の周りの人と良い関係を作ることですが、今回はその中でも、創業時におけるメディア(テレビ、新聞、ラジオ、Web媒体など)との関係に関してフォーカスしています。

創業時にPRを行い、継続的にメディアに露出することによって、商品の認知拡大および見込み客からの信用向上が期待できます。「なぜ創業時のPRが効果的なのか」「創業時のPRは何をすればよいのか」これらに関して詳細を記載していきます。

なぜ創業時にPRが効果的なのか?

創業時は認知と信用が大きな課題

これまで数百人の創業者と出会ってきましたが、多くの方は創業時の顧客の獲得に苦労しています。

顧客を獲得するまでのステップを大きく3つにわけると「認知される」「興味を持たれる」「信用される」が挙げられます。

特に創業時においては、「認知される」「信用される」が課題となりがちです。

創業時は良いサービスを作っても、その存在を知られていないために、どのように見込み客に「認知」してもらうか、また、創業時は実績が少なく、その状態では見込み客の「信用」を得ることが難しいため、これも大きな課題となるのです。

PRは認知と信用に効果が期待できる

 
「認知」と「信用」を獲得するためにはどうしたらいいのか、それはPRによる効果が期待できます。

「認知」に関しては、全国紙に掲載されれば100万部~数百万部発行されているので、それだけ多くの人の目に止まるチャンスがあります。雑誌に掲載されれば全国の書店で認知を拡げることができます。このようにして自社だけではリーチできない見込み客に情報を届けることができるのです。

「信用」に関しては自社からではない、第三者からの発信ということがポイントです。

これはよく男女の恋愛に例えられます。男性が女性に対して「俺はとても優しいから付き合った方が良い」と言われるのと第三者の女友達から「彼はとても優しいから付き合った方が良い」と言われるのは大きく印象が異なると思います。また、電車の広告等で新しい書籍が紹介されていますが、この時に良く知られている「〇〇雑誌、□□新聞で紹介されました」と記載されているとより信用できると感じるのではないでしょうか。これがPRによる「信用」の効果となります。

『広告→PR』ではなく、『PR→広告』

 
「まずは広告を出して十分に売れてからPRをしようと思う」という声を聞くことがあります。

実はこれは誤解で、『広告→PR』ではなく、『PR→広告』がセオリーです。

その理由は、広告はあくまで認知を広める方法であり、広告によって存在を「認知」されても「信用」が十分でなければ購入には至りません。広告によって多くの人がホームページに流入しても、そこから購入につながらないということは良く聞く話です。

『PR→広告』であれば、先に第三者の公平な視点で記事化され、それが実績となり、信用を高めることができます。信用を高めてから、その後に広告で認知拡大させることによってより広告の効果を高めることができます。

創業時のPRは何をすればよい?


ここからは実際にどのようにメディアへ露出していけばよいのかをお伝えしていきます。

メディアへの手紙(=プレスリリース)を書いてみよう

 
まずはメディアへの手紙(=プレスリリース)を書いてみましょう。

プレスリリースとは新製品やイベントに関してニュース素材としてまとめた1~2枚の書類のことです。プレスリリースと聞くと大企業の方法に聞こえるかもしれませんが、ベンチャーや中小企業、個人事業主も書くことができ、実際に多くの人がプレスリリースからメディアの取材を獲得しています。

またメディアとのコネも必須ではありません。誰もが最初はメディアとの繋がりがない状態からスタートしています。

ただし、一つだけ注意点があります。

それは、プレスリリースは記者にとって「ニュースの素材」である必要があるということです。これさえ守れば誰でもプレスリリースを活用して、メディア掲載を獲得することができます。

失敗するプレスリリースのパターンは共通している 

「プレスリリースを何度か書いてみたけど全然ダメだった」と聞くことがあります。

多くの場合、プレスリリースが採用されない理由は共通しています。

それは「新製品を発売します」や「〇〇イベントを開催します」といった『お知らせ』になっているためです。

大企業であれば、このような『お知らせ』であっても、世の中の関心が高いためにニュースの素材になるのですが、大企業以外では、お知らせを発信してもそれだけではニュースにはなりにくいのです。そのため、ベンチャーや中小企業、個人事業主では工夫が必要となります。

その工夫とは「社会性」「独自性」「なぜ今」を示すことです。

こうすることによって取材される可能性が大きく高まります。

取材されるプレスリリースのポイント①社会性

  
「社会性」とは、社会の課題を解決するためになることで、このような情報に対して、メディアは高い関心を持っています。

なぜなら多くの記者は記事を通して世の中を良くしたいという思いがあるためです。

今どのような社会の課題があって、あなたの商品やサービスがどのようにその社会課題を解決することに繋がるかを示しましょう。

取材されるプレスリリースのポイント②独自性

「独自性」とは、既存の商品との違いのことで、この独自性を明確に示す必要があります。

なぜなら他と同じ商品であればメディアが取り上げる理由がなくなるためです。

また、この独自性によって既存の商品では解決されていない課題が解決できることを示すことがポイントとなります。できるだけ専門用語を使用せずに誰もが分かる表現で独自性を示しましょう。

取材されるプレスリリースのポイント③なぜ今

  
「なぜ今」とは、社会の流れに沿って、今メディアが取り上げるべき理由を示すことです。

これはニュース素材を提供するために大切なポイントとなります。

なぜなら多くのニュースが時事に関連しているためです。そのため、時事に関連することであれば取材に繋がりやすいのです。

なぜあなたの商品を今メディアが取材すべきなのかを示しましょう。

健康サロンの事例

 
以前に群馬県で健康サロンのPR支援を行っていた事例を紹介します。

初めはシニア向けの普通の健康サロンでした。シニアの健康をサポートするという点では社会性はあるのですが、あくまで普通の健康サロンであり、独自性やなぜ今を示すことができませんでした。ちょうどその時はコロナの長期化によってコロナフレイルが問題視されてきた時期であったため、「コロナフレイルに特化した健康体操プログラムを提供する健康サロン」にアレンジしました。こうすることによって社会性だけではなく、独自性、なぜ今が加わり、その結果、テレビのニュース番組および新聞社の取材が入りました。

小さなメディア実績の積み上げが大きな成果に繋がる

継続的に取材される土台作りが大切

創業後すぐに全国放送の有名な番組に取り上げられれば良いですが、これは非常にハードルが高いです。

また、偶然に一度取り上げられたとしても事業への影響は限定的です。PRの魅力は継続的に何度もメディアに露出する仕組みができることです。そのためには数ヶ月の時間をかけて、しっかりと土台を作ることが大切です。

創業時は掲載されやすいメディアからアプローチ

土台作りとは何かというと、メディアの掲載実績を積み上げる事です。まずはWeb媒体、地方紙など比較的掲載されやすいメディアからアプローチすることをお勧めします。

Web媒体、地方紙などの掲載実績はハードルが高めの全国紙や全国放送のテレビ露出に繋がってきます。なぜならこのようなメディアにとって地方紙は大切な情報源であるためです。

また、メディアがプレスリリース等を通じて取材をするべきか判断する際には、インターネットや過去の新聞記事のデータベースを検索します。この時にメディア掲載の実績があると信用に繋がり、取材獲得の確率を高めることができます。

最初の一歩は募集しているWebやSNSから

メディアへのプレスリリースを用いた情報提供には様々な方法があります。

郵送、電話、FAX、WebサイトやSNSでの募集などがありますが、最初の一歩としてはWebサイトやSNSからの募集へ応募してみることをお勧めします。

他の方法よりも行動のハードルが低めであり、また募集しているだけあって採用されやすい傾向にあります。意外に多くのWebサイトやSNSで情報を募集しています。まずはあなたの商品に関連しているWebサイトやSNSで情報を募集しているかチェックしてみましょう。

PRはしっかりと行動すれば必ず成果がでる

今回、創業時におけるPRとは何か、なぜ必要なのか、何をすればよいのかを記載いたしました。

これまでPRに関して500人以上の方にそのノウハウをお伝えしてきましたが、PRで成果を出す人の特徴は共通しています。それは「行動している人」です。PRはしっかりと行動すれば必ず成果がでる方法だと感じています。ぜひ最初の一歩を始めてみましょう。

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(執筆: 株式会社ユアウィル 代表取締役 木下亮雄
(編集: 創業手帳編集部)

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