新型コロナ支援ー家賃上限50万円まで助成!申請条件や助成期間について解説します
新型コロナ支援として家賃を助成する自民案の概要などを解説します
(2020/05/18更新)
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナとする。)の影響による経済の縮小が懸念されており、個人事業主や個人商店を営んでいる小規模事業者においては、収入がゼロになることで毎月の支払いが滞ることに不安を感じていることでしょう。
特に、家賃の支払いによる負担が重くのしかかっているという方は多いのではないでしょうか。
こういった状況を考慮して、自民党では収入が半減した事業主などを対象に、家賃を上限50万円まで助成する案をまとめました。
新型コロナによる実際の影響とあわせて、申請の条件や助成期間などを詳しく解説します。
創業手帳では、起業家の事業運営を多方面から支援しています。創業手帳冊子版でも有益な情報を多数掲載していますので、ぜひ、ご活用ください。
この記事の目次
「みんなのコロナ対策アンケート」では家賃負担が一番苦しいとの声も
創業手帳では、メールマガジン会員を対象に、新型コロナによる影響や対策についてアンケートを実施しました。
回答の中には、「家賃の負担が一番苦しい」との声がありました。
店内で飲食をする人が減少する中、テイクアウトサービスを展開して何とかお店を維持しようと苦慮されている起業家の方がたくさんいます。自粛ムードが長引けば、売上は減少し続けてしまいます。店舗展開をしている起業家の方にとって店舗運営で一番苦しいのが家賃の支払いです。
「【みんなのコロナ対策アンケート結果】新型コロナの影響と対策をご紹介!」より抜粋
店舗をもって事業を行っている場合、必ず毎月家賃が発生しますよね。事業の売上が減少しているのにもかかわらず、こういった固定費があることで負担が大きくのしかかってしまいます。
そのため、家賃負担に苦しんでいる起業家は多いのです。
ほかにも新型コロナにあえぐリアルな起業家の声が多数!
先述した以外にも、新型コロナの影響を受けているリアルな起業家の声が多数ありました。
その一部をご紹介しておきます。
レンタル事業については影響ありませんが、カフェ事業が打撃を受けており、全体の売上として前月の3分の1にまで減少しています。起業して間もないので前年度比を出すことができず、支援も受けられない状態です。
「【みんなのコロナ対策アンケート結果】新型コロナの影響と対策をご紹介!」より引用
飲食店舗(居酒屋)も経営しています。4名様以上の来客が極端に少なくなりました。宴会需要もなく困り果てています。
「【みんなのコロナ対策アンケート結果】新型コロナの影響と対策をご紹介!」より引用
飲食店にとって、4月は歓迎会による宴会需要が期待される時期です。宴会がなくなってしまうことで、想定していたお店の売り上げは大きく落ち込みます。
新型コロナの影響で、お店を閉める決断をした起業家の方もいらっしゃいます。
このことから、新型コロナは経済に大打撃を与えたことが分かります。
家賃を上限50万円まで助成する自民案の概要とは?
新型コロナの感染拡大防止によって家賃の支払いが難しくなった中小企業・小規模事業者に対し、50万円を上限として家賃の3分の2を助成する案を自民党がまとめました。
この上限50万円という金額は、東京の家賃相場を元に算出しています。
助成期間は年内いっぱいまでとなっており、助成の対象となるのは、前月と比較して収入が半減した事業主、または3カ月間に渡って収入が3割以上減少した事業主です。
この助成制度を活用することで、家賃の負担を大幅に減らすことができます。
事業活動による収益が減少し、困窮している事業主にとっては、今後も継続して事業運営していくためにも、ぜひ活用してほしいです。
家賃の負担を減らす方法には「家賃交渉」も!
先ほど解説した家賃の助成制度を活用する以外にも、家賃の負担を減らす方法として、家賃交渉するということも考えられます。
家賃交渉に関して、弁護士法人堂島法律事務所の安田健一弁護士は以下のように述べています。
借地借家法の対象になる賃貸借契約では、同法の第11条で「地代の増減額請求権」、第32条で「建物家賃の増減額請求権」が定められています。賃貸借契約書に、「期間中賃料は一切減額しない(賃借人は賃料減額請求ができない)」と定めていたとしても、このような条項は無効であり、賃借人の減額請求は可能であるとされています。「新型コロナで家賃交渉を考えている店舗経営者必見! 弁護士が教える対応のポイントまとめ」より引用
このように、条件が揃っていれば家賃交渉は可能です。法律上の家賃額減少の請求権は、以下のような変動があった場合に発生します。
- 土地もしくは建物に対する租税その他の負担が増減した
- 土地もしくは建物の価格の上昇や低下、その他の経済事情が変動した
- 賃料が近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となった
新型コロナによる経済事情の変動があるため、十分な交渉材料になるでしょう。交渉をする際には、書面で残しておくことが重要です。
家賃交渉はできない、と先入観で諦めてしまうのは非常にもったいないです。
起業家の方が事業を継続するためには、政府からの家賃支援だけではなく、オーナーとの交渉も並行して進めていくことを検討してみてください。
弊社代表・大久保よりみなさまへ
家賃が支払えず退去する場合、契約内容によっては、向こう数カ月分の家賃の支払いと原状復帰を要するため、費用がかかることに注意が必要です。
コロナで営業できない場合、物件からの退去すらできないという状況になるケースもあります。
今回の家賃補助は全額というわけではありませんが、一部補助されることは確かです。一方で、大きい規模の物件だと、家賃補助だけではカバーできないことになります。
事業支出は、原価・家賃・人件費のウェイトが高いです。休業した場合、原価は発生しないため、休業系の助成金と雇用系の助成金を組み合わせることで、家賃と人件費をカバーしていくことになります。
ただし、それ以外にも発生する費用(たとえばリース代など)があります。その部分は融資でカバーしていくことになるでしょう。
様々な制度を上手く活用していくことが大切です。
創業手帳では、弁護士や税理士など専門家の紹介を行っています。専門家の探し方が分からない方やすぐに探したいという方は、ぜひご利用ください。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
(編集:創業手帳編集部)