【起業家が知っておきたいSEO対策】検索エンジンで上位を狙うために必要なこと

創業手帳

アンドバリュー株式会社代表取締役社長鈴木良治インタビュー(前編)

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(2018/07/18更新)

起業した際、認知を広めるために心強い味方となる「ホームページ」。そのホームページにおいて、多くの人の目に留まるためにやっておきたいのが、検索エンジンで検索結果の順位を上げるための対策である「SEO対策」です。
ですが、「いざSEO対策をするといっても、いったい何から手をつければいいのかわからない・・・」という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、2018年6月7日に発売された「Webプロジェクトを成功に導く 戦略的SEO思考」(朝日新聞出版)の著者である、アンドバリュー株式会社 代表取締役社長の鈴木 良治氏にインタビューを行いました。SEOのプロフェッショナルである鈴木氏が考える「SEO対策における重要な考え方」から、自身の起業エピソードまで、前編・後編に分けてお届けします。

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鈴木 良治(すずき りょうじ)
アンドバリュー株式会社代表取締役社長。

制作や運営からプログラミングまで、Webサイトに関連すること全般をこなすが、専門はSEO対策。

2015年に出版した著書「SEO対策のためのWebライティング実践講座」はSEO対策の本としては近年で最も売れた本となり、シリーズ化された2冊目、「成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座」は多くのIT企業でも教科書として利用されている。

京都大学時代、仮想空間を利用した昆虫の行動分析と走査型電子顕微鏡による形態分析などを行う際にプログラミングに触れ、新卒で入社した株式会社リクルートでは日本最大のフリーペーパー網を支える配送管理システムのリニューアルに関わる。リクルートを退社後、Webの分野に進出し、ベンチャー企業の立ち上げなどを経て現在に至る。

リクルートを退社後、総合格闘技の世界に入り、某ジムの師範として教えながらADCC日本チャンピオンなどとも戦い、2年を過ごすなど、異色の経歴を持つ。

趣味は野生動物の撮影で、学生時代からテントを背負い、北海道や沖縄などの国内はもちろん、アラスカやカナダ、中米などの国々で撮影を行っている。最も好きな撮影対象はクマ。受賞歴多数。

ホームページを作る際に気をつけるべき2つのこと

ー基本的なことをお伺いしますが、ホームページを作る際、まずは何に気をつけたらいいでしょうか?

鈴木目的と将来の展開を明確にすることです。

実はホームページというものは、初めて作成するときより作り直すときの方が費用がかかります。特に、しっかりとホームページを作成していくとページ数が増えますが、このページの移転に、一般的に1ページ当たり2,000~5,000円ほどかかります。100ページほどのホームページだと、既存ページの移転費だけで200,000〜500,000円ほど、加えてデザインの反映やシステム設定などの初期費用がかかってしまいます。

また、利用するサービスを変えると、管理システムの操作性や機能も変わるため、やり方を覚え直さないといけません。できれば、最初から長く使っていけるサービスを選択したいです。

その際のポイントになるのが、ホームページを作成する「目的」と「将来の展開」です。
目的が明確になれば必要な機能も明確になりますし、将来の展開まで踏まえてサービスを選択すれば、機能不足により短期間でサービスを変更することなどを避けられます。

ただ、どのような目的であっても、低コストで運営していくために必須の更新管理機能と、ホームページへたどり着くための道を作るSEO対策は、必須の要素になると思います。

「SEO=人を多く集める技術」ではない

ーご自身の著書「Webプロジェクトを成功に導く 戦略的SEO思考」の中で、「戦略的SEO思考」という言葉が出てきます。これについて教えてください。

鈴木:SEOにおいて、表面的なことに囚われず、本当に達成すべきゴールは何か、そのためには何が必要なのか、などを考え実行するためのフレームワークのことを「戦略的SEO思考」と名付けました。

例えば、店頭で商品の販売するときは、スタッフが商品の魅力や強みをわかりやすく伝えて購入に誘導します。一方、店頭と比べると手軽そうに見えるWebでも、商品の魅力や強みを伝えなくてはいけません。

SEOのゴールは「集客」ではなく、「その先の商品購入」や「お問い合わせ」などにあります。そのためには、ただGoogleやYahoo!の検索結果の上位に表示されれば良いのではなく、「どのような検索結果の上位に表示し、どのコンテンツに誘導し、どのような情報をどのような順番で伝えるか」といった要素も必要です。

残念ながら、現在のSEOサービスではこのような観点を持ったものが非常に少ないです。「SEO=ただ人を多く集める技術」とされてしまっています。

このようなことへ警鐘を鳴らし、より多くのサービスが改善されること、そして、サービス利用者もしっかりと成果を上げられるサービスを選択できるように執筆したのが、今回の書籍です。

検索エンジンは「敵」ではなく「味方」である

ーSEOとリスティング広告(※1)の使い分け、役割について教えてください。
※1
リスティング:検索エンジン(Yahoo!やGoogleなど)でユーザーがあるキーワードで検索した時に、その検索結果に連動して表示される広告のこと。キーワード単位で広告出稿ができるため、検索キーワードに含まれるユーザーの興味・関心にターゲティングすることができる。

鈴木:書籍の中でも触れていますが、現在の正しいSEOは長期的には安定した高い成果を実現します。ですが、成果が出るまでに3ヶ月〜6ヶ月ほどの時間が必要だという弱点があります。そのため、非常に短期的なプロジェクトのためのホームページでは、SEOはあまり効果を発揮できません。

公開直後から一定以上の集客が必要なホームページでは、SEOの成果が上がるまでの間は、リスティングなどを利用して不足する集客分を補う必要があります。

ですが、SEOを行わなければ必要な集客にずっと広告費などのコストを払い続けなければならず、長期的に見るとコストは膨大なものになります。そのため、集客が必要なホームページでは、全ての集客をまかなえないとしても、最初からSEOを行っていくことが重要です。

私は、SEOでベースの集客を実現し、「思うように成果が出ない」、「季節やイベントなどの要因により短期的に必要な集客数が増減した」といった時に、不足分をリスティングなどで補うことを推奨しています。

ーSEOで重要な考え方を教えてください。

鈴木「検索エンジンは敵ではなく、味方である」という考え方です。

そもそも、検索エンジンは「入力される語句を介し利用者が求めるものに行き着けるようにするサービス」なので、検索エンジンは「利用者が求めるもの」を提供するホームページやWebページに高い評価を与えます。

そのため、検索エンジンを騙して価値のないコンテンツを検索結果の上位に表示させても、満足しなかった利用者のアクション率は低いものになってしまいます。利用者が再度利用してくれることはなく、高い成果は実現できません。

また、「利用者が求めているもの」は、最先端の技術や目を見張るデザインが必要なわけではないですし、必ずしも専門家や大企業、有名人が制作したコンテンツである必要もありません。あくまで「利用者が求めているものを満たす」ことが、重要なのです。

そのため、検索エンジンは、Webの専門家以外の人が制作したコンテンツも正当に評価し、大企業や有名人以外の人が制作したものも見つけ出せなければなりません。利用者が求めているものを満たすことを考えホームページやコンテンツを制作する人にとっては、検索エンジンは、専門知識の不足やブランド、知名度を補ってくれ、正当な評価を与えてくれる「味方」と考えられるでしょう。

SEOでこれだけはやっておきたいこと

ーなかなか時間が取れない時や初心者の方のために、「まずはこれをやっておこう!」という対策はありますか?

鈴木:残念ながら、現在のSEOは「これをやっておけば大丈夫!」という単純なものではなくなってきているので、これだけやれば良いというものは挙げにくくなっています。

現在のSEOの基本は、「良いコンテンツの制作」と、「より早く正確に検索エンジンに伝える」ことです。「良いコンテンツの制作」は専門知識がなくてもなんとかなりますが、「より早くより正確に検索エンジンに伝える」ためには幅広い専門知識と、それを実現する高い技術が必要です。
それを助けてくれるホームページの管理システムを選び、利用しなければなかなか高い成果は上げられません。

そして前述した通り、ホームページを移転することになると非常にコストがかかります。
もし、すぐにはSEOに時間や予算を割けなかったとしても、将来的に集客が必要になる可能性があるのなら、はじめからSEOを実行できるシステムを選択しておかないと、実行したいと思ったときに非常に大きなコストがかかってしまうことになります。強いて言うなら、この「SEOを実行できるシステムの選択」を最低限やっておく必要があるかと思います。

ー逆に、やってはいけない対策はありますか?

鈴木先ほど触れた検索エンジンを騙す手法、つまり「裏ワザ」を利用することです。

検索エンジンを騙し、価値のないコンテンツを検索結果の上位に表示させても成果につながらないのは既に述べたとおりですが、そのような違反行為を犯すと検索結果の順位を下げられたり削除されたりする「ペナルティ」を科される可能性があります。

日本で最も利用されているYahoo!JAPANですら、URLを覚えている人はほとんどいません。検索エンジン経由で利用される現在、「ペナルティにより検索結果から削除されること=そのホームページは存在していないのも同然」となってしまいます。しかも、技術の進歩とともに、現在は違反行為が発覚しペナルティを科される可能性がより高まっています。

もちろん、検索エンジンにはまだ未熟なところもあり、「裏ワザ」的な対策が効果を発揮する場合もあります。ですが、世界最大の検索エンジンであるGoogleを運営する「Alphabet」は株式時価総額が世界2位で、その売上高は世界各国の国家予算と比較してもベスト30位に入るほどの企業です。これほどの企業が会社の命運をかけて技術開発を続けています。

そのような技術に対して、「裏ワザ」のような対策を行うことは、リスクが大きいとともにすぐに効果を失ってしまうため、長期的視点から考えるとコストが見合わないと言えます。

実はすごいチャンスに溢れているSEO

ー最近のSEOの傾向はありますか?

鈴木現在のSEOは、非常にチャンスがあります。
2011年に世界最大の検索エンジンのGoogleが評価基準を大幅に変更し始めてから、SEOの方法論は大きく変わりました。「検索エンジンをうまく騙して検索順位を操作する方法=SEO」とされていたのが、2011年以降からなかなか検索エンジンを騙せなくなり、その傾向は強まっています。

そのような中で、SEO業界では中小企業用の方法論の確立が遅れ、中小企業が利用できる現在の傾向に対応したサービスも非常に少ないのが現状です。
正しい方法論は高い専門技術を必要とするとともに、今までは裏ワザの方が効果があったため、多くの業者が正しい方法論を研究していなかったからです。

例えば、大規模なホームページの場合、数百万ページを超え、売り上げも数百億とあるので、例え数%しか売上げをUPさせる効果がなくても、数億円の売上げを得ることができます。また、数百万ページを総動員して数千から数万のキーワードに対策するので、そこまで厳密な対策は必要なくなっています。

しかし、現在運営されているホームページのほとんどを占めるのは、多くても数千ページ、売り上げも数千万も行かない中小規模のホームページです。そのため、数%の効果で売上げを見込むのは難しく、数百〜数千ページで1つのキーワードを狙う方法では、多くても数十のキーワードしか対策できません。

それにも関わらず、現在のSEO業界は、大規模サイトでの方法論をそのまま中小規模サイトに転用する手法が主流となっています。裏を返せば、中小規模サイト用の対策ができているサイトは非常に少なく、非常にチャンスがあると言えるでしょう。
それは次の2つのことから確認できます。

一つは、2016年の年末に起きた株式会社ディー・エヌ・エーが提供していた健康・医療系キュレーションサイト「WELQ」の問題です。
倫理的に問題のある事案でしたが、専門知識のないアルバイトやネット経由で集めた非常に安いライターを利用して社会問題になるほどの効果をあげています。もちろん、不正部分は改める必要がありますが、現在もSEOの効果が大きいことを示すとともに、SEOにチャンスがあることも示唆しています。

もう一つは、まだまだ「やった者勝ち」の余地があるということです。

例えば、もし検索結果がAmazonと楽天、飲食は食べログとぐるなび、ホットペッパーグルメ…と、何を検索しても有名大規模サイトに占領されていたら、ブックマークを利用しているのと変わりません。

検索エンジンというものは、利用することで知らない新しい情報やサイトに行き着けることに価値があります。そのため、知名度や利用者数・サイトの規模・更新頻度など、多くのことで負けている中小規模のサイトでも、検索結果に表示されるように検索エンジンは評価基準を調整しています。
つまり、これを利用できれば、大きな効果を出せる可能性があるのです。

まだまだ大きな効果の期待できるSEOにおいて、このような点があるので、現在はチャンスに溢れていると思っています。

【後編はこちら】アンドバリュー株式会社代表取締役社長鈴木良治インタビュー(後編)
誰もがSEO対策をできる世の中に。SEOのプロフェッショナルが実現したい世界

(取材協力:アンドバリュー株式会社/鈴木良治
(編集:創業手帳編集部)

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