田舎で起業するメリット・デメリット。田舎だからこそ儲かる商売のアイデア・成功例

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田舎で起業するメリットはたくさん!田舎で儲かる業種やビジネスアイデア、起業の成功事例などご紹介

「田舎で起業するのは難しそうだけど、でも自然豊かな田舎でこそできるビジネスもあるのではないか」。こんな考えをお持ちの方もいるでしょう。確かに、ヒト・モノ・カネを集めにくいデメリットなどはありますが、逆に低コストでスタートできることなど、田舎で起業するからこそのメリットもあります。

そこで本記事では、田舎で起業するメリット・デメリットや、田舎で起業するためのビジネスアイデア、田舎起業の成功事例などをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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田舎で起業するメリット

田舎で起業するからこそ得られるメリットはたくさんあります。以下でそのメリットをご紹介します。

コストが安い

田舎では、土地や賃貸物件の価格が都市部と比較して格段に安いため、事業を始める際の初期投資や運営にかかるコストを大幅に抑えることができます。この低コストの利点により、ビジネスの継続性が高まり、資金管理がより容易になります。

都市部では高額な賃料や不動産価格が事業の大きな負担となりますが、田舎ではその心配が少なく、投資資金を事業の成長や発展に振り向けやすいのです。さらに、固定費が低く抑えられるため、事業の柔軟性も高まります。経済環境の変化に対して機動的に対応しやすく、リスク管理の面でもメリットがあるでしょう。

このように、田舎での起業や事業展開は、コスト面でのアドバンテージを活かすことができる魅力的な選択肢といえます。初期投資を最小限に抑えつつ、事業を軌道に乗せ、安定的に運営していくことができるでしょう。

定着する人材の確保

田舎には、都市部とは異なる専門知識やスキルを持つ人材が存在することがあります。多くの地方出身者は、生まれ育った土地で働くことを希望しています。そのため、企業が田舎に拠点を設け、安定した雇用環境を提供することで、優秀な人材を確保することができます。

田舎の人材は、その土地特有の産業や文化に精通していることが多く、ローカルな知見を活かしたビジネス展開にも貢献できます。また、都市部に比べて人材の流動性が低い傾向にあるため、長期的な視点で人材を育成し、組織の中核を担う存在へと成長させることが可能です。

さらに、田舎では人材獲得の競争が相対的に緩やかであるため、採用コストを抑えることができる点も魅力の一つです。優秀な人材を確保し、その能力を最大限に発揮してもらうことで、田舎での事業展開に大きな強みを持つことができるでしょう。

ローカルな支援を得やすい

田舎で起業すると、自治体や地元の商工会議所などから手厚い支援を受けられる傾向にあります。具体的には、事業立ち上げや運営に関する補助金・助成金の提供、ビジネスネットワーキングイベントの開催、経営相談サービス体制などの支援が充実していることが多いのです。

自治体は、地域経済の活性化と雇用創出を重要な課題と捉えています。そのため、新たな事業を興す起業家を支援することに積極的です。補助金や助成金などの財政的支援により、初期投資の負担を軽減し、事業の立ち上げをスムーズにする後押しをしてくれます。

また、商工会議所や地元企業とのネットワーキングイベントは、ビジネスパートナーや顧客の獲得、情報交換の機会となります。田舎ならではの強固なコミュニティを活かし、事業の基盤を築いていくことができるでしょう。

さらに、起業家向けのセミナーや経営相談などの支援も充実しています。事業運営のノウハウやアドバイスを得ることで、経営の質を高めていくことができます。

このように、田舎での起業は、自治体や地域社会からの手厚いサポートを受けられる環境にあります。これらの支援を最大限に活用することで、事業の成功確率を高めていくことができるでしょう。

プライベートが充実する

田舎は豊かな自然環境に恵まれており、都会の喧騒から離れた穏やかな生活を送ることができます。都市部の慌ただしさから解放され、ゆったりとした環境の中で暮らすことで、生活の質を大幅に向上させることができるのです。

自然の中で過ごす時間が増えることで、ストレスが軽減され、心身の健康にも好影響を与えます。また、通勤時間が短縮されるため、仕事とプライベートの時間をバランスよく確保することができます。

余暇の時間を有効に活用し、趣味や家族との触れ合いに充てることで、充実した日々を送ることができるでしょう。自然の中で体を動かしたり、地域のコミュニティに参加したりと、都市部では得難い貴重な経験ができます。

このように、田舎での生活は、仕事とプライベートの調和を図りながら、人生の質を高めていくことができる魅力的な選択肢といえます。豊かな自然に囲まれた環境で、ゆとりを持って暮らすことで、人生をより豊かにしていくことができるでしょう。

田舎で起業するデメリット

田舎で起業するメリットも多いですが、一方でデメリットも存在します。以下では、田舎で起業するデメリットをご紹介します。

市場規模が小さい

田舎で起業する際の潜在的なデメリットの一つに、人口が少ないことに起因する顧客基盤の限定性があります。都市部と比較すると、地方の市場規模は相対的に小さく、売上の伸びしろが制限される可能性が高いのです。

また、地方では特定の商品やサービスに対する需要が都市部ほど多くない場合があります。消費者の嗜好や生活スタイルが都会とは異なるため、都市部で人気のある商品が地方では同じように受け入れられないこともあるでしょう。

地方の顧客基盤の限定性と市場規模の小ささは、事業の成長性に影響を与える可能性があります。販売チャネルや販促活動の選択肢が限られ、スケールメリットを活かしにくいことも考えられます。

ただし、これらの課題は、地方ならではの強みを活かすことで克服できる可能性があります。ニッチな市場を深耕したり、地域に根差したきめ細やかなサービスを提供したりすることで、顧客との強い関係性を築くことができるでしょう。

また、インターネットの活用により、地理的な制約を越えて全国または世界の顧客にアプローチすることも可能です。オンラインでの販売やサービス提供に注力することで、市場規模の限定性を補うことができます。

このように、田舎での起業にはデメリットがあるものの、それを上回るメリットを活かし、創意工夫することで、事業を成功に導くことは十分に可能といえるでしょう。

高度な専門職人材を確保しづらい

田舎では、専門的なスキルを持つ人材が都市部に比べて限られていることが多く、事業に適した人材の確保が難しい場合があります。特に、ITや高度な専門知識を必要とする分野では、人材不足が顕著に表れます。

地方の教育機関や企業が少ないため、専門スキルを身につける機会が限られていることが人材不足の一因といえるでしょう。また、キャリアアップの機会が少ないことから、優秀な人材が都市部に流出してしまう傾向もあります。

さらに、地方への移住に伴う生活環境の変化や、都市部とは異なるライフスタイルへの適応に対する抵抗感から、地方での就職を敬遠する人も少なくありません。このような心理的障壁が、地方企業の採用活動をより困難にしている側面があります。

人材不足は、事業の成長や競争力に直結する重要な課題です。地方企業が優秀な人材を惹きつけ、確保するためには、魅力的な職場環境の整備や、積極的な採用活動が欠かせません。

リモートワークの導入により、物理的な制約を越えて都市部の人材を活用することも一つの選択肢でしょう。また、地域の教育機関と連携し、早い段階から地元企業への就職意識を高めていくことも重要です。

人材不足の課題に対しては、地方自治体や企業、教育機関が協力して、中長期的な視点で取り組んでいくことが求められます。地方の魅力を発信し、人材の定着を図ることで、持続的な事業運営が可能になるでしょう。

田舎で起業するのにおすすめの業種は?田舎でも儲かる商売のアイデア

田舎で起業するのにおすすめの業種はたくさんあります。田舎だからこそ、田舎でしかできないビジネスモデルを選んで、起業を成功に導きましょう。以下でおすすめの業種をご紹介します。

観光業

田舎には自然の美しさや歴史的な建造物、文化遺産など、多くの観光資源が存在します。観光客向けの宿泊施設や体験型アクティビティ、地元特産品の販売などは人気があります。例えば、分散型ホテルやエコツーリズム、農村体験ツアーなどが考えられます。

農業・食品加工業

地元の農産物を生産し、直接販売する直売所や、加工品を製造・販売するビジネスは、地元経済の活性化に貢献できます。有機農業や地産地消を推進することで、都市部からの需要も見込めます。また、農業体験や収穫体験を提供することも人気です。

リモートワーク関連ビジネス

リモートワークが普及する中で、田舎の静かな環境は理想的な作業場所として注目されています。コワーキングスペースの運営やリモートワーカー向けの宿泊施設、ワークショップやセミナーの開催などが考えられます。

介護・福祉サービス

高齢化が進む地域では、介護や福祉サービスの需要が高まっています。訪問介護サービスやデイサービス、リハビリ施設の運営などは、地域住民の生活を支える重要なビジネスです。

飲食業

地元の食材を活かしたレストランやカフェ、移動販売車などは、観光客だけでなく地元住民にも人気があります。また、田舎ならではの手作り感や温かみを活かしたコンセプトが魅力です。

工芸品・手作り製品の販売

田舎には伝統的な工芸品や手作り製品が多く存在します。これらを現代風にアレンジして販売することで、新しい市場を開拓することができます。オンラインショップの活用も効果的です。

リラクゼーション・健康産業

田舎の静かな環境を活かして、ヨガや瞑想のリトリート、温泉施設やスパなど、心身のリフレッシュを提供するビジネスは需要があります。特に、都市部からの観光客に人気があります。

田舎起業・田舎ビジネスの成功事例3つ

田舎で起業するからこそチャンスをつかんだ起業アイデア3つをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ブルーベリー観光農園

株式会社ブルーベリーファームおかざきでは、ユニークなビジネスモデルを採用し、ブルーベリー観光農園を経営しています。

ブルーベリー観光農園とは、ブルーベリーを栽培しながら、収穫作業をお客様に楽しんでもらう「ブルーベリー狩り」として提供する業態です。お客様は自ら収穫する体験を通して、農業の魅力を味わうことができます。

代表者は、前職のデンソーで培った経営スキルを活かし、年間わずか60日の稼働で年収2,000万円を達成する高効率なブルーベリー農園経営を実現しています。

ブルーベリー農業の最大の課題である収穫作業を、お客様に「観光体験」として提供することで、デメリットを逆に「付加価値」に変えています。主な客層は女性や家族連れで、地元で気軽に楽しめるレジャーとして人気を集めています。

株式会社ブルーベリーファームおかざきの取り組みは、農業とツーリズムを融合させた新たなビジネスモデルとして注目されています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。
ブルーベリーファームおかざき 畔柳 茂樹|年に60日稼働するだけで年収2,000万円。楽して儲かる夢の「農起業」の始め方

リノベーションした古民家をホテルに

山梨県小菅村にある「NIPPONIA 小菅 源流の村」は、分散型ホテルの成功例として注目を集めています。この独特な宿泊施設は、村内の古民家を再生し、それらを一つのホテルとして運営しています。まさに、地方でしかできない起業・ビジネスの代表的な成功例です。

代表の「多摩川の源流を抱える小菅村の魅力を味わってほしい」という思いから、分散型ホテルのアイデアを実現しました。このアイデアは、兵庫県篠山市で実施されていた国家戦略特区制度に基づく分散型ホテルから着想を得たものです。

分散型ホテルでは、村内の道路がホテルの廊下となり、温泉施設が浴場として活用されます。これにより、村内のさまざまな施設に観光客を誘導することができます。

「NIPPONIA 小菅 源流の村」では、今後、村内の100軒の建物をリノベーションする予定です。国内外から多くの観光客が予約しており、地方の宿泊施設を有効活用した成功例として注目されています。

離島でIT系の職業向けコワーキングスペースを作る

大分県北東部に位置する姫島では、地域活性化を目的とした新たな取り組みが行われています。姫島小学校の旧校舎をリノベーションし、「姫島ITアイランドセンター」として整備することで、IT企業の誘致を進めているのです。

都市部に集中しがちなIT企業の社員にとって、自然豊かな地方で仕事ができることは大きなメリットになります。IT関連の仕事は、場所を選ばずに遂行できるため、姫島のような美しい環境の中で仕事に取り組むことができるのは魅力的です。

こうした自然に恵まれた地域に、IT系職業向けのコワーキングスペースやシェアオフィスを設置することは、田舎起業の有効な戦略の一つといえるでしょう。働く場所の選択肢が広がることで、仕事と生活のバランスを取りやすくなり、従業員のモチベーション向上にもつながります。

姫島の取り組みは、地方の魅力を活かしたIT企業誘致の成功例として注目されており、他の地域にも参考になるモデルケースといえます。技術の進歩により、働き方の選択肢が増えている今、このような地方と都市部の連携は今後ますます重要になってくるでしょう。

田舎で起業してビジネスチャンスをつかみましょう


以上、田舎で起業するメリット・デメリットや、起業アイデア、成功事例などをご紹介しました。

あなたもぜひ、田舎で起業して、ビジネスチャンスをつかんでみてください。


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(編集:創業手帳編集部)

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