キャッシュレス決済端末の導入方法は?種類や選ぶポイントを解説!

創業手帳

キャッシュレス決済端末の導入はメリットが大きい


現金を持ち歩かなくて良い、決済がスムーズにできるキャッシュレス決済の利用者は年々増えています。
事業者にとってもレジ業務や売上げ管理が簡易化できる、客単価の向上が見込めるなど、様々なメリットがあるため、導入を検討している方もいるでしょう。
しかし、いざキャッシュレス決済を導入しようにも、今や種類や端末機の種類が多すぎて、何を選べば良いのか迷う方も少なくありません。

そこで今回は、主要なキャッシュレス決済の種類をはじめ、端末機を選ぶポイントや導入の流れを解説します。
キャッシュレス決済の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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主要なキャッシュレス決済は5種類


キャッシュレス決済といっても、その方法や種類は様々です。ここでは、キャッシュレス決済の中でも主要な決済方法について解説します。

1.クレジットカード決済

クレジットカードを用いて商品を購入するクレジットカード決済は、日本のキャッシュレス決済の中で、最も利用されている決済方法です。
クレジットカードを利用すれば、会計時に現金がなくても、商品を購入したり、サービスを利用したりすることが可能です。
利用した料金は、カード会社が一時的に立替えしている状態のため、後日カード会社に対し支払う後払い方式が取られています。

現在、クレジットカードの決済方法は、カードを読み取り端末機にスライドさせる磁気ストライプのほか、ICチップとタッチ決済の3つです。
日本では、読み取り端末機にカードを差し込むICチップが主流ですが、最近は使用時にサインや暗証番号が必要ないタッチ決済を導入する店舗も増えています。

2.QRコード決済

QRコード決済は、スマートフォンのアプリを使ったキャッシュレス決済方法です。

  • 消費者がスマートフォンに表示したQRコードを店舗側が読み込むストアスキャン方式
  • 店舗がスマートフォンやタブレットで表示したQRコードを利用者がアプリを使って読み込むユーザースキャン方式

使い方は、上記の2通りの方法があります。

QRコード決済は、スマートフォンやタブレットがあれば、専用端末機などを準備せずとも導入できるため、初期費用を抑えることが可能です。
また、クレジットカードを支払い先に設定する後払い方式、事前にチャージしておく前払い方式、紐づけした銀行口座から支払う即時払いから選べるため、利用者にとって支払いの選択肢が広がる点がメリットです。

3.電子マネー決済

電子マネー決済は、情報通信技術を使った電子決済サービスで、主な種類として交通系電子マネーと流通系電子マネーがあります。

・交通系電子マネー
Suica、PASMOなど

・流通系電子マネー
Edy、WAON、nanacoなど

電子マネーは事前にチャージした金額で支払う前払い制が主流のため、クレジットカードを保有していない若年層も利用しやすい点が特徴です。
電子マネー決済を利用する場合は、専用端末機が必要になりますが、自動販売機やコンビニなど利用できるところは多く、クレジットカード決済に続く利用率の高さです。
近年は、モバイルSuicaのようにスマートフォンと連携した電子マネー決済も増えており、カードを持ち運ばなくてもスマートフォンがあれば利用できるタイプもあります。

4.デビットカード決済

デビットカード決済は、使用するとカードと紐づけされた銀行口座から即時利用金額が引き落としされる決済方法です。
デビットカードは銀行が発行していることが多く、利用できるのは銀行の預金残高以内となります。
そのため、使いすぎを防げること、その都度チャージをしておく必要がないことがメリットです。

デビットカードは、銀行のキャッシュカードを利用するJ-Debitと、ブランドデビットの2種類です。
ブランドデビットはVISAやJCBなどの決済ネットワークサービスを利用しているため、クレジットカードの国際ブランドの支払いに対応しているところなら使用できます。

5.後払い制電子マネー決済

後払い制電子マネー決済は、その名の通り電子マネー決済のひとつで、QUICPay(クイックペイ)やiD(アイディー)などがあります。
交通系や流通系のように事前にチャージする前払い制とは異なり、紐づけされたクレジットカードから支払う後払い制です。
利用分は後からまとめて請求されるため、その都度チャージしたり、残高を気にしたりすることなく買い物できる点がメリットです。
スマートフォンのおサイフケータイなどに登録しておけば、カードを持ち歩く必要もなく、スマートフォンをかざすだけで決済が可能となります。

キャッシュレス決済端末機にも種類がある


キャッシュレス決済の中には、専用の端末機が必要なものもあります。ここでは、キャッシュレス決済端末機の種類やそれぞれの特徴をご紹介します。
どの端末機を選べば良いのか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

コンパクトで機能性に優れている「据え置き型」

据え置き型は、有線でレジに決済端末を接続し、設置するタイプの端末機です。紛失や盗難被害に遭うリスクが少ないこと、操作方法も簡単で使いやすい点がメリットです。

また、拡張性が高く、クレジットカード決済の端末機に電子マネー用の端末機を接続すればマルチ決済に対応することも可能となります。
様々なオプション機能を使うことでお客様の需要に合わせて柔軟に対応できる点も据え置き型の魅力です。
ただし、据え置き型はレジ横に設置する必要があることから、屋外のイベントでの使用や持ち運びには適していません。

イベント時などにも便利な「モバイル型」

モバイル型は、Wi-Fiや4G回線を使って使用するタイプの端末機です。
店内のWi-Fiや4G回線に接続できれば使用できるため、改めてインターネット環境を整備する必要はありません。
また、持ち運びも可能なため、屋外でのイベントはもちろん、テーブルでのお会計にも適しています。

モバイル型の中には、クレジットカードのほか、デビットカードや電子マネー決済に対応している端末機もあります。
レシート発行できる端末機を用意すればプリンターを用意する必要もないので、コスト削減に効果的です。
据え置き型に比べて、導入にかかる費用を抑えられることもモバイル型の特徴となります。

キャッシュレス決済端末機を選ぶ時のポイント


キャッシュレス決済端末はそれぞれ特徴が異なるため、店舗の規模や利用シーンに合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、キャッシュレス端末機を選ぶ時に重視したい4つのポイントをご紹介します。

1.適切な端末の形式を選ぶ

キャッシュレス決済端末には据え置き型とモバイル型、2つの種類があります。
前述したように、据え置き型は機能性が高く、ケーブルでつなげばPOSレジシステムと連携し、安定した通信環境のもとキャッシュレス決済サービスを提供できます。
一方、モバイル型は、場所を選ばず決済できるため、レジ周りのスペースを有効活用することが可能です。
また、利便性が高く持ち運びもできるため、屋外でのイベントにも向いています。

このように、据え置き型とモバイル型ではそれぞれ特徴が異なります。
レジ横に設置するスペースはあるか、持ち運びする必要はあるのかなど、店舗の広さや業態に合わせて、導入しやすい端末を選ぶことが大切です。

2.利用可能な決済手段を確認する

クレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済など、キャッシュレス決済の種類は様々あります。
端末によって対応している決済手段は異なるため、導入する際は利用可能な決済手段を確認することが大切です。

例えば、現在日本で最も利用者の多い決済手段はクレジットカードですが、クレジットカードには、VISAやmastercard、JCBやAmerican Expressなど複数の国際ブランドがあります。
海外からのお客様も多いエリアなら、より多くの国際ブランドに対応しているほうが有利でしょう。
一方で駅に近い店舗の場合、SuicaやPASMOなど交通系電子マネーの利用者が多い傾向にあるため、対応していると利用されやすくなります。
キャッシュレス決済を導入する際は、店舗の客層や立地も考慮しつつ、自分のところに合った端末機を選ぶのがポイントです。

3.決済手数料はどのくらいかかるか

決済サービスによって決済手数料は異なり、売上げから手数料を差し引いた分が事業の銀行口座に振り込まれます。
決済手数料は経営する上で重要な要素となるため、しっかり比較した上で導入するかどうか決めることも大切です。

例えば、キャッシュレス決済の決済手数料の相場は以下の通りです。

  • クレジットカード決済…3~10%
  • QRコード決済…2~3%
  • 電子マネー決済…3~5%

ただし、これはあくまで相場であり、店舗の規模や業種によっても決済手数料は変わることがあります。
また、キャッシュレス決済の種類や会社によっても違うため、導入する前にしっかり確認しておいてください。

4.初期費用や月額費用はどのくらいかかるか

キャッシュレス決済を導入する場合、決済手数料のほかにも、初期費用や月額費用がかかります。
月々のコストを抑えるためにも、それぞれの初期費用や月額費用を比較し、決済端末を選ぶことが大切です。

例えば、クレジットカードや電子マネー決済を導入するには、専用の決済端末が必要になり、購入費用がかかります。
端末の金額は会社によって異なりますが、一般的な相場は端末本体とサービス料を合わせて約0~5万円程度といわれています。
一方でQRコード決済の場合、スマートフォンやタブレットがあれば利用できるため、専用の端末を購入せずとも良いことがほとんどです。
ただし、中には端末代金や売上げ入金時の手数料が無料などのキャンペーンやサービスを行っており、お得に導入できる場合もあります。
キャッシュレス決済を導入する際は、何にどのくらい費用がかかるのか、しっかりチェックしてください。

キャッシュレス決済端末機を導入する手順


最後に、キャッシュレス決済を導入する手順をご紹介します。据え置き型とモバイル型、どちらを選んでも基本的な手続きに違いはありません。
キャッシュレス決済の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

1.契約方法を選ぶ

キャッシュレス決済端末機を導入するには、決済代行会社を利用するか、各サービスを提供する企業と直接契約するか、2つの方法があります。
以下では、直接契約と決済代行会社との契約、それぞれの契約方法を解説します。

直接契約

直接契約は、各決済会社と個別に契約する方法です。導入したい決済サービスがある場合、それぞれ決済会社に個別で連絡し、申請する必要があります。
複数の決済サービスを導入する場合、作業負担が増えるというデメリットはあるものの、決済代行会社への仲介手数料がかからない点がメリットです。

決済代行会社と契約

決済代行会社を利用すれば、複数のキャッシュレス決済をまとめて導入できます。
直接契約のように、各クレジットカード会社や電子マネー、QRコード決済の提供会社と個別にやりとりする必要がありません。
そのため、手続きや審査にかかる手間を省けるほか、売上げ入金のタイミングも統一できるため、担当者の負担を軽減できる点がメリットです。
ただし、直接契約にはない決済代行会社への手数料がかかる点はデメリットといえます。

2.申し込みをする

直接契約と決済代行会社との契約、どちらにするか決めたら申し込みをしてください。決済代行会社によっては、オンラインでの申し込みにも対応しています。
なお、申込時には以下の書類が必要になります。

  • 事業主の身分証(個人事業主の場合)
  • 商業登記簿謄本(法人の場合)
  • 許可証(業務形態による)
  • 登記簿
  • 店舗情報
  • 内観や外観の写真

申し込みする際は、事前にこれらの書類を用意しておくとスムーズに手続きを進められます。ただし、会社によって必要書類は異なるため、事前に確認しておいてください。

3.審査を受ける

必要書類を提出し申請したら、審査待ちです。オンライン申請の場合、導入まで数日前後と審査完了まで非常に早く進むことがあります。
一方で、決済会社によっては審査完了まで数カ月かかることもあるため、いつまでに導入したいと希望がある場合には、早めに手続きをすることをおすすめします。

4.キャッシュレス決済端末機を設置する

審査に問題がなければ、手続きは完了です。決済端末機が届くので、同梱の設置マニュアルや取り扱い説明書を確認し、設置作業を行います。
設置作業や初期設定が終われば、キャッシュレス決済が利用できるという流れです。

まとめ

最近は、キャッシュレス決済に対応しているかがお店選びの基準のひとつにもなっており、店舗にとって導入するメリットは大きいです。
キャッシュレス決済端末機には、据え置き型とモバイル型とあり、それぞれ特徴が異なります。
導入する際は、今回紹介した内容を参考に、店舗の規模や利用シーン、手数料などを比較検討した上で、最適なものを選ぶことが大切です。

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(編集:創業手帳編集部)

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