借入れを返済するコツや計画の立て方は?NG行為や債務整理についても解説!

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借入れの返済は期日を守れるように返済計画を立てよう


金融機関から借入れをしたら必ず返済が発生しますが、その際にトラブルが起きてしまうケースは珍しくありません。
もしも借入れの返済ができなくなった場合、債務整理も検討する必要があります。
トラブルを避けて期日にしっかり返済できるようにするためには、計画を立てることが重要です。

そこで今回は、計画的に借入金を返済するコツや返済におけるNG行為について解説します。
最終手段となる債務整理についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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計画的に借入れを返済していくための6つのコツ


借入れをすると、毎月一定の期日に返済することになります。期日を守って返済していくためには、計画的な返済に徹底することが大切です。
ここで、計画的に返済していくための6つのコツをご紹介します。

1.返済の優先順位を付ける

計画的に返済をするのであれば、返済の優先順位を付けていきます。優先度が高いのは、借入額が少ないものと金利が高いものです。
借入額が少なければ、完済までそれほど時間がかかりません。
複数の借入れがある場合、ひとつでも早く完済できれば精神的に気が楽になるので、すぐに返済できる借入れなら優先順位は高くなります。

また、金利が高い借入れの優先順位を高くするべき理由は、元金をできる限り早く減らすためです。高金利の借入れは返済期間が長くなるほど、利息も増えていきます。
最優先で返済することで利息の負担が減り、返済総額も抑えることが可能です。

2.固定費を削減する

計画的な返済を実現するためには、固定費の見直しも重要です。固定費は毎月かかる支出であるため、その割合が減れば、返済に充てる費用を増やすことができます。
一度に返済できる金額が増えれば、返済期間を短縮することが可能です。

また、固定費がかかり過ぎて返済する分が足りないという事態を回避する上でも、見直すことは大切です。
携帯電話の通信費や水道光熱費を抑えるために、安いプランの変更や乗り換える、使っていないサービスを解約するなど、探してみると削れる部分はたくさんあります。

3.副業などで収入を増やす

副業などをはじめて収入が増えれば、毎月の返済額を増やすことができます。その結果、返済期間が短くなり、総返済額も抑えられる可能性が高いです。

ただし、副業をする際は本業に支障が出ない範囲で行うことが大切です。副業を認めている会社では、本業を疎かにしない範囲で副業を許可しています。
そのため、副業に集中するあまり本業が疎かになれば、就業規則違反になる可能性があるので注意してください。

4.おまとめローンで借入れを一本化させる

おまとめローンとは、複数社の借入れを一本化させるローンです。借入れが複数あると、返済額や返済日などがバラバラで、管理が大変になります。
しかし、借入れを一本化できれば返済日が統一され、返済管理がしやすくなります。

また、金利の低いおまとめローンに乗り換えることができれば、毎月の返済額の負担を軽減できるかもしれません。
ただし、毎月の返済額が減ったことで完済までの期間が延長し、結果的に総返済額が増えることもあります。
返済シミュレーションをした上で、一本化にするべきか慎重に検討してください。

5.繰り上げ返済・一括返済も検討する

繰り上げ返済や一括返済を活用することで、返済期間や総返済額を減らすことができるので、検討してみてください。
繰り上げ返済では、ボーナスや臨時収入などお金に余裕がある時、毎月の返済とは一部の残高をまとめて返済することが可能です。
完済できる余力があれば、一括返済するのもひとつの手段になります。

ただし、繰り上げ返済と一括返済をしすぎたことで、貯金が不足していざという時にお金が足りないという事態を招くリスクがあります。
それを避けるためにも、ボーナスや臨時収入の半分を貯金に回し、残りを返済に充てる方法がおすすめです。

6.返済日は必ず守る

借入れは返済日に必ず返済するようにしてください。返済日から遅れて支払った場合、遅延損害金が発生し、支払う利息が増えてしまいます。
その結果、元金充当額が増えて返済の負担が増えることになるため、返済の遅延を避けることが大切です。

早く返済を終わらせるためには、毎月の返済額を増やす必要があります。しかし、無理な返済額を設定すると、滞納のリスクが高くなります。
毎月の生活費や固定費などに考慮しながら、無理のない範囲の返済額に設定してください。

借入金の返済計画の立て方


借入金の返済計画を立てることで、毎月返済できる金額や完済までの予定日などを把握することができます。
毎月の返済額が明確になれば、1カ月の支出計画も立てやすくなることもメリットです。
ここで、借入金の返済計画を立てる流れをご紹介します。

1.借入れの現状を把握する

複数社から借入れしている場合、残高がどれくらいなのか細かく把握できていないことが多いです。返済計画を立てるためには、正確に残高を把握しておく必要があります。
借入れの現状を把握するために、借入先ごとに1円単位で借入れ残高や金利手数料を書き出して、借入総額がいくらになるか計算してください。

借入先がわかっていれば、会員専用ページや電話で問い合わせることで借入総額を確認できます。
借入先が不明な時は、回答を得るまで時間がかかりますが、CICやJICC、KSCといった信用情報機関に問い合わせることが確認可能です。

2.毎月の収支を算出する

次に、毎月の収支を把握していきます。毎月の収入と支出額の内訳を書き出して、毎月の支出を可視化してください。
毎月の支出を可視化できると、無駄な支出を発見しやすくなるメリットがあります。支出があるたびに記録しておけば、毎月の収支が把握しやすくなります。
そのため、日頃から家計簿や家計アプリで記録する習慣を身に付けておくのがおすすめです。

3.毎月の返済額を算出する

現状の借入状況や毎月の収支が明確になると、毎月どのくらいの金額で返済できるのかイメージしやすくなります。
少しでも早く返済したいのであれば、返済額を多めにしなければなりません。

しかし、生活費を無理に削ってまで返済額を増やしてしまうと、生活を継続できなくなってしまう可能性があります。
そのため、毎月の支出は少し多めに見積もった上で、毎月無理なく返済できる金額を求めてください。

4.完済までのスケジュールを立てる

毎月の返済額を算出できたら、いつまでに完済するのかスケジュールを立てていきます。
金融機関の公式サイトやアプリにある返済シミュレーションを使うことで、完済までの推移を簡単に把握できるのでおすすめです。
返済シミュレーションに借入総額や金利などを入力することで、完済までの期間、返済回数といった情報がわかります。
これらの情報をもとにスケジュールを立てた上で、計画的に返済を実行してください。

借入返済時にやってはいけないNG行為

 

借入れを返済する際、やってはいけないNG行為がいくつかあります。自分自身の負担をさらに大きくする可能性があるので、以下の行為に注意してください。

借金を借金で返済する

返済できないからといって、新たに借金をしてそれを返済に充てるのはNG行為です。
もともとあった借金を返すことができても、新たな借金をしたことになるので、負担が減ったことにはなりません。
新しい借入れの金利によっては、むしろ借金が増えてしまう可能性もあります。契約中のカードローンで追加借入れするのも、借入れを増やすことにつながります。
借金を借金で返す方法は根本的な問題解消には至らないので、収入から返済することを心がけてください。

毎月の返済額の過度な減額

ローンによっては、毎月の返済額を任意の金額に設定できることがあります。一時的に支出が増えてしまい、どうしても返済が厳しく金額を減らしたいという時に便利です。
しかし、過度な減額にならないように注意してください。

毎月の返済額が減れば、元金の減りが少なくなってしまいます。それによって返済期間が延びれば利息が増え、総返済額も高くなります。
必要に応じて返済額を調整することは無理なく返済するためには大切ですが、減らしすぎないようにしてください。

クレジットカードの現金化・リボ払いの利用

クレジットカードを現金化して、返済に充てるのもNG行為です。
クレジットカードの現金化とは、ショッピング枠を使って購入した商品の売却や購入特典のキャッシングバックなどの方法で現金化することです。
クレジットカードの現金化は、業者から入金がないといったトラブルが起きるリスクがあります。
また、各クレジットカード会社では、現金化を目的にした利用を禁止しているので、規約違反となってしまう可能性があることにも注意してください。

リボ払いは毎月の支払い金額を一定にできるメリットがあります。しかし、リボ払いは金利に応じた手数料が発生することがデメリットです。
クレジットカードの返済期間が長期化することで、手数料が増えるので返済の負担は大きくなってしまいます。

法外な金利で貸し出す闇金業者の利用

返済が苦しく、つい闇金に手を出してしまう人も少なくありません。闇金業者は与信審査なしでお金を貸してくれるので、すぐにお金を確保することができます。
しかし、法外な金利を設定しているので、借金地獄に陥ってしまう可能性が高いです。

最近は、SNSで勧誘するケースもあり、誰もが闇金業者と接触しやすい環境になっています。
しかし、一度でも闇金業者を利用すれば大変な事態になるので、利用するのは避けてください。

借入れの返済が今月だけできない時は?


返済計画を立てたのであれば、毎月コツコツ返すことが大切です。
しかし、急な多額の支出で今月だけ借入れの返済ができないという、予想外の事態が発生する可能性もあります。
ここで、万が一返済ができない時の解決策をご紹介します。

借入先へ連絡・相談

やむを得ない事情から今月だけ借入れの返済ができない場合、まずは借入先に相談してみてください。
事情を伝えることで、返済日の変更や一時的に利息だけを返済できるようにしてくれる可能性があります。

ただし、確実に変更してもらえたり、この手段が何度も通じたりするとは限りません。
それでも、対応してもらえる可能性があると考えれば、無断で滞納するよりも良い手段です。

ローンを組み替える

ローンの組み替えもひとつの手段です。今よりも金利の安いローンに借り換えることで、毎月の返済額を減らすことができ、滞納を回避できる可能性があります。
しかし、ローンを組み替えるとなると、また審査が必要です。審査に時間がかかった場合、返済日までに組み替えが間に合わない可能性もあります。
組み替えをする際は、融資までどのくらいの日数がかかるのかしっかり確認してください。

借入れの返済が困難になったら「債務整理」を検討


借入れの返済ができない状況に陥った場合、弁護士に相談して債務整理を検討してみてください。債務整理をすることで、返済の負担を減らせる可能性があります。
債務整理には、任意整理・個人再生・特定調停・自己破産の4種類があるので、それぞれの特徴をご紹介します。

任意整理

債権者と交渉して、金利や毎月の返済額を減らすなど新しい条件で和解を結ぶ方法です。
返済条件を軽くしてもらい、新しい返済計画に基づいて完済を目指すことになります。今のままでは完済は難しいので、楽にしたいという時に適した債務整理です。

高金利かつ取引き期間が長く過払いがあった場合、任意整理によって借金がゼロ、または大幅に減る可能性もあります。
経験豊富な弁護士に過払いの可能性があるのか、判断してもらってください。

個人再生

裁判所から再生計画の認可を受けて、借入れを大幅に減額する方法です。減額した借入残高は3~5年程かけて返済していくことになります。
任意整理では厳しい多額の借入れを抱えている場合に個人再生はおすすめです。

また、個人再生では、生命保険や車などの資産の処分は不要です。
住宅ローンが残っている場合は、特則を利用してローンの返済を続けることで、持ち家を手放さずに済みます。
そのため、家や資産を手放したくない場合にも適しています。

特定調停

簡易裁判所が債務者と債権者の間に入り、返済条件の緩和の合意を目指す方法です。特定調停で合意した内容は調書にまとめられ、確定判決と同じ効力を持つのが特徴です。
また、簡易裁判所が仲介してくれるので債務者本人だけで申立てができ、必ずしも弁護士に依頼する必要がない点が任意整理との大きな違いになります。

この方法では、債権者と直接交渉をすることになりますが、非協力的な債権者もいる点に注意が必要です。
債権者とそれなりの信頼関係があり、条件が緩和されれば確実に返済できるだけの収入がある人に向いています。

自己破産

裁判所に申し立てて、借入れの全額免除を認可してもらう方法です。
自己破産では、裁判所が債務者の収入・負債額・資産状況などを調査し、借入れの返済が不能と判断された場合に全額免除となります。
税金や教育費などの非免責債権を除き、すべての債務がなくなることが大きなメリットです。そのため、借入金が膨大すぎて、完済の目処が立たない人に適しています。
ただし、ギャンブルで大きな借金をしたなど免責不許可事由があれば、免責許可が認められないので注意してください。

ほかにも家財道具や99万円以下の現金は手元に残せますが、それ以外の資産の処分が必要になるなどのデメリットが多いので、最終手段と考えてください。

借入れの返済が難しい時は借入先への相談や債務整理で対応しよう!

住宅や自動車の購入、開業のための資金など、金融機関にお金を借りる機会は誰にでもあります。
返済が滞れば利息が高くつき、また金融事故となって新たに借入れができなくなるリスクがあります。
そのため、借入れをする際は返済計画をしっかり立てて、毎月確実に返済できるようにしていくことが大切です。
どうしても返済が厳しい時は、返済日の延長に対応してもらえるか借入先に相談してください。また、返済を楽にしたい時は債務整理も考えてみてください。


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(編集:創業手帳編集部)

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