スキルをシェアする!?「まなびのマーケット」ストアカ代表 藤本崇が変えたいこと

創業手帳

「気軽なまなびの選択肢」をもっと広めたい

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(2018/07/05更新)

カーシェアの「Uber」、シェアオフィスの「WeWork」など、物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組みである「シェアリングエコノミー」が近年注目を集めています。

そんな世界を変えつつあるシェアリングエコノミーにおいて、個人が持つ「スキル」のシェアをビジネスにしているのが、「ストアカ」というサービスです。
2012年に開始した「ストアカ」は、自分が持つスキルを教えたい人と学びたい人をマッチングさせ、リアルに講座を開催する仕組みのもので、登録者数は21万人、先生は13,000人、2万講座が存在する巨大な「学びのプラットフォーム」に成長しています。

そんな快進撃を続ける「ストアカ」を運営している、ストリートアカデミー株式会社 代表取締役の藤本 崇氏に、起業の経緯や今後社会を変えたい事を伺いました。

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藤本 崇(ふじもと たかし)
幼少から社会人まで通算15年をアメリカで過ごす。米コーネル大学工学部修士課程終了、スタンフォードMBA。ユニバーサルスタジオ、フェデックス、カーライルグループなどを経て、2012年に「まなびを自由に」をビジョンに掲げ、教えると学ぶをつなぐスキル共有サイト「ストリートアカデミー」を創業。

「学ぶことの楽しさ」をもっと世に広めたい

ー最初に、ストリートアカデミー株式会社の事業内容について教えてください。

藤本:私たちストリートアカデミー株式会社は、“教える“と”学ぶ“をつなぐまなびのマーケット「ストアカ」を運営しています。

「ストアカ」では、ビジネススキルやIT技術から趣味や自分磨きまで、あらゆるジャンルで個人がスキルを教える教室やワークショップを開催し、学びたい人が単発で気軽に学ぶことができます。2012年にサービスを開始して以来、2018年6月現在登録ユーザー数は20万人を突破し、大人に特化したスキルシェアでは日本最大級に成長しています。

これまで東京メトロ、蔦屋書店、マルイなど大手企業との提携を通じて、新しいまなびのカタチにも取り組み、社会に「自由に生きる人を増やす」ことを目指しています。

ーなぜストアカを作ろうと思ったのですか?その原動力は?

藤本:大学を卒業し社会人になった後も、映画監督や料理人などに憧れて夜間の専門学校に入学しては、続けられずに退学を繰り返していました。

自分のやりたいことを模索した過程は振り返ると自分にとって貴重な経験でした。ですが、周りからは新たな分野に気軽にチャレンジしている人はそこまで多くはなく、悩める20代を過ごしました。

その実体験から、「学ぶことの楽しさ」をもっと世の中に伝えたいと思いました。実際、ビジネススクールや月額制の習い事教室といった業態に対しては入学や継続通学をハードルに感じている人が多かったこともあり、「もっと普通の人が副業で気軽に自分のスキルを教える場が増えれば、学びの選択肢も増えるのではないか?」と考え、「スキルシェア」というサービスをはじめました。

今も常に私を突き動かす原動力は、この世の中に「気軽なまなびの選択肢」をもっと増やしたいという思いです。

どんなスキルでも1講座数千円で気軽に学べる世の中になると、全ての社会人にとって新しいことに踏み出す際のハードルが下がると思っています。

大人になってからでも新しいことに挑戦するのは遅くはない。コストも敷居もそんなに無い。誰しもがそのチャンスがある。そういう世の中にすることで、一人でも多くの人が新たな人生の一歩を踏み出せるようになってほしいと願っています。

せっかくやるなら、人の人生に良い影響を与えるような事をやりたい

ー起業する際に一番困った点はなんですか?

藤本起業当時は、まだ日本に無かったサービスです。ですから、「何をすればいいか誰も教えてくれない」という点が大変でした。

私の場合は、ITの業界の知識も人脈も全くない状態で、個人でインターネットのサービスを始めました。そのため、「ウェブサイトとはどう作るのか」、「ドメインってどこで取得したらいいのか」といった初歩的な予備知識すらなく、誰に聞いていいのかも分からない手探りの状態からのスタートでした。

結局出会う人ごとに自分のやりたいことと無知さを真摯に説明し、ひたすら相談しては教わるという形で勉強しました。

今思うと、当時はほぼ初対面にも関わらず、かなりの無理難題をお願いしていたなと気づき、恥ずかしくなります(笑)。

ー起業した際を振り返ってみて、起業する際に一番注意するべきだった点はありましたか?

藤本創業メンバーをきちんと集めずに、一人で事業を始めてしまったことですね。

一人で決めると議論の幅が広がらないですし、当時は協力者を募って多くの人から共感を得ることが、そもそも事業の推進力になるということに気付きませんでした。今振り返ると反省することは多々あります。

ーでは、起業で嬉しかったことは何ですか?

藤本:ストアカを利用してくださったユーザーさんから、「ストアカで人生を変える出会いがありました」、「このサービスのおかげで今の自分があります」と言われたことです。

「せっかくやるなら、人の人生に良い影響を与えるような事をやりたい」と漠然と思っていました。たった一握りでも、そのような声が聞こえ始めた時が最高に嬉しかったですね。
そういったご意見は、今でも最もモチベーションにつながりますし、我々こそ勇気をいただきます。

アイデアを思いついたら「まずはやってみる」

ー「ストアカ」を運営している際に、面白いエピソードがあったら教えてください。

藤本:弊社は、先生になりたい方向けに、各地で定期的にワークショップを開催しているのですが、ある時サラリーマンをリタイアしたばかりのシニアの方がいらっしゃいました。その方は大手外食企業に長年勤めていた方で、「自分が教えられるスキルは包丁研ぎくらいかな」とおっしゃっていました。

正直に言うと、私は「それで講座が成立するのかな?」と思っていたのですが、同じワークショップの女性参加者から「主婦層にニーズはありそうだからやってみては?」と背中を押され、その方は自宅で講座を始められました。

すると、その数ヶ月後、なんとものすごい人気で連日満席が続く講座になっていました。「何が流行るかについては自分の感覚を重要視しないでおこう」と感じた瞬間でした。

ー起業の際に、まずやるべきことはなんだと思いますか?

藤本:机上の空論で考えていても、やってみないと本当のところは分からない、といったことが多いです。世の中には、実際にやってみる人が意外と少ないです。そのため、アイデアを思いついたら「まずはやってみる」ことが一番大事です。

ー今後の展望を教えてください。

藤本:現在、福岡と大阪を中心に首都圏以外のエリアでユーザーが増えています。これから数年は地方主要都市に積極的に進出し、全国で100万人が気軽に学ぶコミュニティを目指します。その後は、海外進出も視野に入れています。

ー最後に、起業家に向けてメッセージをお願いします!

藤本新しい事業を成功させるのは大変ですが、自分の作った製品・サービスを喜んで下さるお客様の声を直接聞くと、とてもやりがいのあることだと実感するはずです。大変なことほど感謝されるものなので、ぜひ一度はチャレンジしてみてください。

(取材協力:ストリートアカデミー株式会社/藤本 崇
(編集:創業手帳編集部)

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