広報は社員を幸せにするためにいる。「現場の広報担当2500人からナマで聞いた 広報のお悩み相談室」著者 栗田朋一インタビュー

広報手帳

広報が自社の魅力を伝えるために必要なこと

(2018/03/20更新)

自社の商品・サービスを魅力的に伝えるために必要なのが、広報・PRです。ですが、広報担当者の中には、「いまいち自社のサービスの魅力を伝えきれていない・・・。」と悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、3月13日に発売された「現場の広報担当2500人からナマで聞いた 広報のお悩み相談室」の著者 栗田朋一氏に、広報担当者を採用する際のポイントや、広報担当がメディアにアピールする上で意識するべきことについて、お話を伺いました。

栗田朋一氏の過去のインタビュー記事はこちら
「熱を伝える」広報になれ。PRアカデミー主宰 栗田朋一氏のベンチャー向け広報術(前編)
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栗田 朋一
大学卒業後、事業会社の広報を6年、PR会社を4年経験。2007年から株式会社ぐるなびの広報責任者として6年半在籍し、2014年6月に退社。現在は、飲食店の広報支援を手掛ける株式会社外食広報会の代表および広報担当者養成スクール「PRアカデミー」の主宰者として、マスコミキーマンを講師に招いた勉強会や、記者と広報を集めた交流会などを主催し、本当に使える広報ノウハウやマスコミ人脈を多くの広報担当者に伝授している。

自社を知ってもらうためには「相手が何を知りたいのか?」を考える

—今回の書籍は、どんな方に読んで欲しいですか?

栗田:広報を担当するすべての方と、ベンチャー企業の経営者です。
その中でも特に、業務の中で迷ったり不安になったり、壁の乗り越え方が分からなくて立ち止まってしまっている広報担当者に読んでいただけたら、と思っています。

—最近の広報担当者の悩みにおいて、「この悩みが多くなった」という傾向はありますか?

栗田:「頑張っているのに評価してもらえない」という悩みです。これは今に始まったことではありませんが、ベンチャー企業の広報が増えるに従い、“ちゃんと評価できない上司”が増えているという原因もあると考えています。

—社内から兼任の広報担当を選ぶ際や、専任を採用する際のポイントはありますか?

栗田事前に目標設定をしっかりすることです。

「兼任だからこれはできなかった・・・。」、「専任だったらこれができたのに・・・。」と後々思わないように、兼任の場合は、1週間のうち広報業務に何時間割けるのか、その時間で「広報目標」を達成するためには何をしたらいいか、何を捨てたらいいかをハッキリさせるべきです。
時間が取れない分、最短距離で目標に近づいていくルートを見つけておきましょう。

ちなみに、ベンチャー企業が専任を外部から採用する場合、PR会社出身、大手企業の広報出身という人には要注意です。今まで培った人脈や、仕事のやり方をそのままやろうとすることが多く、それがうまくいかずに戦力にならない、といったことが往々にしてあります。

その人は本当に実力があるのか?そして、自社のこと、自社のサービスや商品を心から愛してくれるのか?を見極めましょう。

また、広報の根幹業務、つまりメディアとの良好な関係構築や自社のPRストーリーを考えるのは他社に任せず、社長が自らやるべきです。

例えば、社員が3人までは社長が自分で広報をやり、4人目を採用できるようになったら、その4人目の社員に広報を兼任してもらう、という方針にして、まずは社長が自らやることを意識しましょう。

—メディア担当者に興味を持ってもらうためには、どのようなことに注意したらいいでしょうか?

栗田自分(自社)が伝えたいことではなく、相手(メディア)が何を知りたいのかを考え、伝えることです。

そのためには、アポを取った記者が何に関心を持っているのか事前に調べるべきだし、会話の中からそれを探って、興味を引くような話、心を動かすストーリーをその場で作るべきです。

広報は自社の社員を幸せにするためにいる

—近年、広報担当者の争奪戦が加熱し始めている、と聞きますが、その理由を栗田さんはどこにあると考えますか?

栗田ある程度軌道に乗ったベンチャー企業が増え続けているからだと考えています。

ベンチャー企業は、ある程度軌道に乗ると「広報が必要だ」と気づきます。広報によってその会社がさらに成長するか、一時のブームで終わってしまうか(そもそも一度も脚光を浴びずに誰にも知られないまま消えていくか)が決まるからです。

広報が上手かったから飛躍したベンチャー企業の事例なども見ると、「うちも敏腕広報にPRを任せて会社の知名度を上げよう」、「世の中からのイメージを良くしよう」などと思う経営者が増えているため、争奪戦が繰り広げられています。

—ネットでの炎上などから会社を守るために、広報担当者ができることはありますか?

栗田:「何が炎上してしまうのか?」、「これをやったらこんなことを感じる人、言ってくる人がいるんじゃないか?」と想像力を働かせることです。そして、少しでも危険を感じたらストップをかけられる立場にいることです。広報が会社の防波堤になる、ということですね。

—栗田さんにとって、広報活動のゴールはどこにあると思いますか?

栗田自社の社員を幸せにすることです。それができない広報はいても意味がありません。
すべてはそこに帰結しますし、広報業務のすべての判断基準はそこにあると思います。

メディア露出もそれによる売上アップも会社の知名度向上も、すべては手段の一つ。
広報担当者とは、自社の社員を幸せにするために存在していると自覚してもらえればと思います。

—これから広報担当を新設しようと考える経営者に伝えたいことはありますか?

栗田:安易に外部から経験者を採ろうとしないでほしいですね。あなたの会社をもっともうまくPRし会社を成長させてくれる広報担当者、それはすでにあなたの目の前にいるかもしれませんよ。

社長である自分より会社のことを愛している、自社のサービスを愛している、そんな社員がいたら、その人こそ広報にもっともふさわしい適任者です。

—広報担当者の方にメッセージをお願いします。

栗田:広報って、社内では一人でも、社外に目を向けたら同じことで悩んだり迷ったりしている同じ立場の人がたくさんいます。決して一人じゃない。みんな仲間です。力を合わせて一緒に乗り越えていきましょう。

そんな他社広報との横のつながりこそが、ベンチャー企業の広報にとっては最大の武器です。その武器を手に入れて、この広報という世界を思う存分、冒険してみてください。

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(取材協力:株式会社外食広報会/栗田朋一)
(編集:創業手帳編集部)

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