起業時の必要資金を計算しよう 想定すべき費用と計算を解説!

起業の必要資金はいくら? 自己資金の目安も解説します

(2020/06/10更新)

いざ、起業!ということになると、必要資金の計算をすることは避けて通れません。
しかし、必要資金というと、「どうやって計算するの?」「自己資金が少ないけど、起業はできるの?」「この設備が起業には必須だけど、資金をどうやって集めるか?」など、様々な悩みがあります。

そこで、この記事では、必要資金をその種類・必要な金額の目安、計算方法まで、起業時の必要資金についてであれば一通りのことがわかる解説をしています。起業の際にはぜひ目を通して、「なんとなく」思っている資金についての心配を早めに解消しましょう。

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必要資金の種類

起業するときの必要資金には何があるでしょう。
通常は、事業計画書に載せる数字として「設備資金」と「運転資金」が起業のための資金と言われます。しかし、詳しくは後述しますが、加えて生活資金の見積もりも重要となりますので、この点は忘れないようにしておきましょう。

さて、設備資金と運転資金ですが、それぞれどんなものが設備資金と運転資金に分類されるのでしょうか。大まかな分類と、例をあげます。

・設備資金
製造や販売活動を行うために長期的に使用する設備などを購入するための資金
例)賃貸オフィス(保証金)・社用車・機械・オフィス関連の備品・IT関連の非消耗品の費用(ソフトウエアもこちらであることに注意)

・運転資金
経商品の仕入れ、など売上に直接かかわる費用や給料や家賃など毎月継続的に発生する資金
例)広告宣伝費(チラシ、名刺、Web広告利用料)、人件費、外注費、仕入品購入費

起業する業種が違えば必要資金も変わる

起業時の融資との関係で、設備資金と運転資金をどうやって分けるかは慎重な検討が
必要です。

たとえば、フリーアナウンサーは身一つで営業して仕事を獲得、現場に行けば仕事ができるので、極端な話、個人で事業を始めるのであれば、設備費用はゼロからスタートできます。運転資金のほうが、重要な資金となります。これに対して、イタリアンレストランの起業の場合には、レストランの店舗を用意し、什器備品の用意をし、もしかするとパスタを打つ機械も用意しなければなりませんし、相当の設備費用が掛かることになります。すべて自己資金で賄うのは通常とても難しいこととなります。

このように、起業する事業の種類・内容に合わせて、設備資金・運転資金を見積もることが重要になってきます。しかしながら、どんな業種にも共通する、標準的な見積もり・計算方法があります。ここからは「基礎だからだれでもおさえておきたい」見積もり法と、計算方法を次に解説します。

設備資金・運転資金、どうやって見積もる?計算する?全業種共通の方法

・資金の見積もり、まずはリストアップから 「もれなく」がポイント
起業資金の見積もり方法で、おすすめするのは、まずかかる費用をすべてくまなくリストアップすることです。小さい費用も、忘れることなくすべてリストアップすることがポイントです。かかる費用の項目を入力、金額を入力、というように、シンプルにエクセルファイル2列で構いませんので、とにかく漏らさず落とさず入力します。

・設備資金と運転資金の区別
次の作業として、設備資金と運転資金の色分けをします。
設備資金と運転資金は、どうやって区別をつけるかは融資の時のポイントになりますので、間違いのないように十分検討します。

設備資金は、企業活動のために長期的に使用する設備を購入するための資金であって、一括払いやリース契約をするものが設備資金です。運転資金は、人件費・広告宣伝費・仕入れの費用など継続的に必要となる資金です。こうして分類するとまず確実に双方の区別が付けられるようになります。

さらに、運転資金は、固定費と変動費に分かれます。家賃や給料など売上の額に関係なく継続的に発生する費用を固定費と言います。それに対して、仕入れの費用などは、売上の額により変わりますので、変動費と言います。
創業計画で運転資金の計画を作るときは、固定費と変動費を充分に考えて月別に作成することが重要です。

固定費では、例えば社員の採用時期がポイントです。人件費は固定費の中で大きな部分を占めていますので、人員計画と合わせて費用計画を作成する必要があります。
仕入れ費用などは売上の大きさによって変わりますので、まず売上計画をきちんと作成することが必要です。例えば、飲食業の場合、食材の原価率を30%と計画した場合、売上の計画に合わせて仕入額を計算します。

さらに、運転資金で大切なことは支払い条件です。固定費の場合、毎月発生しますので特に支払い条件を気にする必要はありません。しかし、売上の支払(回収)条件や仕入れ費用の支払い条件は、金額的にも大きいので、資金繰りに大きく影響しますので注意する必要があります。例えば、売上は翌月末回収、仕入れ代金は現金払いだとすると資金ショート(運転資金が必要)する可能性が高くなります。

・設備資金と運転資金の合計額をそれぞれ計算して「事業計画書」に載せる数字に!
上記のようにして作業して分類した、設備資金と運転資金(おおむね3か月分)の合計額をそれぞれ計算します。こうして算出した額がそれぞれ、起業時に必要な設備資金と運転資金になります。これらの金額は、おおむね創業時の各種融資・補助金または助成金の申請に必要となる、「事業計画書」に載せる数字と考えておくことができます。

融資の際、運転資金よりも、設備資金の借入のほうが、実は審査の面から難易度が低いです。しかし、混同していることが判明すると、信用を無くすだけでなく、審査時に虚偽の申請をしていることによる一括弁済を迫られることもあります。そこで、事業計画書の内容は、設備資金と運転資金の区別がきちんとできているかの点も含めて、融資機関に十分相談をしましょう。税理士・公認会計士にスポットで相談するのもおすすめです。

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では、実際に起業時に必要になる金額は?

設備資金+運転資金を準備したとして、それだけでは創業者の生活は成り立ちません。創業者にも生活があり、食べていかなければなりません。そこで、別途生活資金を用意する必要があります。生活資金は、創業融資等の外部からの借入は原則としてできません。そのため、売上が順調に伸び自分の給料がでるまでの間は、生活資金として貯金などで確保していく必要があります。

起業時資金、自己資金の準備はどれくらい必要?

起業時の資金を計算して、自己資金でどれくらいまかなえるかが問題になります。
結論からすると、自己資金は多ければ多いほど良いですが、そこまでの余裕があって起業する例も少ないと思いますので、ここでは目安の提示をしたいと思います。

自己資金の目安ですが、例えば日本政策金融公庫の創業融資では、自己資金は必要資金の10分の1とされます。以前は、自己資金が大きくないと融資が通りにくいと言われていました。しかし、起業家を育成することは国の重要施策の一つです。そのため、10分の1を用意できれば充分です。前提となるのがしっかりとした事業計画と創業者の本気度です。ヒアリングや面談時に積極的にアピールしましょう。

日本政策金融公庫の場合、現在、借入金が1,000万円以下であればハードルは比較的低いです。1,000万円を超えると、支店決裁ではなくなりますので、用意しなければいけない資料などが格段にむずかしくなります。

下の表は、日本政策金融公庫の創業計画で使用される資金計画表です。左側に必要な資金を設備資金と運転資金と区別して、必要資金の内容と金額を記載します。右側には、必要資金をまかなうために、自己資金、親・知人などの借入金、日本政策金融公庫の借入金、他の金融機関の借入金を記載します。
左側と右側の合計が一致すると正しい資金計画が作られたことになります。

(参照:日本政策金融公庫)

自己資金の不足分を賄う手段ですが、金融機関からの融資のほか、親族・友人から融資を受けることも考えられます。
しかし、それが贈与なのか、貸付なのか、あるいは出資なのか、性質がわからず税務上の問題になることがあり得ること、また、うまくいかなければ人間関係を壊してしまうことから、特に友人・知人の場合は融資を受けること自体おすすめできません。

やむを得ない場合は、貸付契約書を作成し、利息についての約定もしっかりしておくべきです。利息がない場合、贈与とみなされるケースが出て、贈与税の支払いをめぐってトラブルのもとになるケースがあります。

まとめ

起業時に必要な資金については、ここで紹介した見積もり方法・手順を実践すると、算出ができると思います。また、自己資金の用意についての目安もぜひ参考にして、事業計画を立ててください。

さらに詳しく起業時の資金の調達方法や考え方などを知りたい方は、創業手帳が発行する「資金調達手帳」をご覧ください。利用は無料です。

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