「ペットが幸せになる事業なら、なんでも挑戦する」世界初のIoTねこトイレ「TOLLETA(トレッタ)」開発までの道のり

創業手帳

株式会社ハチたま 代表取締役 堀宏治氏インタビュー

(2018/04/23更新)


「猫が幸せになれば人はもっと幸せになれる」この理念のもと、世界初の、ねこの健康情報を管理できるトイレ「TOLETTA(トレッタ)」を開発した堀氏。2017年末に走り出したこの事業を行うまでには、数多くの起業の成功と失敗がありました。
今回、ハチたま創業の経緯と、失敗を重ねても前進していく堀氏のマインドについて、お伺いしました。

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株式会社ハチたま
代表取締役 堀 宏治

大学卒業後、システムインテグレーターの最大手に入社。病院の情報システムを担当する部署に配属される。その後、外資系医薬品メーカーに転職。病院の経営コンサルタントに携わる。2003年に、その経験を活かしてメンバー3人で起業。取締役副社長として精力的に活動をする。
2011年、東日本大震災で被災地に置き去りにされたペットの惨状を見て株式会社ぺっとぼーどを設立。その後、よりグローバルな展開を目指し2015年に株式会社ペットボードヘルスケア(現、株式会社ハチたま)を設立。現在に至る。

きっかけは、東日本大震災後のペットたちの姿

ー具体的な事業内容を教えてください。

:「猫と人を幸せにする」ことをコンセプトに世界初のIoTねこトイレ「TOLETTA(トレッタ)」を開発しました。
猫種は腎臓がとても弱い生き物で、その中でも腎不全にかかる率が高いといわれています。猫は我慢強い生き物ですから家族が気づいたときには手遅れになっていることが多いそうです。それならば、トイレにデータを計測できる機能を加えることで早期発見を可能にできないかと考えました。

自宅で簡単に、体重や尿量を毎日測定しクラウドで管理。その日々のデータから病気予防に役立てます。さらに数匹を飼育しているケースにも対応できるように、それぞれの猫の顔を識別できる機能をつけています。

ー事前の病気予防ができるとはありがたいですね。起業のきっかけはなんでしたか?

:もともとは大学卒業後、システムインテグレーターの最大手に勤めていました。配属されたのは病院の情報システムを担当する部署です。そこで全国の病院のデータを分析しているうちに経営に興味を持ち、外資系医療品メーカーに転職。病院を対象にした経営コンサルタント業務に携わりました。しかし、コンサルタント業務での活動がうまくいくことが会社の売り上げの減少につながるジレンマを抱え、退社し、当時のメンバーと一緒に病院専門の経営コンサルタント会社を起業しました。順風満帆でしたがメンバー同士の方向性に差異が生じて別会社を立ち上げることに。それでも医療制度の変革を追い風とし順調に運営していましたが、事情があり売却。

しばらく充電期間を設けようとしていた矢先に、東日本大震災が起きたんです。テレビでは毎日のように被災地の光景が映し出され、住宅地ではペットが残されている姿が。それを見て漠然とですが、動物愛護に関係する仕事ができればと思ったのです。

その後、動物愛護に関するWebサイト事業や、ペットショップの運営を経てペットIT事業を行う会社を創業させました。ペットのデータ収集を行っているうちに、「猫に対するニーズの高さ」を知り、IoTを活用した猫ヘルスケアの開発に進むことを決意したのです。

「猫のために働きたい」人を集め、再スタート

ー様々な事業を経て現在に至るのですね。法人化するにあたり大変だったことはありますか?

:はじめの動物愛護に関するWebサイトは、ペットへの想いだけでつくってしまいました。ペット業界もコンシューマ向けのビジネスも初めてのこと。広告収入を得るためのビジネスモデルでしたが全然収益はありません。次に始めたペット用品のECサイトも売り上げゼロ。

焦りましたね。とにかく売り上げなくてはという危機感から、ペットサロンの運営を始めました。そこでようやく軌道に乗ってきましたが、過去を振り返ると、全国の病院を相手にビジネス展開をしてきたスケール感が忘れられません。再び全国のステージで勝負したいと。そこで別の会社を設立しました。それが今の『ハチたま』の前身となります。

ー法人化してよかったことを教えてください。

:株式会社ハチたまは、2017年、11月22日の”ペットに感謝する日”に社名を変更し、8名で再スタートしました。企業コンセプトは「世界中の猫をもっと幸せに」。TOLETTA(トレッタ)を通じて、猫の健康と長生きを見守る会社です。

メンバーは全員、猫好き。システムやペット業界が未経験でも、「猫のために何かしたい」という人だけを集めました。
そんなメンバーと一緒にできてよかったと思っています。TOLETTA(トレッタ)は、北九州市に量産基地を設け、2018年8月8日の世界猫の日に販売を予定しています。

ー今後の展開を教えていただけますか?

:幸先よく、この「TOLETTA(トレッタ)」が、ピッツバーグで行われるモノづくりのコンベンションで日本代表に選ばれました。猫の腎臓病疾患の問題はなにも日本の猫だけの問題だけではありません。世界中の猫の共通の課題です。せっかく世界中の猫好きな人に見てもらえるチャンスをいただきましたので、思う存分にアピールしてきます。そう考えると僕らの事業のポテンシャルはとても大きいと思います。
将来的には、猫だけでなく犬を対象にしたビジネス展開はできないかとか、ペット保険の分野にも参画してみたいと思っています。

成功するまでやれば成功する

ー最後に起業を考えている方にメッセージをお願いします。


:どんな事業でも、どこかで絶対に躓くことがあるでしょう。失敗してあきらめなければいけないときは、あきらめることを決断するじゃないですか。しかし、成功するまでやれば成功するんです。何事もやり始めはできると思って始めるのですから、数回失敗しても踏ん張れるかが重要だと思います。

「ペットが幸せになれば人も幸せになれる」というコンセプトを変えるつもりはありません。これからも、「ペットが幸せになる」ことと、「事業として成り立つ」ことであれば、色々なことにチャレンジしていこうと思っています。

(取材協力:株式会社ハチたま
(取材協力:三幸エステート株式会社
(編集:創業手帳編集部)

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