出資と融資はどう違う?事業の状況によってより良い資金調達法を選択しよう!

資金調達手帳

メリット・デメリットを理解して賢く選ぶ

(2018/12/21更新)

起業を考えた時に、一番重要とも言えるのが資金調達です。主な資金調達方法として使われているのが「出資」と「融資」ですが、この2つの違いをあなたは説明できますか?

似ている言葉ですが、この2つは全く違う仕組みです。簡単に言うと、返済の有無やお金の出し手に報いる手段が違います。どちらが優れている方法ということではなく、目的と状況に応じて適した方を選ぶことで、その後の事業への資金の活かし方も変わってきます。

ここでは、融資と出資の違いや、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。違いをしっかり理解して、どちらを選べばよいか判断できるようになりましょう。

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返済の必要がなく、利息もかからない「出資」

「出資」とは、ベンチャーキャピタルや投資家から事業の成功や成長を期待してお金を出してもらうことを指します。つまり、投資です。お金を借りるわけではないので返済の必要はありませんが、成長度合いに応じて利益を還元する必要があります。
たとえば、株式投資を受けたのであれば、値上がり益や配当金を支払うことになります。

出資を受けることのメリット・デメリットは以下のとおりです。

出資を受けることのメリット

メリット1:お金を借りるわけではないので、返済の必要がない
メリット2:利息が発生しない
メリット3:担保や保証人を立てる必要がない
メリット4:融資よりも多額の資金を調達できる可能性がある
メリット5:投資家との人的つながりが生まれ、人脈などの援助が受けられる可能性がある

融資よりも多額の資金を調達できる可能性がある理由は、事業の将来性に期待が集まれば、投資家も大きくお金を動かす可能性があるためです。また、出資を受ける最大のメリットは、返済の必要もなく、利息もかからずに資金調達ができることです。利益を出すことに注力だけすればいいというのは、事業に集中できる環境づくりにもつながります。

出資を受けることのデメリット

デメリット1:経営権を部分的に譲渡することになる
例えば、株式投資の場合は出資額に応じて株式を発行することになります。そうでない場合でも、投資の条件として経営への参画が求められるケースもあります。その結果、経営の自由度が下がる懸念があります。もしかすると、経営権を外部に握られてしまうかもしれません。

デメリット2:事業に際立った部分がなければ投資家やベンチャーキャピタルの目に留まりにくい
どんなビジネスでも投資を受けられるわけではなく、ビジネスの実現可能性や将来性を積極的にアピールし、認められる必要があります

融資を受けることは資金の返済をしなくていいことから、出資は有利な資金調達方法に見えるかもしれません。しかし、そのかわりに経営権を部分的に譲渡することになるので、経営の自由度は下がってしまいます。「経営権を保持したいから、譲渡するのは避けたい」と考える場合は、出資よりも融資を選ぶことをおすすめします。

返済が必要だが、自由な経営が可能な「融資」

融資とは、金融機関から資金援助を受けること。つまり、借金をするということです。融資で資金調達をした場合、必ず返済しないといけませんから、信用力(返済力)に応じて借りられる額も違います。利息をプラスした額を返済しなくてはいけませんが、経営権を渡す必要がないので、経営の自由度は保たれます。

融資のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。

融資を受けることのメリット

メリット1:経営権(株式)を渡す必要がない
会社の経営権を握られる・自由な経営が出来なくなるといった心配はありません。
メリット2:低金利で融資を受けることもできる
返済する際には利息もかかりますが、公的機関の制度を利用すれば、低金利で資金を調達できます。特に、スタートアップに関して金利を優遇する金融機関や自治体もありますから、上手に活用したいところです。
メリット3:多額の資金調達も可能
借りられる額は、企業の返済力(信用力)によって変わってきます。最初は数百万円しか融資が受けられなくても、返済を重ねて信用を増していけば、より大きなお金を集めることも可能になります。

融資を受ける最大のメリットは、経営の自由度を保ったまま資金を調達できることです。創業期の場合は、信用度の低さから資金調達が厳しい場合もありますが、創業期向けの制度を活用すれば望む額の資金調達も不可能ではありません。

融資を受けることのデメリット

デメリット1:利子を上乗せして返済する義務がある
デメリット2:創業期は企業としての信用が足りず、融資審査に通ることが難しいこともある
デメリット3:お金を借りるにあたって、個人保証をする必要がある
デメリット4:資金の使いみちが限定される

融資を受ける際には、何の目的で借りるかが問われるため、その目的以外で資金を使うことができません。利子を含め、毎月一定額の返済が発生する点が、大きなデメリットです。また、返済力(信用力)に応じて借りられる額が決まるため、調達したい額が全て借りられるとは限りません。
しかし、創業期は話が別で、公的機関や自治体が独自に力を入れて支援しているので、それらの制度を上手に活用することで資金調達をスムーズに行うことができます。

融資の中でも、創業期の企業にとって実現性の高い資金調達方法については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】ベンチャー企業必見!資金調達手段5選

出資と融資はどう使い分ける?


出資も融資も、企業にとって資金調達の方法であることは共通しています。

「お金を出す側」という観点で比較すると、出資は投資家やベンチャーキャピタル、融資は金融機関や公的機関が行うものです。

「返済の有無」で比較すると、出資は自己資金になるので返済の必要がなく自己資金になる、融資は負債(借金)なので利子を含め毎月返済する必要があるという違いがあります。

「重視されるポイント」で比較すると、出資では事業の成長を期待されるので将来性が重視され、融資は毎月しっかり返済してもらうための信用力が重視されます。

「経営権」で比較すると、出資は金額に応じて経営権を渡す可能性がありますが、融資の場合は経営の自由度が保たれたままです。

出資と融資の違いの表

これまで説明した出資と融資の違いを分かりやすく表にまとめてみました。

出資 融資
お金を出す側 投資家・ベンチャーキャピタル 金融機関・公的機関
返済の有無 不要 必要
相手に支払うもの 業績に応じた配当金 利子
重視されること 将来性・発展性 信用力・返済力
経営権 出資額に応じて譲渡される 影響なし。自由度が保たれる

それぞれの項目を確認し、事業の状況によってよりよい方法を選択するようにしましょう。
例えば、新規事業に挑戦するために、多額の資金を集めたいという場合であれば、投資家にアピールして出資を募るほうが自由度の高い資金をたくさん集めることに繋がります。投資をする側は金銭的援助以外にもビジネス面で支援してくれることもあるので、よい投資元に出会えれば相乗効果が期待できます。出資を受けるということは経営への参加を伴うと言えるので、経営権を保持したい場合は、あえて融資にとどめておくという選択肢もありえます。

いずれの方法にしても、創業期に特化した支援を行う機関もありますから、起業時にはそれらを活用することで資金調達をスムーズに進められるはずです。

まとめ

出資と融資は似ている言葉ですが、全く違う仕組みです。どちらが優れているということではなく、それぞれ一長一短があります。ですので、事業の状況や資金調達の目的に応じてどちらを選ぶかを決める必要があります。
資金調達について考える際に、今回紹介した内容を参考にしていただければと思います。

(執筆:創業手帳編集部)

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