2018年に資金調達をした注目のスタートアップ20選
今年勢いがあったスタートアップ・ビジネスモデルは?
(2018/12/17更新)
2018年もあと少しで終わろうとしています。今年も、様々なスタートアップが活躍し、資金調達や提携などが行われてきました。
そこで今回は、2018年に資金調達をしたスタートアップの中で、創業手帳編集部が注目した20社をご紹介します。
この記事の目次
創業手帳が注目したスタートアップ20社
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーグレナのホームページより引用
ミドリムシを活用した栄養豊富な食品やスキンケア用品などを展開していることでも知られている株式会社ユーグレナは、9月20日に新株予約権の発行により約50億円の資金調達を行うことを発表しました。
ユーグレナはグループ連結売上高300億円の達成と、国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を掲げた中期経営計画を発表しており、この資金調達のよってシナジーや顧客基盤の強化が見込まれるヘルスケア分野などでのM&A、PR戦略による顧客基盤の強化、新規素材開発などの研究開発を推進していくとのことです。
株式会社ABEJA
株式会社ABEJAのホームページより引用
株式会社ABEJAは、ディープラーニングを活用したAIの社会実装事業を展開するスタートアップ。
様々な大量データの取得、蓄積、学習、デプロイ、推論・再学習を行うPaaS(Platform as a Service)技術「ABEJA Platform」を提供し、これまで150社以上において本番運用を実現しています。
そんなABEJAは、12月4日に、Google等から総額約42億5,000万円もの資金調達を行いました。
この資金調達を受けて、ABEJAは引き続きAI、特にディープラーニングの活用により国内外問わず多様な業界やシーンにおけるビジネスのイノベーションを促進し、産業構造の変革に貢献していくとのことです。
ストリートアカデミー株式会社
ストリートアカデミー株式会社のホームページより引用
スキルシェア・サービス「ストアカ」を運営しているストリートアカデミー株式会社は、11月22日に総額3億8,000万円の資金調達を行いました。
「ストアカ」とは、教えたい人と学びたい人をマッチングするサービスで、登録費は無料。単発から受講でき、1講座数千円〜と気軽に学ぶことができるサービス且つ、誰でも簡単に講座を持つことができます。
今後はTBSグループの番組・イベントとの連動も視野に入れており、今回の資金調達により、顧客管理機能とマッチング機能の機能を向上させ、ユーザ同士がより安心して出会えるためのサービス・仕組みなど安全面での強化を図る他、首都圏以外の地域への展開にも注力するとのことです。
BASE株式会社
BASE株式会社のホームページより引用
ネットショップ開設サービス「BASE」を提供するBASE株式会社は、4月17日に丸井グループからの資金調達を行ったことを発表し、資本業務提携を実施したことを明らかにしました。調達額は非公開です。
BASEは直近だと2018年1月にグローバル・ブレインとマネーフォワードから15億円を調達。
それ以前にも、2014年5月にグローバル・ブレインから3億円を調達し、2016年1月にはメルカリから最大4.5億円の出資を含む資本業務提携を実施。2016年10月にもSBIインベストメント、SMBCベンチャーキャピタルなどから総額15億円の資金調達を行っており、事業をどんどん拡大しています。
株式会社SmartHR
株式会社SmartHRのホームページより引用
社会保険・雇用保険の手続きを自動化するクラウド型ソフトウェアの「SmartHR」を開発・提供している、株式会社SmartHRは、1月23日に15億円の資金調達を行いました。
SmartHRは、調達した資金を利用して、サービスの追加開発と人材採用を行うとともに、マーケティング活動も推進するとのこと。
また、オンライン利用率が8.9%とまだ低い社会保険・労働保険分野の電子申請の啓蒙を行い、クラウド人事労務ソフトの市場拡大を目指していくとしています。
東京海上日動火災保険との連携も視野に入れているとのことなので、今後に注目です。
ディライテッド株式会社
ディライテッド株式会社のホームページより引用
iPad無人受付システムの「RECEPTIONIST」を提供している、ディライテッド株式会社は、3月7日に1.2億円の資金調達を行いました。
RECEPTIONISTとは、来客受付でよくある「内線電話」を、iPadシステムとビジネスチャットによって置き換えるサービス。
これにより、「担当者が不在で取り次ぐことができない」といった負担を軽減するとともに、来客情報の可視化や蓄積もサポートしています。
調達で得た資金は、エンジニアや営業、カスタマーサクセス部門の人員体制の強化、新機能開発・他社サービスとの連携のために使用されるとのことです。
株式会社ハチたま
株式会社ハチたまのホームページより引用
ねこヘルスケアサービス「toletta(トレッタ)」を開発・販売している株式会社ハチたまは、8月8日に7,500万円の資金調達を行いました。
「toletta(トレッタ)」とは、猫の死因トップである「慢性腎疾患/慢性腎不全」の初期症状をモニタリングする、猫専用のヘルスケアIoTサービスです。
「ねこが幸せになれば、人はもっと幸せになれる」というハチたまのビジョンに、多くの投資家が共感してくれたとのことです。
株式会社FiNC
株式会社FiNCのホームページより引用
予防ヘルスケア×AI(人工知能)テクノロジーに特化したヘルステックベンチャー株式会社FiNCは、9月20日に約55億円強の資金調達を行ったことを発表しました。
プロの食事指導で正しくダイエットができる「FiNC ダイエット家庭教師」や、トレーナーによるマンツーマン指導を受けることができる「FiNC プライベートジム」などの健康事業を展開しており、今後は、既存株主をはじめ引受先企業とヘルスケア分野でのAI(人工知能)を活用したサービス開発や共同マーケティング等で、さらに強固なパートナーシップを構築していくとのことです。
株式会社Origami
株式会社Origamiのホームページより引用
財布からお金を出すことなくスマホで支払いをすることができる「Origami Pay」を運営する株式会社Origamiは、9月20日に総額66億6,000万円の資金調達を行ったことを発表しました。
ゆうちょ銀行、SBJ銀行(10月以降開始予定)、じぶん銀行、静岡銀行(8月開始)、第三銀行(8月開始)、三重銀行(8月開始)、北越銀行 、みちのく銀行との提携をすでに発表していたOrigami。今回の資金調達と同時に、中国ではアリペイやWeChat Payに次ぐ規模である「銀聯国際」との資本業務提携を発表しました。
2019年第一四半期には、アジア太平洋地域、北米、中央アジア、中東、アフリカなど24の国と地域の750万を超える店舗で、銀聯QR決済のネットワークを利用したOrigami Payでの決済の実現を目指すとのことです。
株式会社お金のデザイン
株式会社お金のデザインのホームページより引用
AIを活用した個人向け資産運用サービス、いわゆる“ロボアドバイザー”の「THEO(テオ)」を提供する、株式会社お金のデザインは、6月27日に総額59億円を、10月1日に総額7億円の資金調達を行ったことを発表しました。
お金のデザインは、損保ジャパンと金融サービス分野で協業を図るほか、「人生100年時代」を見据えた退職者世代の資産寿命延伸をテーマとした新サービス展開も検討していくとのことです。
株式会社JobRainbow
株式会社JobRainbowのホームページより引用
LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」を運営する株式会社JobRainbowは、7月10日に5000万円の資金調達を行ったことを発表しました。
「すべてのLGBTが自分らしく働ける社会の創造」を目指しているJobRainbowは、TechCrunch Tokyo 2018で行われたピッチコンテストのファイナリストに残るなど、注目を浴びているスタートアップの一つです。
今後はエンジニアやデザイナーを増員し、2025年までに認知度を100%近くまで高め、売上高は300億円規模を目指しているとのことです。
株式会社KURASERU
株式会社KURASERUのホームページより引用
そんな医療ソーシャルワーカーの介護施設探しを支援するマッチングサービス「KURASERU」を運営する、株式会社KURASERUは、6月11日に5000万円の資金調達を行いました。
「KURASERU」は、エリアや月額利用金額、医療処置の範囲などのデータを入力することで、最適な介護施設情報をリアルタイムで検索することができるサービス。介護・医療業界を経験した同社CEOの川原氏が、現場の問題を解決できないかと開発したサービスです。
akippa株式会社
akippa株式会社のホームページより引用
駐車場予約アプリ「akippa(あきっぱ)」を運営するakippa株式会社は、5月22日に約8.1億円の資金調達を行ったと発表しました。
akippaとは、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫に、15分単位でネット予約して駐車できるアプリ。2014年4月にサービスを開始し、現在は累計会員数が70万人を超えるサービスに成長しました。
資金調達先は、既存株主の住友商事、日本郵政キャピタル、JR東日本スタートアップ、ニッポンレンタカーサービス、FFGベンチャービジネスパートナーズ、中部日本放送、千島土地の合計7社。各社は連携においても検討しているとのことです。
NIPPON Platform株式会社
NIPPON Platform株式会社のホームページより引用
「日本をキャッシュレス化する」をミッションに掲げ、様々なキャッシュレスソリューションを提供するNIPPON Platform株式会社は、11月12日に総額約12億5,000万円超の資金調達を行ったことを発表しました。
中小個人商店を対象にキャッシュレス決済など多彩な機能を搭載したタブレット端末の無料レンタル事業を展開しているNIPPON Platform。
この資金調達で国内外のキャッシュレス決済ブランドとの提携の加速や、タブレット端末のさらなる機能・サービス拡充に充当するとのことです。
株式会社grooves
株式会社groovesのホームページより引用
転職支援プラットフォームを運営する株式会社groovesは、7月31日に1億円を調達したことを発表しました。
同社は地銀と業務提携および地銀系VCからの資金調達を積極的に行っており、地方への人材流入を促そうと活発に動いており、2017年3月に広島ベンチャーキャピタル(広島銀行の VC)と大分ベンチャーキャピタル(大分銀行の VC)、2017年10月にごうぎんキャピタル(島根県の山陰合同銀行の VC)、2017年11月にいわぎん事業創造キャピタル(岩手銀行の VC)、2018年2月にちばぎんキャピタル(千葉銀行の VC)、いよぎんキャピタル(伊予銀行系の VC)、新潟ベンチャーキャピタル、北洋キャピタル(北洋銀行系の VC)らと、それぞれ業務提携/資金調達の関係を実施しています。
ライフログテクノロジー株式会社
ライフログテクノロジー株式会社のホームページより引用
AIなどのテクノロジーを駆使したヘルスケア アプリ「カロミル」を運営するライフログテクノロジー株式会社は、5月14日に6000万円の資金調達を行ったことを発表しました。
「カロミル」とは、2015年12月より提供している、日々の食事や運動の記録・管理が簡単にできる、ダイエット・健康管理アプリ。
カロリー・脂質・糖質等のさまざまな管理ができるのはもちろんのこと、自社開発の食事画像解析AIにより、食事内容をスマートフォンで写真撮影するだけで、食事のカロリーや栄養素を自動的に算出することが可能です。
今回の資金調達によって、AIの精度向上や食事データの取得、アスリートや疾病向けなどの新規事業開発を引き続き進めるとのことです。
TORANOTEC株式会社
TORANOTEC株式会社のホームページより引用
買い物のおつりで投資ができる「トラノコ」を運営するTORANOTEC株式会社は、4月12日に資金調達を行ったことを発表しました。金額は非公開です。
トラノコとは、クレジットカードや電子マネーなどを使った買い物の“おつり”を、最低5円から1円単位で資産運用にまわすことができるアプリ。
この資金調達では、証券会社である東海東京フィナンシャル・ホールディングスなどをはじめ、コインパーキングのパラカ、東京電力エナジーパートナーなど、投資家リストに異業種の事業会社の名前も多数あります。これらの企業との連携を深めて行くことが予想されます。
株式会社LegalForce
株式会社LegalForceのホームページより引用
AIを搭載した契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」を提供する株式会社LegalForceは、11月30日に約5億円の資金調達を行ったことを発表しました。
2018年8月のβ版リリースから約3カ月で大手企業や法律事務所を含む約70社に導入されているというLegalForce。
この資金調達を経て、AIを搭載した契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」開発にあたり、開発体制のさらなる強化、経営基盤の拡充、人材採用の強化を行うとのことです。
atama plus株式会社
atama plus株式会社のホームページより引用
AIを活用した教育サービス「atama+」を開発・提供しているatama plus株式会社は、3月26日に約5億円の資金調達を行ったことを発表しました。
AIを活用し、生徒の理解度や、ミスの傾向、学習履歴、集中度などをリアルタイムで診断し、最適な教材を作成するサービスである「atama+」。
調達した資金は、開発スピードの加速、一人ひとりの生徒の満足度を最大化できるプロダクトの開発、学習塾各社への導入体制の強化に充当される、とのことです。
株式会社タベルモ
株式会社タベルモのホームページより引用
ちとせグループが2014年に全額出資して設立したバイオベンチャー企業である株式会社タベルモは、5月22日に総額17億円の資金調達を行ったことを発表しました。
同社は、35億年前に誕生した藻の一種である「スピルリナ」を量産と世界的普及を目指しているスタートアップ。
人口増加による世界的な食糧不足のなかでも、タンパク質の不足は重大な課題となっています。
藻類のなかでもスピルリナはタンパク質の生産効率が最も高く、この問題の解決策になりうると国連機関から注目されているビジネスです。
まとめ
いかがでしたか?今年も様々なジャンルで活躍しているスタートアップが資金調達を行ってきました。
このように1年を通して見てみると、今年はABEJAやお金のデザインなど、AIやFintechのフィールドで活躍するスタートアップが資金調達を活発に行っていた傾向があるようです。
また、JobrainbowやKURASERUなど、社会が抱えている課題に真っ向から挑んでいるスタートアップも資金調達を行っているので、来年の動向に注目が集まっています。
様々な動きがあった2018年を経て、2019年にはどんなビジネスが生まれてくるのでしょうか?
創業手帳編集部は、今後もその動きを見ていきたいと思います。
(執筆:創業手帳編集部)